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小説・晴れのち、時々、恋もよう・クリスマスの気まぐれ

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デパート勤務のナズナ。 美人の先輩、スミレと、 しっかり者の後輩、アヤメ。 どうやら優秀らしくて、 イケメンみたいな、カンナ。 出会い、再会、時々、別れ…? 毎日は、大変な…
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2019年8月の記事一覧

クリスマスの気まぐれ.27

「…。」

みんなが優しい笑顔でうなずいている。
油断すると、涙が出てしまいそうだ。

村田さんにドキドキしたのは、嘘じゃない。
だけど、間違うことだって…あるよね。

「それにさ、ナズナって甘えて頼るってタイプじゃないよね。」

「私もそう思います!」

「ナズナは、自分で仕切りたくて、相手にはわがまま聞いて欲しいし、だけど自分からは素直に甘えられない不器用なところもあって…。」

「うんうん。

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クリスマスの気まぐれ.26

私、真に受けて…。
えー…。

更にヘコんで困惑もしている私なんてお構いなしで、

「おとり捜査のご協力、感謝します。」

カンナがふざけて敬礼のマネなんてしてる。

「は?」

思わずカンナのネクタイを掴んで、ぐっと引き寄せる。

「な、ナズナさん、苦しい…。」

「そうなんですか?
だから今日事務所で…。」

「なに?」

カンナのネクタイから手を緩めつつ、アヤメにもズイっと近寄る。

「ああ

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