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初めての倉庫暮らし

以前、倉庫に住んでいた。

休学中、実家を追い出され、親戚の友人の会社でバイトをしていた。
その会社の倉庫に1年ちょっと住んでいた。

15年くらい前に倉庫を改造して寝泊まりができるようにしたらしい。

だから一応部屋らしきものだった。
シャワーと壊れたエアコンと冷蔵庫、Wi-Fiがあったので家としては成立していた。

でも元・倉庫なので、ほぼ外。
虫がいることに違和感を抱かなかった。
雨漏りもよくしていたし、壁は土壁だった。
治安レベルZなので自転車を外に置いておくと盗まれる。日本って治安悪いんだなと思った。

雇用契約は結ばすにあくまでも「親戚のお手伝い」的な感じだった。実際結構ゆるかった。
ただ経営が厳しく、月5万円の報酬でめちゃくちゃ働いた。

もう絶対やりたくないがそれでも人生初の一人暮らしだったので楽しかった。

銭湯がなかったのでプールを買ってそこにシャワーでお湯を溜めて入ったり、彼女のヒモになった。マジで金がなかった。炊飯器と毛布と加湿器と米と酒と野菜とあとは愛情、これをもらった。23時に労働が終わり、中古のボロチャリで山を2つ越え、彼女の家に泊まっていた。冬は寒過ぎたのでよく泊まっていた。山を超えたところにコンビニがあって、そこでお菓子とコンドームを買って行った。田舎ゆえに深夜のシフトはいつも同じ人だった。金髪ピアスのお兄ちゃんで多分認知されていた。

1時間誰ともすれ違わずに自転車を漕いで彼女のアパートに通った。妻問婚である。
彼女は年上でどっかの会社で働いていた。知り合いの紹介で付き合った。めちゃくちゃ可愛かった。
深夜1時に夕飯を食べて一緒に風呂に入って3時までセックスして6時に起きた。起きた時は基本裸なので結局寒かった。

帰りはまた自転車を漕いで”倉庫”に戻った。
朝から働いて昼休憩に業務スーパーで買い物をして惣菜を作ってまた働いた。料理の「り」の字も知らなかったが案外できるようになるものである。
時期によっては割と休ませてもらっていたが、そもそも金がないので安くて大容量のワインを昼から飲んで急アルで死にかけた。たまに職場の後輩に奢ってもらって遊んだ。スマホ代と年金と、MacBookのローンと食費で金は溶け、娯楽費は月に5千円くらいだった。美容院に行けないので自分で切っていた。ハングリーな生活をしている自分に酔っていられたので文面からは想像できないほど楽しんでいた。同時に生きるのに金がかかると身をもって知ったし、マジでクズみたいな生活をしていた。

まとまりがなくなってきたので、強引に締めようと思う。

エアコンはやっぱり大事。


生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。