雨。花冷えの華蔵寺公園。ちょっとした妄想日記。20230326sun276
840文字・20min
記憶を辿って書く。
4日前。雨。
実家の軽トラックに乗って田舎の市内をまわる。カバンにノートPCを入れて、腰を据えて書けるカフェはないかと軽トラを走らせた。
この日、軽トラで変わった(あるいは変わらぬ)田舎の風景を眺めながら法定速度で走っていると、後ろからクラクションをなん度も鳴らされる。何か悪いことしたか。無性に腹が立つ。
これが北関東だ。図書館に自転車を止めれば必ずライトは壊される。スタバの客の質はひどい。スタバの従業員の質はもっとひどい。地元の人脈でしか生きられないヤンキーども。地元から一歩でるとなにもできない。虚勢ひとつ張ることができない。そう考えると農家をつづけ農業委員会を長らくつづけ市議会議員になって旭日単光章を貰った祖父はヤンキーか。
「威力妨害だろうがテメエ!」
男はクラクションを聞いて待ってましたと急ブレーキをかける。
「ガンッ」
軽トラックのドアから威勢よく飛びでる男。
「おカマを掘ってんじゃねえよ!」
相手は男に違いない。いや老若男女だれとてかまわわぬ。法定速度で走る車を後ろから煽(あお)りクラクションを鳴らす輩(やから)なのだ!
男は雨に濡れ、静かに、不気味に、菅原文太のごとくポッケに手をつっこむ。ポッケのなかで握りしめたマジックペンをチャカに匂わせる。威勢を捲したてる。相手がコワモテヤクザだとしても容赦はない。握りしめたスマホの角で相手の頭をカチ割る。頭蓋骨はパックリとひらき血は空高くに吹きあがる。男は返り血を浴びて笑う。ガッハッハと大声で笑って相手の頭蓋をなぐる。
男は刑務所に入ることはない。精神病院の閉鎖病棟に二度それも三度の措置護送がある。ガッハッハ。だが男は思いなおす。この記事が裁判記録で検察側の証拠として提出されたらどうだ。故意過失の責任能力有り。と見なされるか。刑法第39条。詐病…裁判所でライフル乱射事件…ガッハッハ…
軽トラで農道に入ってそんな妄想をしていると地元の華蔵寺公園に着いた。
二ヶ月前にリニューアルされたばかりのメリーゴーランドが印象的だった。
よろしければサポートおねがいします サポーターにはnoteにて還元をいたします