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グレープフルーツムーン

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完結 【小説】グレープフルーツムーン#1〜14最終話 大学生バンドマンとレコード女子(?)のお話です。
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2022年2月の記事一覧

【小説】グレープフルーツムーン#12

【小説】グレープフルーツムーン#12

 ベッドの上でオレに背を向けて横たわったまま、まだ荒い呼吸をしている彼女の髪を撫でる。

「……ごめん」

 細くて白い両手首が少し赤くなっていた。

「……大丈夫…、お水取ってくるね」
「いいよ、オレが行く」

 起き上がろうとした英理奈さんを制し、乱雑に脱ぎ捨てられていた下着だけを身につけ、慣れた手付きで冷蔵庫からペットボトルのミネラルウォーターを取り出して手渡す。

「……ありがと」 

 

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【小説】グレープフルーツムーン#13

【小説】グレープフルーツムーン#13

 明け方近くになって、オレの腕に抱かれたまま眠っていた英理奈さんが目を覚ます。

「大丈夫?」
「私、寝てた…?」
「うん」
「……ごめん」
「いや、もともと無理させたのオレだし…」

 オレの腕の中から抜け出し、ベッドの上で膝を抱えて座る。

「ずっと、起きてたの?」
「……うん」

 寝顔を見つめながら、ただひたすら英理奈さんの告白を思い返していた。

「……ほとんど話したと思うけど、他に何か

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【小説】グレープフルーツムーン#14 最終話

【小説】グレープフルーツムーン#14 最終話

 あの日からまだ10日程しか経っていないというのに、随分長い間来ていなかったように感じる。
 英理奈さんはまだここに居てくれた。彼女の住むマンションを見上げながら、湊のアパートを飛び出してからの事を思い返す。

 雨の中を歩きながら英理奈さんに電話をかけた。コールが繰り返される度、鼓動が激しくなり喉が締めつけられるような息苦しさを感じる。やっぱりもう遅かったか、…諦めかけた時、英理奈さんは電話に出

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