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日々是短歌、ひりだす哉。

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素人俳句です。 手元に一冊「短歌研究2021年6月号」を持ち、それを頼り(ほとんどバイブル)に日々一首をひりだしていきます。
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#毎日短歌

他者との心の距離を村上春樹の「僕」に学ぶ / 20240605wed(400字)

僕の解釈: 村上春樹さんの小説の「僕」は「結局、あなたは私に何も与えてない」と妻に言われて逃げられる。 これは「僕は誰にも心を開いていない」ことを意味する。 そのこと自体に僕は気づいていない。 それが読者にじわっと伝わってくる。 読むたびに物語の巧妙さに唸る。 物語を読む度に、じぶんの心の殻について考える。 19歳の時、演劇をやっていた。 あるダンスカンパニーにドイツ公演に誘われ練習に参加した。 突如、断りの電話が来た。 「メンバーから外す理由を言えよ!」と言えなかった。

吉原遊郭田村の話。 / 20240604tue(400字)

昨年の夏、吉原遊廓で働いた。 六万五千円の高級ソープのボーイだ。 直属の上司田村は同郷だった。 彼は中学を卒業して上京。銀座でボーイをやるが凄絶な虐めに遭い人格が壊れる。逃げた吉原でも虐めに遭った。暴力行為に及んでクビになる。ライバル店の部長に店長で誘われて断る。主任で落ち着く。 田村は仕事はできたが、廊下の赤い絨毯の上でMCハマーを踊る男だった。僕はマイムでライフル銃を抱えて匍匐前進をやった。楽しかった。 僕が入店した日、田村と店長の会話が頭に残る。 「蒼井はどっちに育てま

老いた射精 / 20240602sun(400字)

射精するなか妙なスローモーションが起こった。 太腿の両側にゆっくりと痺れが走った。 どろり。白い液体が飛びでる。 初めてだった。 太腿筋の老化か? 若い頃の射精は暗闇にとつぜん襲う落雷だった。 腰は無心にふった。眼前の女の影は薄れる。汗だくで、ひたすらだった。それが快感の中なのか理解していなかった。 快感の頂に手をかけた瞬間、髄脳からビシッと雷が落ちる。脊椎をつたって尾骨に。まるで拳銃で撃ち抜かれたような衝撃だ。衝撃を受け止めた尾骨から火花が尿道を突き破る。それが射精だっ

それぞれの夏が始まる / 20240601sat(400字)

登場人物たちがおなじ風景(物語・視点)を見る。 これが前提で読者は物語に戸惑わないのだが、 五次元空間のなかだと、たまたま(必然)に別の時空で生きるキャラ同士が鉢合わせる。各々が見る風景とは? 下記「ワンシーン」は三人称で。 深夜。 フルトレーラーに乗る忍。 妄想で隣のヒロちゃんに命を狙われる。 関ヶ原で道の駅に寄る。 自動ドアを開けて忍は愕然。 店内にあら汁の匂いが立ち込める。 (道の駅親不知が再現) 忍は蟹汁と定食を頼む。 ヒロちゃんは貨物からお婆婆らをおろす。 「

男女職業エントロピーの増幅 / 20240529wed(400字)

月に一度、ぼくは下記を訪れる。なにかを確認するのだが何を確認しているのか? わからない エントロピーなる言葉:熱力学、統計学の言葉で「無秩序の度合い」を示す量のこと。 「無秩序な状態の度合い(=乱雑さ)」を定量的に表す概念で、無秩序なほど値が高く、秩序が保たれているほど低い値だ。 分かりやすく。 ビーカーに水が満ちる。 水面に青色のヨウ素液を一滴垂らすと、青色のヨウ素液の《紋様は不可逆的に》水に広まる。次第に見えなくなるほどに。それが乱雑=秩序だ。 地位、性別、職種、ジ

保険金詐欺師の女 / 20240528tue(400字)

削除してください! 二度と写メは送らないでください。 彼女は、見知らぬ男性器の写メを、ぼくに送ってきた。 たしかに想像を絶する女だった。 丸福美枝。福岡出身。62歳。九州の指定暴力団丸福会の隠し子。 底辺高校で作文コンクールを出鱈目に書く。文部科学大臣賞最優秀賞を受賞。新聞社から取材が殺到するが取材拒否。ある日、対抗ヤクザに家を焼かれる。家は全焼。更生のため家族の伝の某九州大学教授の研究室で手伝いをする。ある日宝くじが高額当選してエステテシシャンになる。がすぐに金は尽きる

すべての「定年」に、死を! / 20240527mon(400字)

「定年」 誰が作ったのか? 昔の帝、士農工商民、穢多に定年はない。 「定年」を作ったのは明治政府か? ググった。 1887年に定められた東京砲兵工廠の職工規定で、55才定年制。 現在「上陸者」は238,823字。原稿用紙597枚。 文字検索で「定年」は無し。 いままでブログで「定年」を使った試しはない。 この記事でオサラバしたい。 定年とパソコンに打つだけで、反吐がでる。 なぜだろうか? 僕の小説のキャラに定年は居ない。僕は核爆弾を背負った兵士が首都を爆破する物語は描け

連載的、執筆スタイル / 20240526sun(400字)

作家の執筆スタイルは作家の数だけある。 今回はそれは横に置く。 三つに分けた。 ⑴プロット専攻型。 ⑵ノンプロット型。 ⑶長期連載型(プロ・編集がいる)。 ⑴で進めたいが⑶になってしまう。 結末はある。 ここ一月、朝、目覚める度に、その日に書くカラクリが思いつく。 思いつかないと恐怖だ。 昨晩は「各々のキャラが五次元タイムループする場所」が特定できなかった。昼?夜?どこ? 朝イメージが浮かぶ。 高橋留美子の映画「うる星やつら:ビューティフルドリーマー」のタクシーのシー

「スーパー白馬襲撃事件」のタイムループの構造(マクガフィンのバトンタッチ) / 20240519sun(23904文字)

「スーパーマーケット白馬の襲撃事件」のタイムループの構造 ■スーパー白馬の駐車場に到着。 運転手はケータイを盗んで逃走。 ■□ ➡︎後(別の章)にて、午後三時に、北陸タクシー魚津支店に辰吉耳男(綿鍋銀次の手下)が現れる。辰は銀が少年たちに渡したケータイ(インストールされたさまざまなアプリにはそれぞれに1000万円分のポイントがある)を取り返しにきたのだ。北陸タクシー魚津支店の事務所に乗務員ワタベミノル(窃盗癖・前科有り)を詰めて、また黒いプリウスで白馬まで引き返させる。

闇の循環。「タイ米」を読んで、 / 20240517fri(400字)

嫌味の記事ではない。 男性。年齢不詳。早稲田出身。 ロス滞在の健全な日記だ。 青空の下を走ったり、懸垂をしたり。青空文庫で江戸川乱歩に夢中になって、ケネス・ブラナーのハムレットを鑑賞。太宰治作品に対しての鋭い見識を垣間見せる。心身ともに健康な陽の当たる人生を送る人間が描いた備忘録だった。 ぼくは中国では半地下のヒモ生活だった。彼女が紹介した家庭教師と真っ昼間から肉慾に溺れる。半地下から逃げだして韓国人と結婚。娘を儲けるが家庭を失った。薄っぺらの人生だ。中身のないボテだ。

ザ・恐怖(ホラーとは?) / 20240512sun(400字)

ホラー小説は、恐怖を主題として、読者に恐怖感を与えるため(恐がらせるため)に書かれた小説。恐怖小説あるいは怪奇小説などとも呼ぶ。 書き始めのころ「地下に繋がれる裸の女は時間になると陰部に覚醒剤を打たれる」女の地獄の極限を描いた。批評家の先生に「これは寓話だ。ジャンル小説を書きたいのか?」と言われた。後に冷静になれば「ぼく(筆者)が勝手に思いこんだザ・女の恐怖」だった。 恐怖は読者(あるいはキャラ)によって違う。ADHDで同僚の会話が恐怖だったり、子どもで親がネグレクトで継

喋らぬ男とジャズ / 20240511sat(400字)

滞ったシーン: 雪山で橘田は崖から滑落してクマに襲われた男を目撃。 傷だらけの男をテントに連れて帰る。 男は手術をして助かる。 男は喋らない。 橘田は車内にジャズをかける。 「むかしむかし…… 」 橘田の語りは次第にジャズのように軽妙なアドリブになる。 「キサマら何者だ! 桃太郎は熊、盗人、大鷲を睨んだ。熊は逆に桃太郎さんに尋ねますが。あなたどこからどうやってこの世界に来たんで? あなた鬼を征伐するって言いますがあなたのその目で一度も見たことのない鬼ってのは悪者ですか? そ

純愛は純度100%の純水、結婚は海 / 20240510fri(400字)

ぼくは浄水場で濾過された純度100%の純水を飲んだ経験がある。コップ一杯の純水は味ものどごしも感じなかった。純水がのどを通る感覚がなかった。奇妙だったが、そこで飲んだという実感、時間さえ感じなかった。 かたや、現実の海は汚れている。プランクトンの汚物からタンカーから撒き散らされた重油まですべて海だ。 純愛は儚い夢。 恋愛とは純水に「不純物」をふくむ。 結婚は海。 恋愛と海は「不純物」がふくまれる。 不純物とは「偽り」「嘘」「軽蔑」「疑い」その他さまざまな「人間の偏見の目」だ

日々是短歌、ひりだす哉。 4/11(木) / 16

:前置き 短歌の基本31字に収める(自由律ではダメ)。 その修練を積みます。 神戸より端午のお礼のハガキ来て 送り忘れた台座ながめる ■ミニ解説 写メ画像のまんまです。笑。 ペンフレンドの神戸の舞ちゃん(駄菓子好きの二児ママさん)。から鈴の鳴り物?の置物を送ったらお返事が。ですが手元には台座が…。端午の前にはまた送らないと。汗。 今日の玄人の二首(いっきに三首を選びました) 夫婦ともに異動になればリビングで「どうもどうも」と名刺交換 在宅のご飯はめんどう タッパーが