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高波碧 / 日比野京
2023年8月4日 18:51
京は和歌が好きだった。そのせいか、京の言葉にはいつもかろやかなスピード感と彫琢された表現とが織り合わされていて、さらりとした語調とリズミカルな響きもふくめてどこか薫風のなつかしさに似たような深みがあった。行儀良くならべられた言葉たちには一切の無駄がなく、それらはまさに和歌のような文藝で、だからだろう、京の文章はどのような歳のどのような人にとっても同じく非時間・非人称の真新しい驚きを与えた。僕も例外