夏の温度が私を思い出させるから
そういえば切ない、フリーライターのaoikaraです。
別れの挨拶の「またね」が気軽ではなくなったのは、いつからだろう。「またね」、本当に?次はいつ会える?先が予測できない、また会えるかわからない、簡単に会えなくなってしまう時代を生きている。
ときに永遠の別れになることもある。それは別に今の時代じゃなくても起こり得るけど、会いたいと思っていて会える手段はあるのに会えないのは、もどかしいし、苦しいし、切ない。
夏が来た。もう一年になる。それからだって、私はそれまでと同じ日常を過ごしてきた。別れや出会いはあったけれど、私自身はいつもと同じ。
季節が巡って、体が暑さを感じると、体感から記憶が喚起されるんだろう。体が上気するような体温を、夜になってもまだほんのりと暑さが残っている気温を、うなされて起き上がれなくなった朝を、思い出す。
今抱きしめている人の体温が私に伝わってくるくらいに、ずっとこのままだったらいいけど、時間が過ぎれば今は「またね」と言うしかなくて、本当に?大丈夫?また会える?って不安になる。
忘れたくはないけど、思い出すのもまた苦しい。
また涼しくなってくれば、温度が私を忘れさせてくれるかもしれない。まだ、夏は思い出す。
2021年8月2日(月)
No.952
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