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おかげさまで、ちょろいっす。(お家の職人さんインタビュー)

アオキ
今日でこの家の工事の全てが終わりですね。


ひげじい
本当にご苦労さんでした。いやあ寂しくなるなあ。

大塚さん
工事中は賑やかだったのに、一気に人がいなくなりますからね。


中島さん
これから寒くなるし、余計にね。

夕方には家の前で
子どもたちとフリスビーをしがち


アオキ
ということで、本日はこの建物の施工の全てを取りまとめていたシマケンの中島さんと

中島さん

アオキ
パテと塗装の職人さんである大塚さんをお迎えして、職人さんの立場から、家についてお話いただきたいと思います。よろしくお願いします。


大塚さん
よろしくお願いします。いやあ、何を話したらいいのかなあ。

大塚さん



1.個人と個人の繋がり

アオキ
お二人はこの物件が終わったらしばらく会わなくなる感じですか?


中島さん
実はすでに2つの物件を一緒に進めてます。


大塚さん
来年の三月くらいまでは、ずっと一緒やね。

アオキ
へえー!ちなみに、お二人はどう繋がったんですか?


中島さん
僕の後輩の大工が所属してる組合が大塚さんと一緒やったんですよね。


大塚さん
そう。組合の支部の会合で声かけられて。ジョリパッドっていうパテを塗れる職人さんがなかなかおらんもんで「手伝ってくれんか?」って。

中島くんの自宅の施工ですね。

中島さんのお家

中島さん
そうすね。我が家のパテを担当してもらって、もうその時点で「次の仕事お願いします」って相談してました。


大塚さん
中島くんの家でも、パテだけのはずだったのに塗装も全て僕がやることになって。


アオキ
へえー!個人の繋がりでお仕事が始まるって意外でした。


中島さん
僕らは、かなり個人の繋がりですね。


大塚さん
僕も会社なんて立派なもんでなくて。ひとり親方としてやってますんで。横のつながりばかりですね。


ヒゲじい
そうやって相性で繋がるからか、僕が見てても信頼感がすごくて。バランス良いなあって思ってました。

ヒゲじい(アオキの父)

アオキ
僕もヒゲじいも、個人営業のデザイン事務所をやってるんで。知り合いの知り合いがお仕事紹介してくれたっていう形がほとんどなんですよ。だから同じ感じだなって思いました。


中島さん
まさにそうですね。


大塚さん
ちょっと大きいところ、企業対企業でやってると、商売だから当然なんですけど、ドライな関係になっちゃうじゃないですか。

この子の知り合いだからとかそんな始まり方だと「じゃあ助けたろう」って気持ちが入りますよね。何年経っても付き合い続きますし。

ヒゲじい
僕は毎日現場の見学してよくお喋りさせてもらったんだけど、大塚さんがいつも「この現場のメンバーは良いですよ」って言ってて。


大塚さん
いやあ本当に、今回のシマケンのメンバーは良い人ばっかりで、こんなことは普通はないですよ。


中島さん
そうっすね、ありがたいっすね。


大塚さん
僕なんか、たとえば水道屋さんとの繋がりなんてないじゃないですか。でも気さくにずっと喋ってて。

板金屋さんも、彼らがジョリパッドの下地を貼ったんだけど、初対面なのに次の僕の作業にもすごく気を遣ってくれて。

アオキ
板金屋さんも中島さんの知り合いなんですか?


中島さん
いや、あの人も知り合いの知り合いですね。


ひげじい
灼熱の太陽の下で屋根の上で休憩してましたね。すごい知り合いばかりだなあ。

当時の様子

中島さん
なかでも大塚さんはマジですごいと僕は思いますよ。普通は塗装屋さんって塗装しかやらんのですけど、塗りもやりますんで、すごい特殊。


アオキ
なるほど、僕は建築施工の職種も詳しくないのですが、大塚さんはどういう経緯で今のお仕事の形に至ったんですか?



2.三十歳からの学び直し


大塚さん
もともとは建築に興味があったんです。それで親戚で建築に関わっている人がいたんで「現場見学させてください」って言ったら「ほんなら日曜日来いよ」って。

それで日曜の朝に現場行ったら、おじさん一人しかおらんでしょ。いきなりコテとジョウバンを渡されて「こうやってやれ」って。


ひげじい
ははは!すごいですねそれ。

大塚さん
最初は楽しいじゃないですか。毎週遊びに行って手伝ってたら、ある日「なんでお前着替えを持って来とらんのだ」って言われて。

おじさんが実家に電話して「今すぐこいつの服を全部持ってこい」って、すぐにうちの兄ちゃんが僕の荷物を全部持ってきて。


アオキ
ええ!?着替えって作業着って意味ではなく?


大塚さん
そう、持ってる服を全部持ってこいって。そこからいきなり住み込みのパテ職人になることに。


アオキ
お兄さんはどんな気持ちで荷物を持ってきたんでしょうね。


大塚さん
兄ちゃんはもうウキウキで「あいつ家を出ていくわ!」って思ったんじゃないですかね。

アオキ
ちなみにそれは何歳くらいの時ですか


大塚さん
19歳くらいでしたね。そこからパテ屋を10年やって。当時はゼネコンの仕事ばっかりやっとったんですけど、どうもパテ職人ってのは東海地方だけにある職種らしくって。東京とか他の地域では塗装や左官の人がやるらしいんです。


アオキ
へえー!なんで東海地方だけパテの専門職があるんでしょうね。


大塚さん
石膏ボードってあるでしょう。昔はテーパーボードっていう名前の、ジョイント部分が5センチずつくらいボコンって凹んどる石膏ボードがあったんですよ。


中島さん
ありましたね、パテ埋めを前提にした石膏ボードで。


大塚さん
他の地方では、この家でも使ったベベルボードっていうジョイントのところがVの時になるものを使ってるんですが。

我が家の石膏ボードはベベルボードらしい

大塚さん
当時の東海地方では、なぜか扱いが難しいテーパーボードがよく使われてたから、パテ専門の職人が必要になったんじゃないかって聞いてます。


アオキ
へえー!面白いです。大塚さんはそのパテの専門職から、塗装までやることになったのはどうしてですか?


大塚さん
実は僕は30歳くらいのときに体を壊したんですよ。昔から腰痛がひどくってヘルニアで。

ある時に腹を括って手術して。その時には僕は独立しとったんだけど一年ちょっとの間は仕事ができなくて。それまでに付き合ってるところを全部リセットできたんです。

大塚さん
実はパテ職人って工程表にもないくらいの扱いなんで、もっと表に出る仕事がしたいなあって思ってて。


中島さん
パテは下地やからね。本当はめっちゃ重要な仕事なのに、最後に表から見える箇所ではないから軽視されがち。

我が家のパテ作業をする大塚さん

大塚さん
退院して仕事できるようになったタイミングで、知り合いの塗装屋さんに「塗装覚えたいから僕を使って」ってお願いして。


アオキ
へえー!30歳でイチから勉強しなおしってことですよね。


大塚さん
でもね、職人で30歳越えてるし僕は老け顔やもんで、どこ行っても一人前の親方みたいに言われるんですよね。


ヒゲじい
僕も大塚さんのことは「親方」って呼んでました


3.不器用だから言語化する


大塚さん

当時の僕は塗装職人としてはド素人なんで、ヨレヨレな塗装しかできなくて。緊張してプルプル震えながら塗装してました。

若い子のようには教えてもらえないから、必死で一丁前にできるようなフリをして。現場の職人と親しくなって遠慮なくガンガン質問しまくってました。


アオキ
現場でそうやってガンガン質問する人って珍しそうですね。


中島さん
確かに珍しいすよね。


大塚さん
みんな質問なんてしないですよね。でも僕は毎日、酒の席でも質問しますから、みんなから「なんでなんでってうるせー!」って言われてました。


中島さん
めちゃくちゃ大事っすよね、それ。

ヒゲじい
だからだわ。僕が大塚さんに質問するたびに、めんどくさがらずにわかりやすく教えてくれるの。


大塚さん
いろんな現場で人を見てて思ったんですけど、僕はすっごい不器用なんですよ。器用な人ってすぐできちゃうから、言葉にする必要がない。


アオキ
あれですね「ホームランなんてガーって打つんだよ!」みたいな話。


大塚さん
そうそう、感覚でできちゃう人は言葉にする必要がないんですよね。いろんな人に質問したら一人一人ニュアンスが違う答え方をするんですけど、それを自分なりに解釈して言語化しないと僕はできない。


ヒゲじい

不器用な人ってそういうのが多いですね。長くできる人。


アオキ
下手だからこそ教えるのが上手ってことですか。


大塚さん
そうかもしれないです。実は僕の周りの塗装屋さんも最近コテを使うようになったんですよ。教えにきてくれって言われて、僕が教えたから。


アオキ
ああ、うちでもジョリパッドをシャーッシャーッてやってたやつ。


大塚さん

そう、あれをコテでやれる人って少ないんですよ。


ヒゲじい
あれは見事でしたね、まるで筆で描くように綺麗にグラデーション状に伸びていく。大塚さんがやってるとすごく簡単そうに見えるんだけどね。


アオキ
たしかに、筆で絵を描くようにスムーズにやられてましたけど、固いコテであんなのどうやってやってるのか不思議で見入っちゃってました。




4.前提で会話があるから


ちなみに、中島さんが「大塚さんは特別」って言うのはどういうところなんですか?


中島さん
まず見た目が特別じゃないですか。どっしりしてる。


アオキ
そこ?

中島さん
あとはわかりやすく言うと、普通の塗装屋さんよりこだわりが強い。僕が気にせんとこでも自分で勝手にこだわってくれるんです。


アオキ
たとえば「もう一回上塗りしてほしい」とか「直してほしい」とかいちいち言わなくて良いってことですか?


中島さん
いや、大塚さんはむしろ聞いてくれるんですよ。作業を始める前に、どうしたいのかを質問してくれる。


大塚さん
請け負った時に、お客さんが何を求めているか。現場の責任者がどうまとめているかってのはまず知りたいし、ここはどういうスタイルで何にこだわってるのかをまず聞くようにしてますね。

アオキ
ふむふむ。会話をいっぱいするんですね。そこが特別なんですね。


中島さん
するする。めっちゃします。僕はもう大塚さんに任せたら良くなるってのはわかってるんで「任せます、任せます」しか言わんくなってますけど。

アオキ
面白いなあ。「勝手にこだわってくれる」って言っても、こだわらなくて良い部分に専念されちゃうと困っちゃうじゃないですか。でも前提で会話があるから、こだわりが無駄にならない。


中島さん
そうです、はい。そしてどの現場でもこだわりがずっと一緒なんですよ。正直言って手を抜きたくなる瞬間もあるじゃないですか。それが一切ない。


ヒゲじい
僕が現場で見てて驚いたんだけど、この家は間接照明が多いから大変だって言って。塗装を綺麗に仕上げた後に、懐中電灯で真横から光で照らして何度もやり直していて。

中島さん
どの方向から間接照明が当たるかを工事中にめちゃめちゃ聞かれました。


大塚さん
そう。まだ照明も設置されてないから、完成後に光がどう見えるかわかんないじゃないですか。だからできるだけ近い角度に懐中電灯をあてて、細かい傷や影なんかも調べるんです。

間接照明だけじゃなくて、自然光でも窓の大きさや軒の長さで光の入り方が変わるもんだから、その辺も想像しながら仕上げていきます。


アオキ
僕はなんとなく「凸凹を平らにする作業」って思ってたんですが、そうではないんですよね?


大塚さん
極端な話、大きな一枚の板で作れば平面ができるんですけど、実際の建物って板と板をつないで作るじゃないですか。

この建物も、石膏ボードと石膏ボードとの継ぎ目が溝になっていて。そこにメッシュテープを貼ってパテで埋めていくんで、実際にはどうやったって凸凹してしまうわけです。



だから、はっきり言えば凸凹をどうごまかすかという作業になるわけなんですけど。


アオキ
ふむふむ、いま壁を見てもフラットにしか見えないんですけど、どんな手品があるんでしょう。


大塚さん
簡単に言えば、山になってる部分があるとしたら、光から遠い方をものすごく長い斜面にします。影をグラデーションにして伸ばすイメージです。

たぶんこんな感じ
山の斜面をなだらかにして
影を目立たなくする


アオキ

へえー!だから光源の位置を把握するのが大切なんですね。


大塚さん
そう。あとね、これを実現するには僕だけじゃなくて、その前段階の大工さんの仕事もすごく大事なんですよ。

たまにゼネコンの仕事なんかで「バンバン!」って手早く石膏ボードを打っちゃって、噛み合わせが悪くて繋ぎ目で段違いになっちゃってることがあって。そうすると僕はどうすることもできないです。

この建物では中島くんが丁寧にやってくれたから、僕の仕上げが活かされた。

中島さん
いやまあ、特別なことはしてないすよ。でも石膏ボード貼るところは一番走れる(急げる)ところなんで、手を抜く人は抜くかもしれないですね。




5.大塚さんがいるからOK


アオキ
ちょっと具体的な話になりますけど、あそこに小窓があるじゃないですか。あれが大変そうだったってヒゲじいから聞いてるんですけど。


ヒゲ
あそこはすごかったぞ。塗っては光で照らして、ヤスって塗って、結局7度くらい塗り直してましたよね。

上の方にあるのが小窓です

アオキ
いや申し訳ないんですけど、あの小窓って工事の途中で「こんな感じに穴開けて透明板をはめただけの簡素な窓がほしい」ってお願いしてできたものなんです。だからそんな大変なことになるなんて僕は想像できていなくて。

塊をくり抜いたような小窓

大塚さん
シンプルなものほど大変なんですよ。もし窓にフレームがあれば「えん」が切れるんで、すごく楽になるんですけど。


中島さん
大工として構造を作るのはそんな大変じゃないけど仕上げが大変。これ、小窓だけやないですよ。この家の窓は全てフレームがないから。


アオキ
具体的にはどのあたりが大変さなんですか?

小窓をロフト側から見たところ


大塚さん
あの小窓で言うなら、たとえばガラスの四方を囲んでいる板。あそこはコーナーテープを入れるんですけど、コーナーテープを入れるとちょっとパテが漏れる、膨らみますよね。

もしこっち側と向こう側の条件が少しでもずれていたら、こっち側のガラスから断面が丸見えになっちゃう。

アオキ
なるほどー。ちなみに、角のところは特に難しいってことになるんですか?


大塚さん
たとえば床のここも、今回は巾木なしってことなんで、すごく難しかったですよ。


中島さん
ぶっちゃけ巾木なしの施工をOKしたのは、大塚さんがいたからです。


アオキ
えええ!中島さんはすごい簡単に「巾木なしやりますよ」って言ってたじゃないですか。


中島さん
大塚さんがいなかったら「絶対ダメです。巾木は必要です。」って言ってました。

巾木なし実現のために
精密にマスキングする大塚さん

アオキ
今だからぶっちゃけますと、施主である僕は強い希望は出してないんですよ。

もともとは金属製の薄い巾木を希望してたんですけど、ミユキデザインさんから「金属はこの床材壁材との相性が良くない。美しくない。」って言われて。

アオキ
僕が「でも分厚い巾木つけるのは嫌です」ってわーわー言ってたら、中島さんの方から「巾木なしで行きましょう!」って言われて「え!?良いんですか?」って感じでした。


大塚さん
えっ!?僕は「施主の強い希望です」って聞いてましたけど。


中島さん
その辺もね、そういうシンプルな話にした方が大塚さんもやってくれるだろうって。


大塚さん
だまされたなあ!

アオキ
最終的に巾木なしはものすごく満足してます。一番懸念していた掃除機による傷なんかも、ロボット掃除機がうまいこと避けてくれるから全く問題ないですし。なによりスッキリして最高です!

ヒゲじい
僕は自分の古民家の工事で使ったから分かるんだけど、パテって普通にやると塗りすぎちゃってサンドペーパーでガーッっと削って、って作業になるじゃないですか。

でも大塚さんは、ほとんど削らない。足し算だけで綺麗に仕上がってる。そこが本当に感動しました。

大塚さん
やわーいパテを、うっすらうっすら責めるんです。1発で整えない。薄く塗って、サッと少しだけヤスって、手で触って確かめる。この繰り返しです。

よく「三回も四回も塗るの?」って聞かれるんですけど、そのほうが結果的には効率が良いんですよ。


ヒゲじい
昔、本田宗一郎が「軍手はめて触ってもコンマ何ミリまで分かる」って伝説になってましたけど、やっぱり職人さんはそういう感覚があるんですね。



6.やれることの幅が広がった


アオキ
途中段階で中島さんに何を言っても「ちょろいっすよ」ってやってくれてたんですけど、工事が終わった今だからこそ言える苦労とかってありますか?


中島さん
ぜんぜんちょろくなかったっす。大塚さんからも怒られたんですけど、工事の途中だったんでめちゃくちゃ格好つけてましたね。実際は大変でしたよ。

中島さん
でも最後の方、アオキさんたちが住んでからも工事してたじゃないですか。あのあたりからは楽になりましたけど。


アオキ
そうなんですね!

住んでる状態で工事
左隅のほうでアオキが仕事してます

中島さん
やっぱりそれまでは、ミユキデザインさんにもアオキさんにも気を遣ってってのが大変でした。難しいんすよね。設計士がお客さんであったり施主がお客さんであったりって関係性が。

とくに最初の頃はアオキさんは東京にいましたし。でも終盤はアオキさんたちが現場に住んで直接やりとりできたから、関係がクリアになってスッと楽になりました。


アオキ
僕は現場で手を動かす人と一緒にアイデア出しながらやりたいと思っていたので、終盤に「直接やってもらっても大丈夫ですよ」って言ってくれたミユキデザインさんもバランスどりが上手いなあと思いました。


ヒゲじい
そうだよね。設計者があんまりでしゃばってもね。作品じゃなくて家だから。


アオキ
とはいえ僕もわりと無理をお願いした自覚があって。たとえばソファーをはじめ3箇所ほど、仕上げまで完成したところを壊して作り直すことになったじゃないですか、あの辺はどうだったんですか。

完全に綺麗に作ったのに
破壊して作り直したソファまわり

大塚さん
間接照明がらみは勘弁して!って思いましたよ。いくら中島くんとはいえ、壊す時にある程度はガタガタにはするわけじゃないですか。


中島さん
でも僕にとっては、作り直したあとの仕上げには大塚さんが控えてくれとるもんで、やろうって決断できました。


大塚さん
まあね、これまで一緒に仕事してきた中で中島くんも勘所は抑えてくれてるから、今回はなんとかなったけど。

中島さん
大塚さんと出会ってから、僕がやれることの幅がめちゃくちゃ広がったんですよ。ぜんぜんびびらずに「いいすよ」って言えるようになった。


アオキ
すごい関係ですねそれ。ピッチャーとキャッチャーみたいな。

まるで息の合ったピッチャーとキャッチャー


ヒゲじい
大塚さんもすごいけど、棟梁(中島さんのお父さんの愛称)もすごかったですよね。あのハシゴの精度なんてシビれたもんなあ!

中島さん
いやいや、ちょろいっすよ。


大塚さん
中島君は、やっとらへんやないか!

中島さん
親父もおるし大塚さんもおるし、だから「ちょろいっす」って言えてたわけで。本当におかげさまで、ありがたいです。


大塚さん
でも僕もね、ブランクの木の壁あるじゃないですか。あそこの透明塗装は僕の知り合いに手伝ってもらったんだけど、彼もすごいんですよ。家具塗装の職人なんだけど。

アオキ
あそこも「塗装してあったのかぁ」と思うくらい、良い意味で普通なんですけど、どのあたりがすごいんですか?


大塚さん
ガンを使って吹き付けるんですけど、あの高さと横幅の板をムラなく塗装するのが難しいんです。


アオキ
たしかに、等距離で吹付けって難しそうですもんね。

大塚さん
それだけなじゃくて、たとえばある一面を塗装したら、次に隣の面を塗装するじゃないですか。吹き付けだから、霧になった塗料が前に塗装した面に影響しちゃうことがあって。

そのあたり、下塗りとかで硬化を遅くする材料を現場判断で混ぜたり、いろいろ工夫してました。僕も彼の真似をして、厳密にグラムを測って調整するようになりましたもん。

アオキ
すごい、また学んでるじゃないですか。


大塚さん
いや、僕は本当に自信がないから。もうちょっとレベルが上がったら少しは気楽になれるかなあって。だからずっと彼にも質問ばっかりしてます。


アオキ
面白いなあ!学ぶのが好きな人って自分に厳しい人ってイメージがあるけど、気楽になりたいから頑張るんですね。




7.綺麗に作るから綺麗に使う


アオキ
いま話に出ていた木の壁の塗装以外の場所。この家のほとんど全部の仕上げは大塚さんが一人でやられたわけですよね。


ヒゲじい
天井も何もかもだからな。とんでもない仕事量だぞ。


アオキ
お弟子さんとかつけないんですか?


大塚さん
大変なんだけど、欲かきだもんで全部自分でやりたい!って思いもあるんですよ。あとは、まだ自分がいろいろ勉強したいもんで。


アオキ
ちなみにウチの子どもたちには「大塚さんが綺麗に仕上げてくれたんだから汚さずに綺麗に使いなさいよ!」って言ってます。


中島さん
いや本当に綺麗に使ってもらえてますよね。でもこれから暮らす中でまだいろいろ起きると思うんで、気軽に声かけてもらえると嬉しいです。


アオキ
今回の経験で、自分の家に限らず建物って本当に多くの人の手でできているんだってわかりました。

公共施設とかも今後はできるだけ丁寧に使いたいと思いましたし。ウチの子たちも「人が作ったものなんだ」って、大切に使う理由みたいなものが感じられるようになったんじゃないかな。

ヒゲじい
僕にとっても、もうこんな歳ではあるんだけど、エポックメイキングな、とても楽しい体験でした。

イヤイヤ戻ってきたこの場所でボロボロの古民家復活大作戦をやって15年以上になるんだけど、みなさんのプロの仕事の、とくに楽しくやられてる様子を横で見られたのはすごくエネルギーになりました。

とにかく会話の多い現場
楽しそう

アオキ
またいつか、何か一緒にやれると嬉しいです!今日はありがとうございました。


中島さん 大塚さん
ありがとうございました。

最後なので
苦労したソファでパシャリ
ありがとうございました!




この家づくりに関するこれまでの記事は、こちらのマガジンにまとまっています。




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