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大量生産って何個のこと?

「大量生産」って言葉は、ちょっと否定的な意味で使いますよね。

でもちょっと待って。
それは一体、何個なんでしょう?

十なのか?
百なのか?
千なのか?
それとも万をイメージしてますか?

僕の職業は「プロダクトデザイナー」なので、たまに「マスに向けて大量にモノを作っている人」と言われることがあるんですけど

例えば、BOOK on BOOK を初めて発注したときの数量は、なんと30個でした。

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こんなに少ない数量で対応してくれる工場さんが凄いことはもちろんのこと、この数量では僕たちに利益はほとんど出ないわけで、2回目以降の発注では少なくとも100個以上の単位でやってます。




さて、数量をかえた話をしてみます。

idontknow.tokyoのメンバー、世界中でたったの三人が満足するために作ったHINGE

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恐る恐る発注した1000個の初期ロット、一瞬で完売しました。
今では累計で数万個の販売実績があります。

そして、今でもたびたび売り切れます(すみません…)。


大きな話の次は小さな話。
たった一人のために作ってる「#とーちゃんつくって」シリーズもあります。


「とーちゃんつくって」も「HINGE」もスタートは同じ。
身近な人が満足するものを作る、たったそれだけのことをやってます。

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大量生産って言うと「マス」という漠然としたものを想定して作るイメージだったり、工場の公害やゴミ処理場の映像イメージが浮かぶ。

その結果として「大量生産ってなんか嫌だな」って思うのかもしれません。

でも大量生産の何が良くないかっていうと、単に作りすぎが良くないってことなんですよね。

作りすぎが良くないってのは、おうちのご飯だって同じ。

量産はただの知恵と工夫でしかなくて。
最適なものを、適切な分量だけ作れば、なんの問題もないわけです。


大量生産は良くない、工場は良くない。
だから
一点もの、ハンドメイド、作家もの職人ものこそ良いものだ。

そういう対立軸を作る必要なんて、本来ないはず。
シチュエーションに応じた最適解があるはずなんです。

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このスライドは「デザインなんて知らない」のものを引用しました。




そんなわけで、
1個、30個、100個、1000個、10000個というあらゆるロットのモノづくり経験がある立場として、

最適なものを、最適な数量だけつくることに長けた適量生産なプロダクトデザイナーなんてものを名乗ればわかりやすくなるのかしら?と思い悩む今日この頃でした。



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