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ヘッケルの『反復説』はウソ【知的雑学トリビア・豆知識】

いまだに堂々と教科書に必ず載っているエルンスト・ヘッケルの「反復説」は学問的に大問題であるが、実はヘッケル自身、人格的に問題のある人物で、平気で偽物造りをやったのである。
反復説で彼が提出した資料も、学者たちから、それが人工的なものであることを次々と暴露されたのである。
逃げ場のなくなった彼はついにそれを認めたが、一九〇八年に臆面もなく、次のような一文をベルリンの新聞に書き送った。
それによって我々は、進化論学者たちがグループで偽物造りをしていたことを彼の暴露で知ることができる。

「この不快な反論を手短かに切り上げるために、まずわたしは、わたしが示した数多くの胚の図のうちのごく一部(おそらくは6~8%)は確かにある意味で偽物であることを認め、それに対して悔いていることを告白する。
が、それももとをただせばとりもなおさず、現時点での観察資料が不完全かつ不十分であることが原因なのである。
すなわち、資料が不足しているために、進化の各段階をつなぐ段になると無理を承知で溝は仮説で埋め、失われた環は比較に基づく総合判断によって復元しなければならないのである。
……それでもなお、わたしの罪が問われるのなら、最高と言われている教科書や学術雑誌に載っている図版の大多数も同様に「偽物」の責めを受けるべきである。
なぜなら、それらはみな必ずしも正確ではなく、大なり小なり手が加えられており、模式化され、構成し直されているからである。
信頼され尊敬されもしている生物学者を数多く含む何百人ものひとたちがわたしと同じ被告席に並ぶことになるのだ。これはわたしにとって大いなる慰めである。」


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