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【おうち時間】若者分析の本を書評してみた「つくし世代」藤本耕平

こんにちは。青木そうたろうです!

GWに読んだ本を書評し、誰が最も”Twitterのいいね”をいただけるか、インターン先の社員さん方と勝負しています笑。
ということで…

選んだ本は「つくし世代 新しい若者の価値を読む」。著者は藤本耕平氏。広告代理店ADKと大学生がタッグを組んだ、若者マーケッター集団”ワカスタ”の創設者で、特に若者に関するマーケティングについて高い専門性をお持ちの方です。

ちなみに彼はもうワカスタを去ってしまいましたが…笑。
(現在のワカスタ担当社員の岡さんが早く本を出してくれることを心待ちにしています!笑)
では本題です!

1.はじめに

「今の若者は・・・」
「若者の○○離れは問題だ!」
「若者のせいで日本は崩壊する」

など、若者に対してネガティブな意見をテレビのコメンテーターやネット記事で見かけることは少なくありません。また、従来のマーケティングでは「今どきの若者は分かりにくく、攻略が難しい」という風にとらえれれている事実もあるようです。

しかし一方で、若者世代が持つ情報が瞬く間に広まっていく、波及性の高さなどは上の世代が持たないものです。
とらえ方を変えれば、若者はポジティブなポテンシャルを持っているというのが藤本氏の主張です!

本書では、若者の特徴を”5つのマインド”から分析し、若者の感性や価値観、コミュニケーションのルールなどが紹介されています。今回はその中でも、僕が特に納得したトピックについて少しご紹介したいと思います

2.今の若者に影響を与えた外部要因3選

本書では、若者を『1992年に小学校に入学した人たちよりも若い世代』(と定義付けしています。
そもそもなぜ、今の若者と上の世代に”大きな違い”があるのでしょうか。
どうやら、1992年を大きなターニングポイントとし、若者世代が上の世代と異質な特徴を持つ背景には以下の3つの外部要因があるようです。

①教育環境の変化
1992年、学習指導要領が大きく改訂され、「個性尊重教育の開始」「学力の評価基準は絶対評価に変更」等の新しい教育が始まりました。
今の若者は競争よりも、自立性や創造性を重視した「個性を生かす教育」とはっきりと謳われた指導要領に基づく教育を小学一年生から受けてきたのです。このことが若者のマインドに影響を与えたと考えられます。

②経済環境の変化
1992年はバブルが崩壊した年です。失われた20年と呼ばれた時代とともに学生生活を過ごしたのが今の若者です。
「今の若者は大変だ」と多くの大人から言われ、年金はあてにならないし、消費税は増税されるし、収入も増えない。大学を卒業した瞬間から奨学金の返済という借金を背負うことになる。
厳しい現実と向き合って決断が求められる世代なのです。

③IT環境の変化
一家に一台PCを、一人一台ケータイを持つのが当たり前になり、SNSが普及したいわゆるデジタルネイティブもこの世代の大きな特徴です。
特にSNSの普及はより多くのコミュニティと繋がることが可能となりました。

3.若者独自の”ものさし”

個性尊重教育のもとで育った若者は、『幼いうちから自分の意志を確立』させています。前章にも書きましたが、競争よりも創意性や自律性を重んじた教育の結果だと考えられます。
そんな若者は、世の中に蔓延る枠組みや慣習にとらわれず、現代社会に存在する多くの選択肢の中から、自分が良いと思うものをチョイスし、ミックスしアレンジするようになりました。(本書では具体的な例も挙げられているのでぜひ確認してみてください)
上の世代からは「自分勝手なだけだ!」と見られるかもしれませんが、私たち若者は自分の尺度を強くもっているということなのです。

4.終わりに

今回ご紹介した若者の特徴は本著の一部に過ぎません。他にも『若者の原動力』『ケチ美学』『若者に共通するオタク精神』『若者がシェアを好む理由』等、若者の実態を事細かに分析されています。
なにより、この著書は単なる机上の若者分析の本ではなく、実際に若者と活動を共にしたうえで執筆されている点からも、若者を語るうえでおすすめしたい本です。


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