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『チェックジャンキー出発編』

私は確認がやめられない。

私はそのせいで何度も遅刻する。
私は3年前から心療内科で治療を受けている。

そんな私の1日をここに記録する。

朝6時、起床。朝食。
私はいつもプロテインを飲んでいる。

ここで最初の関門。

vsジップロック、開幕。

ジップロックは強敵である。
何度締めても締まったか確認しずらい。
私は渾身の力を込めて、右から左にビーーーーと締める。

しかしここでは終わらない。
今度は左から右に、ビーーーーだ。ふう、もう安心。

とはならない。
今度は端っこを念入りにギュギュっとする。よし。

でもまだだ。最後に右から左にビーーーーto theギュギュが始まる。
そしてこれを5回やる。

これから書く「確認」「加害」「儀式」全てに通じることだが、


「わかっていてもやめられない」のだ。


本当は1回でしまっていることなど、わかっている。
わかっているが、それと同時に「もしかしたら」な自分もいる。
無駄だとわかっていてもやめられない。それがストレスになる。

ほとんどの動作においてそうである。
そしてそのせいでストレスが尋常じゃない。常に緊張状態。

さて、次は大学の準備である。
私は郊外の1ルームアパートに住んでいる。部屋は狭い。

私はまず教科書とPC、水筒、財布、常備薬を入れた。
ここでも敵がいる。

PCだ。

壊れたら嫌だ、いや、壊れたらどうしよう。
その強迫観念でケースは二重。さらにさらに防水のために、大きいビニール袋を二重で締める。

次に、電気、ガス、水道だ。
基本的にコンセントは全部抜く。ガスは閉める。水道は蛇口が壊れるくらい閉める。実際に実家の蛇口を壊したことがあった。

ここでようやく、出発、とはならない。
荷物に通帳やカード全部入れる。加えて3日分の着替えと食糧も。
リュックはいつもパンパンだ。

繰り返すが、馬鹿馬鹿しいことはわかっている。でもやめれない。それに苦しんでいる。ああ、私は何をしているのだと。

カーテンを閉める。
窓際には何も置かない。ペットボトルや紙類は燃えるかもしれない。
スプレー類はそもそも買わない。爆発しそうだし。

カーテンついでに窓を閉める。
鍵の開け閉めを5往復。鍵や水道などの「閉める系」は「よしっ!」と言わないと信用できない。異常だろう。

さて、ようやく出発だ。
家の鍵を閉める。もちろん5回は開け閉めして、最後にドアを引っ張る。
「鍵はしまったけど空いてないかな?」マジでストレスだ。

私は家を出た時点ですでに疲労困憊である。

・・・・・・
*本作は私、あおの日常を元にしたフィクションです。実在する病気を元に若干着色しております。あくまで「創作」なのでもしお困りであれば最寄りの心療内科及び精神科の受診を勧めます。

本文に関する物事で被害が損じた場合、いかなる理由でも責任は取れませんのでご了承ください。

生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。