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中小も大手もユーザーも。活用しよう!デザイナーダイレクト。

「デザイナーダイレクト」ってご存知ですか?

DESIGNER DIRECT(デザイナーダイレクト)略して「デザ直(デザチョク)」。

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すみません、実は僕たちTENTが今さっき考えた言葉なんですが、きっとみなさんの役に立つと思います。少し解説させてください!


はじまりは「もったいない」から



2017年、フライパンジュウの開発も終盤に差し掛かった頃。工場でありメーカーでもある藤田金属さんと僕たちTENTとで、こんなやりとりがありました。


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左から、TENTハルタ、藤田さん、TENTアオキ



藤田さん フライパンジュウを百貨店やキッチン雑貨店やカタログギフトのバイヤーさんに事前に見てもらったんですけど。


TENT治田 おお、どんな反応でしたか?


藤田さん
 めっちゃ評判いいですよ!!


TENT青木
 なるほど!それは嬉しいです。ちなみに、製品のホームページはまだ作って無いですけど、どうしますか?


藤田さん
 ホームページ?いろんなお店のバイヤーさんから取り扱いのお話をいただいてるので、とりあえず必要ないかなーって。


TENT治田
 え!!せっかく渾身の新製品なのに、ホームページがないなんて、もったいなくないですか


TENT青木 なんなら、公式ホームページで製品の販売までしちゃった方が良いと思うんですけど。


藤田さん うーん、その辺ちょっと苦手なんで、TENTさんの方でやっちゃってもらえますか?

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そんな感じで、TENTに一任される形で JIU10.com という製品ホームページ直販ストアの立ち上げがスタート。

#JIU10SNSを使ったコミュニケーションなどを企画し、受け持つことになりました。

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それまでに得たノウハウを注ぎ込み、公式ホームページには圧倒的長文の記事を掲載。

さらにSNSでは、 青木個人のリアルな暮らしの中でジュウを使った料理をひたすらアップ。

その結果、本当に沢山の方々に、購入の上で良さを口コミで広めていただくことができ、当初の想定をはるかに上回る大成功の結果となりました。

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その節は本当に、ありがとうございます!!




さて、ここでちょっと解説させてください。

それまで僕たちがやっていた多くのクライアントワークでは、こんな形のやりとりがベースにありました。

DesignerDirect_アートボード 1

メーカーさんからTENTへデザインの発注があり、TENTがデザインを納品。製品は卸・店舗・メディアを通じてお客さんのもとに届いて行きます。

この時、製品を買うお客さんからすると、デザイナーはちょっと奥まった場所にいますね。

さてその上で、フライパンジュウの取り組みに関して同じように図を描くとすると、こんな感じ。

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メーカーが作ったものを、伝える・届ける役割も、デザイナーが担う。

この時デザイナーは、製品を買うお客さんとダイレクトにつながります。

ただ「もったいない」から始めたこの方法ですが、世の中を見渡すと、そこまで担当するプロダクトデザイナーさんは多くないみたいです。

せっかくなので、僕たちはこの方法に名前をつけることにしました。

それがDESIGNER DIRECT(デザイナーダイレクト)略してデザ直です。

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やってみてわかったことですが、この「デザイナーダイレクト」は想定外の良い影響を、いくつももたらしました。



ヒントの発見


デザイナー自身が、発注を受け、発送手続きを行い、クレームや問い合わせにも対応するのは、大変な日々ではあるものの、カタチを考えているだけでは気付けない良いフィードバックを沢山いただくことができました。

それはたとえば、
どんな人にどう伝えたら良いかを具体的にイメージしやすくなるなど、販売のヒントになったり。

製品のお手入れ方法をアップデートしたり、新製品開発のヒントになったりしました。

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ルートの開拓

新製品を発売するとき。これまではメーカー側から、卸・店舗のバイヤーさん、メディアへのアプローチなどを積極的に行うことで、販売ルートを開拓するという方法が一般的でした。

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ところがフライパンジュウでは。

デザイナーが積極的にSNSやウェブページなどで、お客さんと直接コミュニケーションすることで、お客さんと一緒になって盛り上がっている下地が発売直後からできていました。

その様子を見た卸・店舗のバイヤーさん、メディアの記者さんたちの方から取り扱いたいという連絡をいただけました。

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つまり、メーカーから営業をするのではなく、連絡を受け取ることで、新しいルートを開拓することができたんです。

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新しいルートの開拓につながり、販売のヒント、そして製品の開発や改善にもつながる「デザイナーダイレクト」。

少なくとも藤田金属さんのような中小企業の自社プロダクトを立ち上げる際には、とても有効なことがわかりました。

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さて、それでは、中小企業ではなく、全国の量販店などでも販売されているような大手メーカーさんの製品で「デザ直」を活用した場合、何か良いことはあるんでしょうか?


この取り組みに、2つの大手企業さんが応じてくださいました。


家電でデザイナーダイレクト


1つめは、象印さん。

僕たちTENTがデザインやクリエイティブディレクションを担当したSTAN.という家電シリーズは、家電量販店やAmazonなど広い販路で取り扱われる商品なのですが、僕たちTENTの小さなWebショップでも販売できることになったのです。

しおたんさん、ありがとうございます。このツイートで、僕たちの取り組みが珍しいということに気づけました。




せっかく販売の機会をいただいたので、フライパンジュウの方法にならって他では読むことのできない圧倒的長文の開発エピソードを公開。



STAN.自体が全体としてどれくらい買ってもらえたのかは僕たちには正直わからないのですが。

少なくとも、TENTのストアだけでも象印の担当者さんがびっくりするぐらいの数量を買っていただけました。

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みなさん、本当にありがとうございます!




中にはアツイ感想を送ってくれる方もいたりして。ホワイトバージョン発売などその後の製品開発に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。



文具でデザイナーダイレクト

2つめが、KINGJIMさん。

僕たちTENTがデザインを担当したSAND IT というドキュメントホルダーは、全国の文具店やAmazonなどでも取り扱われる商品です。

KINGJIMさんで製品が発表された数日後。

僕たちは、ちょっと異なる伝え方で製品を発表し、発売前の予約受付から始めさせていただきました。

さらに、こちらもフライパンジュウの例にならって、圧倒的長文の開発エピソードを公開しました。

これらの取り組みが、沢山の方の個人的動機による情報シェアにつながりました。

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その結果、キングジムの担当者さんが驚愕するほど沢山の方々に、TENTのストアで予約いただくことができました。

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みなさん、本当にありがとうございます!


またその話題性から、卸・店舗からの引き合いも拡大し、現在ではメーカー在庫が不足するほどの盛り上がりを見せています。





この2例から、十分にルートを持っている大手企業の製品でも「デザイナーダイレクト」は良い効果をもたらすことがわかりました。

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ユーザーからのデザイナーダイレクト

ここまでメーカーやデザイナー側からの視点でお話を進めてきましたが、ユーザーとしての気持ちを書いてみたいと思います。

昔、少年ジャンプなんかを読んでた時「漫画家さんへファンレターを送ろう」みたいな欄、あったじゃないですか。

僕自身はドキドキして送ったことないんですけど、姉や友人がファンレターを送って、本当に漫画家さん本人からの返事を受け取ってたんですよ。

それを見て「ああ、漫画家さんて本当に実在するんだな」というのと、姉や友人に「漫画家さんへ直接思いを伝えられて羨ましいな」って気持ちになったのを強烈に覚えてるんです。

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僕たちが関わってるプロダクトというジャンルにおいても、製品の不具合・交換などの事務的なやりとりだけでなく、ファンレターの行き来みたいな、人と人とのやりとりができたらいいなと。

そうすれば、買った製品をもっと気持ちよく使えたり、何かあったときも良いやりとりができそうな気がするんです。

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感謝の気持ちを込めて直筆サインを同梱している製品もあります。




というところで。
この記事の締めくくりとして、呼びかけの形でしめさせていただきます。




>デザイナー、あるいはクリエイティブを生業にする方へ


デザイナーダイレクト。それは、製品をつくることに携わる僕たちだからこそできる伝え方・届け方です!

「デザ直仲間」が増えると、世の中はもっと面白くなる。やってみませんか?





>中小企業で自社製品を開発しようと思っている方へ

作ることはできるけど、何を作るのか、どう伝えるのか、どこから取り組んだらいいか分からない人も多いと思います。

僕たちの「デザイナーダイレクト」を使えば、もしかすると、お役に立つことができるかもしれないです。


>大きな会社でデザイナーを探している方へ

今の時代、製品そのものだけでなく、伝え方、届け方にもちょっとだけ工夫が必要で。それは、予算をつぎこんだ広報活動というよりは、顔の見える誰かの創意工夫によって、より効果を増すのかもしれません。

そんな時代に、もしかすると僕たちの「デザイナーダイレクト」が役立つかもしれません。


>上記に該当しない方へ

今回の記事は、ひょっとすると「売らんがための裏話」的なイヤラシサがあったかもしれません。

でも、モノづくりの一旦を担う「伝え方・届け方」においても、時代によっていろんな移り変わりがあるんだなーなんて思ってもらえて

街を歩くときの1つの視点にしてもらえると嬉しいです。







気になる方は、お気軽にご連絡ください!
メールは info[at]tent1000.com まで。
このnoteへのコメントもお待ちしてます。





今日もデザイナーダイレクト(出荷)がんばります。


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