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ブラック・ジャスティス ― 権力に裁かれた正義 ―

会社とは、合理性で動くものではない。 本当に仕事ができる者ほど疎まれ、権力者にとって都合の悪い者は排除される。 開発推進部の課長代理・藤堂明は、パワハラの汚名を着せられ、不当に左遷された。 だがそれは、組織の深い闇に隠された"計画"の一端に過ぎなかった。 真実を知った部下・橘薫は、藤堂の汚名を晴らすため、腐敗した権力と対峙する。 彼女の前に立ちはだかるのは、会社という巨大なシステム、 不正を隠蔽するコンプライアンス室、そして黒幕として君臨する権力者たち。 握りつぶされる証拠、消される告発者―― それでも正義を貫くことはできるのか? 企業の闇を暴き、失われた正義を取り戻すための戦いが、今、始まる。

【第15章】光明

守の後任として開発推進部の部長となった大森は、これまでの管理職とは異なり、話のわかる人物だった。桐生が去った後、たった一人で戦い続けてきた橘薫にとって、その存在は唯一の希望に思えた。 「なるほど……藤堂さんの異動は、やはり不自然ですね。」 大森は橘薫から受け取った資料にじっと目を通しながら、低く唸った。そこには藤堂明の「パワハラ」とされた証言が、いかに根拠のないものかを示す証拠が詰まっていた。 「これだけ証拠が揃っているなら、会社として再検討すべきでは……」 大森の言

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【第14章】桐生の転職

藤堂明が異動になってから、橘薫と桐生は、何とか部署の立て直しをしようと必死に努力していた。しかし、度重なる徳山の妨害と、守部長や谷課長の理解不足が続き、二人の努力はなかなか実を結ばなかった。限界を感じた桐生は、裏で転職活動を進めるようになっていた。 一方、守は定年を迎え、無責任な態度で仕事から手を引くことになった。守は、何も成し遂げることなく退職を迎えることに満足しているように見えた。その姿に、桐生と橘は失望の色を隠せなかったが、何も言うことができなかった。守が退職し、その

【第13章】矜持 vs 妬み

藤堂明は、どこにいても常に真摯に仕事に向き合っていた。その熱意と成果は、彼にとって当たり前のことであり、周囲の誰よりも努力し、結果を出し続けていた。だが、藤堂のように全力で仕事をする姿勢が、逆に問題を引き起こすこともあった。特に、仕事をサボりたい、楽して給料をもらいたいと思っている者にとって、藤堂の存在は目障りであり、彼の成功は自分たちの立場を脅かすものと映った。 藤堂が成果を上げるたびに、相対的に働きたくない者や、なかなか結果を出せない者は次第に立場を失い、そのことが彼ら

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【第12章】徳山の恨み

先日、池田がぼそっと漏らした言葉が橘薫の脳裏にこびりついていた。 「結局、徳山さんに利用されただけだった……。」 藤堂明を貶めるために仕組まれたパワハラ騒ぎ。その黒幕として、池田の口からかすかに示唆されたのが徳山だった。証拠こそないものの、藤堂の異動が決まったとき、徳山が浮かべたあの薄笑いを思い出せば、全てがつじつまが合った。 徳山は、ある役員のスカウトによってマエダ自動車から引き抜かれた経緯を持つ。役員の威を借り、あたかも自分が実力で呼ばれたかのように振る舞い、好き放

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サラリーマン 苦難や挫折の乗り越え方

サラリーマンをしていると大小様々な苦難や挫折を経験することがあります。 「もう一度やり直したい」と思っても時間は元には戻りませんから「転職したい」と思う人もいるでしょうし、「死んでしまいたい」さえ思う人もいることでしょう。 そんな苦しい時期を乗り越えることの参考になればと思い記事を書き始めました。 あなたの苦しく悲しい気持ちはよくわかります。あなたは一人じゃないですよ。だから一緒に少しずつ乗り越えていきましょう。

落ち込んでいるサラリーマンはコレを見て!!

サラリーマンに限ったことではありませんが、嬉しくない立場や環境に追いやられてしまい「自分はいったい何なんだろう?」「何のためにここにいるんだろう?」「つらい」「死にたい」「逃げ出したい」と思ったことは多くの人が経験していると思います。 そんな思いをしている人、特にサラリーマンとして嬉しくない立場や環境にいる人に見ていただきたい動画を紹介したいと思います。今のつらい状況の生き抜き方にヒントになると私は思います。 この動画には東出昌大さんが登場して、かつて自身の問題によってでは

「うつ病」かも?って思ったら

一番は専門家である心療内科を受診するのが間違いないですが、私自身もはじめて心療内科を受診するまでにかなり時間を受診するかどうかで悩みました。 会社というものは、とても理不尽なところです。 天災のごとく、突然不本意な出来事が起こったりします。 お客様や会社のために一生懸命やっていても起こります。 「お客様や社会に貢献する会社」なんて調子のよいことを言っている大企業ほど、実際にはそういうこと(理不尽なこと)が起こりやすいのかもしれません。 自分本位、そう自分さえ良ければよいとい

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何歳になっても遅くはない! 気がついた瞬間から新しい人生を始めればよいのです

「賢者の書」ではこれまでに8人の賢者の教えを示してくれました。 人生に成功も失敗もないんだよ 人間には無限の可能性がある 生きるために必要な自尊心。忘れがちな他尊心。人生の成功にはそのバランスが必要不可欠 何になるかではなく、どういう人間になりたいかが幸福へと導く 過去に黄昏たり、未来に夢ばかり見ていないで「今」を生きることが真の未来を切り開く 正しい時間の投資とは? 他者を幸せにすることが結果として自分を幸せに導く理由 あなたの言葉があなたを導く 最後の9

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あなたの言葉があなたを導く

日本には「言霊」という言葉がありますが、それに通じる言葉だと思います。 自分が言った言葉で、自分の人生が築かれていくということですね。 「お金持ちだ」と言ったらお金持ちになるというわけではありません。 ポジティブな言葉を発することによって幸福や成功を手に入れられるということです。 ??? 「私はお金持ちになることが幸福なんですけど!」 と言われる方もいらっしゃるかもしれませんね。 「お金が欲しい」と思うことは「お金がない(少ない)」というネガティブな言葉なのです。「お金が欲

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白いブラック企業の真実

ブラック企業が叩かれるなか、間違った形でホワイト化する企業。それはもはやホワイト企業ではなく、新しいブラック企業の形と言える。表面上のホワイトさに反して、強かな陰険さ、訴えられなければ何をしてもいいと思っている会社側、それによってギスギスする社員たち、一時期ニュースで騒がれていたバイトテロが大手企業でも幼稚な社員によって起こっている。そんな新しいブラック企業の実態について書いていきたい。

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社員だって馬鹿じゃない!社員に見放される白いブラック企業

上層部の人間というのは社員の顔を知らないものです。 いや正確に言えば、ダメな上層部の人間(ダメな取締役にダメ役員、そしてダメ部長あたりですかね)は真に重要な社員をわかっていないです。彼らは自分では自分のことを当然ダメだなんて思っていませんし、そんなダメ男やダメ子に意見をいうような(本来)真っ当な社員は粛清されますから、誰も意見を言いません。YESマンだけが出世して裸の王様まっしぐらです。だから、彼らは自業自得ですが、真の情報を得ることもできませんから、どんどんダメまっしぐらに

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不都合なことは隠蔽、形式だけのコンプライアンス室?

ここ最近、芸能人であるN氏の女性への不適切な対応問題への某テレビ局の対応や問題自体に社員が関与したとかしないとかで叩かれていますね。N氏や某テレビ局の問題についてはメディアにお任せするとして、某テレビ局の上層部の対応を見ていて、日本企業あるあるだなぁ〜とつくづく感じます。某テレビ局に限らず、建前だけのホワイトさやクリーンさをアピールしているだけで実際の腹の中は真っ黒な企業は多いように感じます。というのも、真相は神様しかわからないことではありますが、辛い思いをしている一般社員の

定年間際になると、なぜかまともになる人たち

大企業に巣食うお偉方はポンコツであることが多いように感じます。 しかし、なぜか定年間際、1ヶ月を切ったあたりに急にまともな発言をしだす人が結構います。 もう、もはや周りの人たちやより高みのお偉方に気を遣う必要がなくなったからかもしれませんが、 例えば、散々これまでチャレンジ的な提案を却下しまくった社長さんが退任の挨拶で 「もっと挑戦的なこと、新しいことをしなければこの会社に未来はない。これからはもっとチャレンジングなことをたくさんしてください」 などと言い残して会長職へと移っ

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悪い組織に浸かっていると善人も悪になってしまうのか、、、、、

ドラマではありがちなパターンですが、、、 「あんなによい人だったのに、、、物語が進むにつれてとんでもなく悪い人になっちゃったなぁ、、、」 なんてことが起こります。 こういうことはドラマの世界だけでなく現実の世界でも普通に起こります。特に白いブラック企業のような腐り果てた組織風土は、マッハで人の心を腐らせていきます。 それはブロックチェーンの強固なセキュリティさえ突破されてしまう手法と同じです。51%攻撃。そう大半の人間を腐らせると腐った側の人間の勝ちになるのです。社員の過半数

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白いブラック企業 番外編

白いブラック企業は多くの愛すべきポンコツたちでいっぱいだが、そんなやつらばかりだと当たり前だが組織として成り立たない。わずかではあるが極めて光る優秀な人たちがいるから成立しているところがある。白いブラック企業の番外編として希少な優秀な人たちを紹介する。

製品開発のアイデアマン Ik氏

Ik氏との初対面はあまり良いものではなかったと後になって後悔している。 私もまだまだ青かったということにしておこう。 開発対象の製品機能の打ち合わせでIk氏の部下である現場担当者と打ち合わせをしていたときに遅れて現れたのがIk氏である。多くの製品開発に携わり社内でも認められた存在だから偉そうなのは当たり前なのだが、初対面でのIk氏に対応というか言葉にちょっとイラッとしてしまい、私の態度は決して良いとは言えなかったと記憶している。実のところIk氏は決して偉そうなのではなく、そう

平面から実際に物が浮き上がうような図面を描くエンジニア It氏

It氏との出会いは上司と部下の関係である。もちろんIt氏が上司で私が部下である。優しそうなおじさんであるがイマイチパッとしないそんな第一印象の出会いだったと記憶している。私の担当する仕事は当時としては特殊な仕事であったため、上司であるIt氏は私にお任せだった。上司だからと言って全方位で完璧であることは不可能である。しかも特殊な業務ともなれば例え部下であっても専門家に任せ、要所だけ詳しく聞いてジャッジするというのがスマートなやり方だ。当時、私はまだ若かったこともあってマネジメン

空気を吸うように気遣いができるTt氏

Tt氏は仏様レベルの気遣いの人だ。 いや気遣っているというよりは仏の如く周りに温かく接する生仏のような存在だ。 弱っている人だろうと、阻害されている人であろうと、どんな人へも分け隔てなく接するのである。普通はそういった人たちと接する時はなんとなくよそよそしくなってしまうものなのだが、Tk氏はそういったことはまったくない。ごくごく自然体で接するのである。 弱っている人や阻害されている人にとって、無理に接されているかどうかということは本人にはわかってしまうものである。接する側と

出戻って役員まで登った Nk氏

白いブラック企業にも昔は能力の高い人たちがいた。そして人情や思いやりのある活気に満ちた会社であったのだとNk氏の人柄や思い出話から知ることができた。Nk氏の経歴はとても変わっている。今はブーメラン採用などと言われて出戻り社員を歓迎する風潮も出てきているが、Nk氏が若かりし頃はそんなことは稀であり、一度入った会社は定年まで勤め上げることが美徳とされ、途中で出ることはかなりの異端児扱いされていた頃だ。そんな世の中にあって一旦会社を出て、そして呼び戻されるというのはNk氏の実力もす

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残念な会社員たち図鑑

リアルな残念な会社員たちを図鑑にしてみました。 それぞれの会社員の特性や習性を紹介します。

#30 評論家

レア度  ★★★ 利    ★ 害    ★★★★★ 技:質問する、意見を言う 解説 白いブラック企業の会議には多くの評論家が参加してプレゼンターたちを悩ませる。評論家たちはプレゼンターに対して好き勝手な「質問をし」「意見を言う」のである。自分が逆の立場で言われたら困るようなことも平気で言い放つのである。「やった方がいい」「調べた方がいい」「もっと検討すべき」、、、 そりゃやらないよりもやった方がいいかもしれないが、労力や費用に見合うのかと言うことである。 そして労力や費用

#29 NPC社員

レア度  ★ 期待   ★ 気力   ★ 技:決められた仕事をする 解説 NPCとはノンプライヤーキャラクターの略称であり、ゲームのプライヤー以外のキャラクター全般を指すこともあるが、揶揄して使う場合には本筋に影響しない宿屋とか道具屋のおやじなど、決められたことだけをひたすら繰り返す、いつ話しかけても同じような、しかもどうでもよいというか、影響しないような当たり障りのないことしか言わない社員をNPC社員などという。 Amazonプライムのオリジナルドラマである「ペリフェラル

#28 隠れメンタル不調社員

レア度  ★ 生命力  ★ 気力   ★ 技:仕事をする、休む 解説 白いブラック企業では隠れたメンタル不調社員がかなりいる。 普段は他の社員と変わらずに「仕事をしている」のだが、体調不良で「休む」ことがほどほどある。このほどほどのお休みが隠れメンタル不調者の特徴である。がっつり休むようになるともはや隠れではなく本格的なメンタル不調社員であるが、他の社員に気づかれないように季節性の風邪で休んでいるかのように擬態して休むのである。日常の過剰な負担によってメンタルの限界に達する

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#27 レジスタンス社員

レア度  ★★★★★ 正義感  ★★★★★★★ 行動力  ★★★ 技:しっかり考えて判断、言うべきことを言う、仕事は仕事としてやりきる 解説 魂を失わずに耐え忍んでいるソルジャー社員の進化系がレジスタンス社員である。 白いブラック企業では多くの社員は魂を遠くの世界に飛ばして思考停止した生けるロボットであるソルジャー社員になる。しかし稀に魂を維持して正義感のある状態を維持したまま耐え忍んでいるソルジャーもいる。まさに意識がある状態で劣悪な状態で腐れ管理職にいいようにこき使われ

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