死にたい人は死ぬし、死にたくない人も死ぬ

全然まだまだ生きていたい、フリーライターのaoikaraです。

なぜなら死ぬのがこわいから。宿命だとはわかっているけど、全然“死”を悟りきれないの。まだまだずっとこわい。だから生きる。

それに生きる希望も見出しているから。決して後ろ向きに生きているわけではないのよ。

それでも、ギリギリの縁のところにいるような、そんな気持ちになってしまうときはある。だからかな、その縁を飛び越えてしまった人を責められない。

とんでもなく他人であるはずなのに、なんとかならなかったのかなとか、何かできなかったのかなと思ってしまう。生きている間に、プラスの働きもマイナスの働きもしたわけではないのに。でも、何かできなかったのかとか、考えてしまう。

その縁にいる感情を想像すると、想像なんてできないんだけど、理解なんてできないんだけど、できるなんて思っているのがおこがましいんだけど、それでもね、つらかっただろうなぁと思ってしまう。

その人のつらさはその人だけのもので、それを私が取って「つらいよね」と言うのはつらさを奪ってしまうことだからしたくない。私が「つらい」と思うのは、完全な他者として、情報の受け手として「つらい」だけ。混同してはいけない。

そんなつらさを思うとき、なんとか伝えたくなる。頑張らなくていいよ。いてくれるだけでいいよ。それだけでいいよ。本当に。そうやって言えれば、そばにいる勇気があれば。

でも、実際に縁にいる人を目の前にすると、そんな勇気がないことも思い知る。そっちに行かないでと思っていても、戸惑ってしまう。どうしたらいいの。どうしたらこっちにいてくれる。現実が近づけば近づくほど、目をそらしたくて、こっちに来てよ、いてほしいよって言う勇気が出ないまま、とうとう縁を乗り越えてしまう。

死にたい人は死んでしまう。どんな人が死にたがっているかは、私たちはわからない。「死にたい」と言う人は本気じゃないという人もいるけど、死んでしまう人もいる。「死にたい」と言わない人も本当は死にたかったら、死んでしまう。

死にたくなくたって人は死んでしまう。みんな宿命なのにね、わかっているのにね、どうしたって現実なのにね、受け入れているのにね、悲しいしつらい。

だからこそ生きている時間を大切にするとか、そんな綺麗事はなかなか言えないので、ただただ日常を過ごすしかなくて、自分なりの解決方法を見つけるしかないんだろうね。

私たちは死に向かって、死を受け入れて、死を抱えて、生きていかないと。なんて重いんだろうね、生きるってことは、死ぬってことは。

2020年8月31日(月)

No.619