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歳をとり懐古、京都(3)

目的の銭湯は事前に調べたレビュー通り、外装、内装共にリフォームされており、かつ、昔ながらの光景は残していた。環境保全が叫ばれていたこの年代にはよく見られる光景だった。空き家や空き地、古民家をリノベーションしてその地域への移住を促すというものだ。当時は少子高齢化が今よりも声高々に叫ばれていて、何かにつけては「SDG's」と言われていた。そして秋や問題についてはネットで検索すればいくらでもヒットした。

銭湯には7人組の若い男がいた。
彼らは待っているようだった。
てっきり僕はすぐに入れるモンだと思っていたのだがそうではないらしかった。入り口で待ち時間をきく。大体10分くらいだそうだった。これならまあ許容範囲内なので待つことにした。手ぶらできたからタオルは1枚も持っておらず、50円支払ってフェイスタオルを借りた。

待つこと10分。
その間に小さな水路に視線を送る。
小さな橋の下を縫うように流れる水路、橋の端から伸びる桜の樹。
大通りからの街灯がかろうじて届くこの桜には人工的な明るすぎるライトアップとは違った別の魅力があった。

銭湯に入ると、そこはドラマや映画でよく見る「銭湯」だった。
体を丁寧に洗って椅子を流し、ノーマル(っぽい)風呂に入る。ジェットバスだった。水深は小さく、初手にしてはいい湯だった。その後は生姜湯、電気風呂、露天、サウナと全ての設備を制覇し、20分ほどで出た。
この銭湯は「昔からある銭湯を残す」というコンセプトの会社が運営しており、その一つだったようだ。いろんな商売があるのと同時にこれはなかなか素敵な取り組みだと思った。

僕はゲストハウスに戻る前にコンビニで夜食を買った。
ローカルコンビニで買い物をするのが好きだった。

そしてこのあと、例の彼女らとバーに行くことになる。

つづく。。。

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