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【名作 朗読】『夢十夜』第二夜 夏目漱石

漱石の『夢十夜』を朗読中です。

YouTubeに第一夜から順次アップしてます。

ご興味のある方は是非YouTubeチャンネル『ノラらTUNE』の方に遊びに来てください。



第二夜 (ここクリックすると動画に飛べます)



この第二夜に登場するのお侍さんは結局最後
自害したのでしょうかね?


悟りの象徴のような物品が並ぶ寺の中で
お侍さんは
"こんなもんクソくらえ根性"
を発揮しつつも
和尚を見返すために
無を必死で求めにかかります。

和尚は座禅によって
"無"は知っていたようですが
悟ってはいなかったようですよね。
でも、お侍さんは
無=悟りだと
教えられているため
無を求めて全伽を組みます。

全伽中に一瞬ですが
無のような境地へ突入する場面が描かれています。
しかしお侍さんはそれを
"ただいい加減に座って"しまっていたようだと勘違いする描写が人間ぽくて好きです。
「無」なんて
現前しないものだから
「無」と呼ぶんでしょうから
お侍さんが無の現前を待ち望む構図の滑稽さに
少し笑いそうになります(朗読はあくまでシリアスに進めましたが)。


個人的には
このお侍さんには
最後、自害して欲しくないなと思いました。
「悟りだと?んなもんクソくらえじゃボケ」ぐらい、いてかまして
さっさとこんなお寺おさらばして
武士の道を思う存分楽しむ姿を想像しました。
きっと悟りなんて、命を懸けて求めるようなスゴイ何かでもなんでもなくって
好きなことをし続けたそのさきに、偶然出会うようなささやかなものだとおもうから。
道端で偶然見かける名もない花のように。



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