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葵
2022年12月27日 08:46
月曜日の早朝。白く光輝く巨大な手が、眠っている人間をひとり包み込んで持ち上げる。その人間は深い眠りの中で、少しの揺れにはびくともしない。その白い手はゆっくりと消えていく。若い大人を連れ去って。暗い寝室には空っぽのベッドがひとつ残された。小さい頃に、似たような夢をよく見ていたような気がする。金色に光輝く鹿が、自分を覗き込んでいる。「子供の国セオドアへようこそ」は?ぼくはがばりと起き上