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*1.松崎海(コクリコ坂から)がなぜあんなに完璧な人間なのか。
松崎める。
目覚まし時計もなしに、
二度寝することもなく、
今まで起きていたかのように立ち上がり、
素早く布団を畳む。
髪の毛を一瞬で結び、
花の水を変え、
お釜を確認。
全然眠そうな様子はなし。
弟の穴の開いた靴下にミシンをかけるほどの器用さ。
ご飯ですよと誰かを起こし、
何事もなかったかのように朝ご飯を食べる。
みんなのお皿を洗い、
洗濯をかけ、
一番最後に家を出る。
学校までは徒歩で登校。
人間関係良好。
学業良好。
自分のお弁当すら自前の手作り。
色恋のやり取りあり。
今晩の献立を考え、
おばあちゃんのところへ行き、
お金のやりくり。(赤字無し)
何食わぬ顔で揚げ物をしキャベツを切る。
課題を終わらせ、
多分寝た。
ちゃっかりカルチェラタンとかいう部活サークルもどきに加担。
松崎海の落ち度を探せと言われ言い当てられる者がいるだろうか。
映画が始まり20分。
もうここでメルの十数年の生き様がくっきりと見える。
十代後半の女学生がここまで几帳面でしっかりしている理由はなぜだろう。
ここからは私の私生活や特性の話になります。
私は家事が苦手で、18年間お勉強しかしてこなかったせいか
1人暮らしをしても、寝坊でゴミ出しは忘れる、
キッチンはいつも洗い物が残っていて
自炊しても冷蔵庫の中で腐らせる始末。
洗濯だって寝落ちして干し忘れ。
メルとはまったく180真反対な生活性格です。
ただこんな私でも松崎メルを見てて感じることがあります。
彼女は比較的ほかのジブリ作品の主人公に比べて笑顔が少ないと思いませんか。
強いて言うなら、男子学生の冗談にくすっと笑うくらい、大声をあげてトトロのメイやサツキみたいに笑っている印象はありません。
「責任感」
人って極地にいる、例えば無人島とか砂漠とか、そういったところにいるとどうにか生き残ろうとして何かしら手を尽くしますよね。
メルの母は海外に住んでおり、日本にはいない、お父さんも会えない状況、夢に出てくるほど忘れられない存在のお父さんは日清戦争に出た切り帰ってこない。そんな状態で、妹、弟、居候のひとたちのご飯を用意しながら、縫い物もして。
本人は自覚しているのかもしれません。私にはこの役割を果たす責任感がある。私が放棄したら周りに迷惑がかかる。
その覚悟が、毎朝旗を揚げるメルの顔にくっきりと表れていると思いませんか。
友達に相談しました。私はなぜこんなに家事ができないのだろうか。
その友達が言っていました。
人間っていざって時になったら何でもできると思ってるんだよね。だから今は気にしなくていいんじゃない。
あー。
人にはタイミングってのがあって、出会うべき時に出会うべき人に会って、
直面するときに直面するべき試練に直面し、
これか。
今はまだ修行。
未完成未熟被扶養者。
ただそれを言い訳に放棄するんじゃなくて、
何かしら成長しなきゃいけなくて
そのタイミングが今かもしれなくて
もしかしたら今じゃないかもしれなくて、
結局、なるようになるんだよ。
今の私の理想は、松崎メルみたいになること。
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