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ぼく見えるもん(こうもりさん)/間違い雑学シリーズ01【アシモフの雑学トリビア・豆知識】


1. ナポレオンは背が低かった

誤解の由来
ナポレオン・ボナパルトが非常に背が低かったという話は広く知られていますが、これは誤解に基づいています。ナポレオンの身長に関する誤解は、フランスの測定単位「ポワ(pieds)」をイギリスのフィート(feet)と混同したことから生じました。

実際の身長
ナポレオンの身長は約5フィート2インチ(フランスのポワ単位で)であり、これは約5フィート7インチ(約170センチメートル)に相当します。当時のフランス人男性の平均身長は約5フィート5インチ(165センチメートル)でした。したがって、ナポレオンは特別に低身長ではなく、平均的な身長でした。

誤解の影響
この誤解は、ナポレオンが「小さな巨人」として知られるようになり、その強力なリーダーシップと対照的な身長が強調されることになりました。しかし、実際には彼の身長は当時の標準的な範囲内でした。

2. 人間は脳の10%しか使っていない

誤解の由来
この神話は、脳の大部分が未使用であり、その潜在能力を引き出せば驚異的な能力を発揮できるという考えから生まれました。この誤解は、20世紀初頭に科学者が脳の機能についてまだ多くを知らなかった時代に広まりました。

実際の事実
現代の神経科学の研究によれば、脳のすべての部分が特定の機能に関与しており、日常的な活動を行う際には脳のほとんどの部分が関与しています。脳の各部分は特定の役割を持っており、全体として協調して働いています。例えば、運動、感覚、思考、記憶、感情など、さまざまな機能が脳全体に分散しています。

誤解の影響
この誤解は、自己啓発やフィクションの中で「脳の潜在能力を引き出す」ことがテーマになることが多く、科学的に誤った情報が広まる原因となりました。

3. コロンブスは地球が丸いことを証明した

誤解の由来
クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸を発見したとき、彼が地球が丸いことを証明したと信じられていました。この誤解は、コロンブスが大西洋を横断して新しい航路を開拓したという事実から派生しました。

実際の事実
地球が丸いことは、古代ギリシャ時代からすでに多くの学者によって知られていました。紀元前3世紀には、エラトステネスが地球の周囲をほぼ正確に計測していました。中世ヨーロッパにおいても、教育を受けた人々は地球が丸いことを認識していました。コロンブスの航海は、新しい航路を開拓する試みであり、地球が丸いことを証明するものではありませんでした。

誤解の影響
この誤解は、コロンブスの功績を過大評価し、彼の航海が科学的な発見であったかのように誤解されることにつながりました。

4. バスタブから立ち上がるアルキメデスの「ユーレカ!」の瞬間

誤解の由来
アルキメデスがシラクサ王の王冠の純度を測定する方法を発見したときに「ユーレカ!(見つけた!)」と叫びながらバスタブから飛び出したという逸話は広く知られています。この話は、古代ギリシャの作家プルタルコスによって記録されました。

実際の事実
このエピソードは、後世の脚色である可能性が高く、実際の出来事の正確性は不明です。アルキメデスが浮力の原理を発見したことは事実ですが、具体的な状況や彼の反応については明確な証拠がありません。

誤解の影響
この逸話は、科学的発見のインスピレーションが突如として訪れる瞬間を象徴するものとして広まりましたが、実際の科学的探求は多くの試行錯誤と継続的な努力によって成り立っています。

5. 蝙蝠は盲目

誤解の由来
「盲目の蝙蝠」というフレーズは、蝙蝠が視覚を持たず、エコーロケーションのみで周囲を把握しているという誤解に基づいています。この誤解は、蝙蝠の夜行性の生活習慣とエコーロケーション能力に起因しています。

実際の事実
多くの蝙蝠は視覚を持っており、特に夜行性の蝙蝠は暗闇でも見ることができます。彼らは目を使って餌を探し、エコーロケーションを補助的な手段として使用します。エコーロケーションは、特に洞窟や夜間の飛行中に役立ちますが、視覚を完全に代替するものではありません。

誤解の影響
この誤解は、蝙蝠の生態についての理解を歪め、彼らの適応能力と生存戦略の多様性を過小評価する原因となりました。

これらの例は、広く信じられている情報が必ずしも正確ではないことを示しています。科学的な理解は常に進化しており、正確な情報を得るためには最新の研究や信頼性のある情報源に依拠することが重要です。


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