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【不登校漫画原作】phase C #変化

SIDE: 凛花

私は「明日は絶対学校に行く」、「来週は学校に行かなきゃ」と言って、結局毎回学校に行かなかった。
その時は絶対に行こうと決めていたのに、夜になると眠れなったり、朝になると起きれなかったり、上手く起きることができても直前になるとどうしても行きたくなくなったりした。
ママは口には出さなかったけど、ガッカリしてるんだろうなと感じていた。

「明日は学校に行くから。明日起こして。」
と私が言うと、ママは
「うん。」
と言って、朝は何度も声をかけてくれたけど、私は大抵起きることが出来なかった。
眠くて八つ当たりもした。

大げんかと、私の無視の期間の後、
ママは私に朝声をかけなくなった。
起こそうともしなくなった。
何時に起きても、何時に寝ても、何をしていても何も言わなくなった。
でも怒ってない。
ママがイライラしていないのがわかる。

ママがイライラしていた時、それは全部自分のせいだとわかっていたから、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
こんな私でごめんなさいという気持ちなのに、そんな言葉をママには言えなかった。
自分が悪いのがわかっていても、ママにはひどい言葉を吐き、酷い態度を取っていた。
自分の中にいつも対処できない不安と焦燥がごっちゃになった苛立ちがあったから。

学校のことや、将来の事を考え始めたら不安になる。
こんなに何もしないで、勉強もしないで、みんなは頑張っているのに、このままで良い訳がない。
いてもたってもいられなくなって、勉強しなきゃと思うけど、身体は動かなかったし、どうしても勉強する気にならなかった。

今もまだ、学校には行きたく無いし、勉強もしたくない。
こんなんじゃダメだとわかっているけど。

ママは、
「凛花ちゃんがやりたい事、何でもやったら良いよ。
ママが手伝えることなら、何でも手伝うよ。」

と言った。
私がママの作ったご飯を全く食べなくなったから、ママは私の食事を普段は準備しない。
でも、私がこれが食べたい。
と言ったら、必ず作ってくれたり、買ってきてくれたりする。

夜中に、(といっても私は夕方に起きたので私にとっては昼だ)
「フレンチトーストが食べたい。」
と言ったら、
もう寝ようとしていたママが、ええ?今から?
と言いながらも作ってくれた。
私が、「美味しい」と言って食べたら、喜んでいた。

夜中中ゲームかYouTubeをしているので、朝方になるとさすがに飽きて暇になる。
冷蔵庫に食べるものは入っているけど、コンビニに行きたいなと思った。
でも一人で行くのも面倒。

土日の朝はいつもより寝坊するママを平日に起きるくらいの時間に起こして、
「ママ、コンビニに行きたい。」
と言ったら、とても眠そうだったけど一緒にコンビニに行ってくれた。

早朝外を歩くのは久しぶりで、とても気持ちが良かったから、私はもう少し歩きたいと言ってそのままママと一緒に朝のお散歩をした。
私はYouTubeの話やゲームの話をした。
ママはうんうんと聞いていた。

コンビニで買った朝ごはんを食べて私は眠くなった。
そういえばお風呂に入って無いけどもう面倒だ。
「お風呂入ってないけど、もう眠いし無理。」
と言うと、
「別にいいんじゃないの?」
とママはあっさり言った。

ママがイライラして無い。
以前だったら色々言ってきた小言も言わない。
私の他愛のないおしゃべりをただうんうんと聞いてくれる。
なんだろう。
それだけでなんだか少しだけ安心できる気がする。

私は相変わらず昼夜逆転をして、YouTubeとゲーム三昧、お風呂も毎日入らないようなひどい生活をしているし、勉強だって何もしていない。
一日中殆ど部屋にこもってダラダラしている。
でもなんだろう。
前と違う。
私は私を追い詰めなくなっていた。
その時は気づかなかったけど。

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