800字日記/20221031mon/115「文通相手の絵におどろく」
目覚める。ネコがぼくを見つめている。起きあがる前に携帯の文通アプリをひらく。マシューくんの手紙が届いているはずだった。
十七歳の彼が描いて送ってきた絵に、驚愕にちかい感動を覚える。ぼくは彼の絵に魅了される。細部にいたるまで眺める。彼がもつドラゴンの知識の豊かさにも圧巻だった。
返信にて彼の言葉をつかわせてもらうと断ってここに載せる。
「Load Of The Rings」のドラゴンはワイバーンという。
ヨーロッパのドラゴンには四本の足と二つの翼がある。ワイバーンは二本の足と二つの翼(Load Of The Rings)がある。ドレイクは四本の足で翼はない。僕は中世の絵とドラゴンが大好きで、それでこれを描きました。これらは僕が描いた架空の世界の神々です。
名前は
Tyra「タイラ」(左)
Rex「レックス」(中央)
Korol「コロール」(右)
です。
ぼくはとび起きて、パソコンをひらいて返信を打つ。感動のあまり、あまりにも単純な返信をした。
すごい!
本当にマシューくんの作品?!
感動した。
君には素晴らしい才能がある、天才だ。
ぼくは君のファンになった。
ぼくは小説を書いている。
日本(新潟)に北朝鮮の兵士が上陸して東京でテロを起こす。
小説ができたらマシューくんの絵を表紙にしたいと思った。
絵をもっと描いてください。もっと君の絵が見たい。
落ち着いたあとで読みかえしてみると、どちらが日本人だかわからない。恥ずかしくなる。
パソコンに画像を転送してディスプレイでまた眺める。デザイン性は抜群だ。パソコンやアプリで描ける時代なのかとも思うが、手書きで描こうがオリジナルの世界観を持って絵を描くことはだれもができることではない。創作者にはすごくいい刺激だ。文通でこんな出会いができるなんて。
気分は上がったまま部屋の掃除をして出かける。昨日に比べて暖かい。秋日和だ。秋の三寒四温か。
川沿いの土手にモンシロチョウが舞う。川面から夕陽に鴨が飛び立つ。漁港へ行って帰ってくる。
(787文字)
よろしければサポートおねがいします サポーターにはnoteにて還元をいたします