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この記事は2019年12月15日にホームページにて掲載したものです。

僕たち大人は、役割のひとつとして、いつも子どもたちを見ている。見守っている。子どもたちもその見守られている安心感が好きだ。

けれど、それと同じくらいに(もしくはそれ以上に)、子どもたちは大人たちに見張られていない、子どもたちだけの時間や場所が大好きなんだと思う。

幼少期の自分を思い起こせばそうだった。秘密基地がとても好きだった。家の裏のちょっとした木陰にふろしきを張り詰めて基地を作った。あるときは屋根の上だった。またあるときは物置につながる階段下のスペースだった。親には知られていない、自分たちの居場所を兄弟や友達と作って遊んだ。

そして教室の子どもたちも、「その」タイプの子が多く集まっているようだった。誰が言い始めたわけでもなく自然とみんなで、ついに、家を作り始めた。不思議な光景だった。笑

1回目の教室で子どもたちは柱を4つ建て、2回目の教室で壁と屋根を作っていった。背の届かないところは、僕がダンボールをつなぎ合わせた。

4本の柱にぐるっと一周シーツを巻いて器用に壁を作っていた。はじめはレースの布だったんだけど、「分厚いほうが中が見えないんじゃない?」と誰かがつぶやいて、「そうだね、外から見られないほうがいい」という理由でシーツに取り替えられていた。おもしろい。笑

床にはクッションを敷き詰めて、シーツをかけていた。都会のカプセルホテルなんかよりもずっと寝心地が良さそうだよ。


あのね、僕はね、子どもたちに、居心地のいい場所になって欲しいなと思って、この教室を作ったんだけど、まさかその教室の中に子どもたちの家を作られるとは。思いもしなかったな。笑

そしてもちろん、大人の僕がこのハウスに入ろうとすると、子どもたちは、あんまり良くない顔をするのだ。

なんかおかしいなあ。笑


p.s.
気がつくと、家の中にテレビやキッチンができていたり、表札やインターホン、さらには地震保険の契約書控えなんかが壁に貼ってある。
もちろん僕にはそんなこと一言も言ってくれてない。

子どもたちには無許可で(笑)撮った写真をみなさんにもお見せします。

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