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勉強法・記憶術についてまとめました

はじめに

脳科学の分野も発展し、概ね効率的な勉強法が確立されつつあります。
とはいえ、そうそううまく行くものでもなく、やはり苦労している方が多いのではないでしょうか。

自分も大学生のときイキって、英検1級に合格したい、なんて思い頑張って英単語暗記頑張っていた時期がありましたが、全然覚えられず、ネットで話題のankiアプリや忘却曲線に沿った学習、なんてものの頑張ってみましたが続かず、留学してからは手をつけておらず今に至ります。

ちょっとネットをしらべるとすぐに効率のいい勉強法・非効率な勉強法などをまとめたブログやyou tubeが一杯出てくると思います。ただ、よくよく読むと具体例にかけていたりすることが多く実践しにくい印象がありました。

例えば、
再読(Rereading)は非効率だ!無意味だ!という内容が多い一方で、
効率的な勉強法で、忘却曲線に沿った定期的な復習が重要だ!とあります。

え、これって定期的に再読していることと何が違うの?と思うわけです。
単純に文字通りに勉強法を変更しようとすると間違った道に進んでしまう可能性があるので注意しましょう。

そこであらためて
現時点で勉強法についてわかっていることと、それに対する考察・追記を行います。

もう10年以上前とはいえ、莫大な医学知識を半年で詰め込んだ経験もあるのである程度の説得力はあるものと期待します。

※ もしこちらの記事にたどり着いた方がいる場合、中途半端だと内容を誤解をする可能性もあるので最後まで目を通していただけると幸いです。


気を付けるべき事

勉強法について記載してあるブログ等を見る際に下記のことを気を付けて下さい。おそらく大体の記事は暗記に関係する勉強法を記載してある物かと思います。

記憶術が必要とされる学問:
語学・法律・医学・歴史学など暗記がメインのもの

その他の勉強法が必要とされる学問:
IT・数学・物理学・芸術・社会経済学など暗記よりは応用力・実践力が必要なもの。記憶術のためにかかれた勉強法はさほど役に立ちません。

勉強法と記憶術の関係について(無駄にでかいベン図)

ここからは暗記が必要な学問についての勉強法を考察していきます。
結局みんな困るのは暗記。。


非効率と報告されている学習法 (だが)

再読(Rereading)

方法: 一度読んだ教材を再び読む。
効果: 短期的な理解の向上や再確認には有効ですが、長期的な記憶の定着には限界があります。再読のみでは学習の効果が頭打ちになることが多いと言われています。

マーカーや色つきペンなどでハイライトを入れること(Highlighting)

方法: 読んだ教材の中から重要と思われる部分にマーカーや蛍光ペンで線を引き、他の部分と区別する。特定の色を使って異なる種類の情報をハイライトすることもあります。

注意点

上記2つは効果がないと大々的に宣伝されています。
ただここで注意が必要です。

あくまでこれは「暗記」においては非効率というだけです。
① 暗記ではなく、内容の理解をする上では必要な事も多い。
② 非効率というだけで、することが悪ではない。

特に①は重要です。暗記を行うためにはそもそも内容を理解する必要がありますが、再読を禁止され、1回で理解と暗記ができるのか、というと、高度な内容になればなるほど難しくなります。きちんと内容を理解・把握するためには再読は必須です

「いろんな本に手をつけずに1つの教科書をやり通すことが大事」でも再読はダメ?という矛盾にぶつかった際に思い出して下さい。一度理解したつもりでもしばらく時間がたつとその理解が薄れることは一般的です。

そして理解していたつもりで実はよくわかっていなかった、ということも相応にあります。なので特に基礎についてはきちんと理解できるまでは「1つの教科書をやり通すことは大事」です。

そして1時間の勉強を行うよりも30分を2回行った方が効率的だ、という台詞をよく耳にするかと思いますが、これもあくまで記憶術に関することです。理解してない内容を2回にわけても非効率以外の何者でもありません。1つのことを理解する間はその内容に集中する必要があります。

暗記の段階に進む前にきちんと内容を理解できているかを確認しましょう。
話はそこからです。

英単語を例に出すと、altar(祭壇)、pulpit(説教壇)なんてのを内容を理解せず丸暗記しようとしてもたぶんあっという間に忘れます。

そして、非効率といわれている再読・ハイライトについては次に記載する効率的な勉強法との組み合わせで使用可能となります。なので正確には単なる再読・ハイライトではなく、工夫をしましょう。ということです。


効率的と報告されている学習法

以下は暗記段階における勉強方法・記憶術です。
単なる再読・ハイライト法ではなく下記と再読を組み合わせた勉強法が必要です。以下、特に最初の2つが重要視されています。

定期的な復習(Spaced Repetition)

方法: 忘却曲線に基づき、時間を置いて繰り返し学習する。復習の間隔を徐々に広げていくことが一般的です。下記の日程がよく言われていますがこれを遵守する必要はありません。

即座に復習: 学習直後に要点を確認。
1日後: 再度要点を確認し、記憶を強化。
1週間後: もう一度復習し、記憶の再確認。
1か月後: 最終的な確認を行う。

いずれにせよ復習のタイミングを工夫することで、単なる(毎日)再読よりも効率的に記憶を定着させることができます。

アクティブリコール(Active Recall)

知っている人は多くとも、実際に実践している人は少ない気がします。
自分で覚えていることを紙に書き出したり、口頭で説明する行為です。また他人に教えること(空想上の相手でも可)なども効率的です。

これにより、内容理解の確認だけでなく、記憶を積極的に思い出す作業が含まれるため、単なる再読よりも効果的です。

注意が必要なのは、アクティブリコールは一般的には教科書など教材を見ずに思い出そうとする努力が必要なことです。単なる教科書の書き写しだと記憶力の定着に結びつきにくいです。

カフェなどで友人と一緒に勉強するのがなぜ効率的なのか、というのがここにあります。お互いに教え合えますし、帰り道に友達とぶつぶつ言いながら再確認できます。

一人のときのごく簡単な行為だと、歩いているとき、家事をしているとき、今日勉強した内容ってどういうのだったっけ?と思い出すことなども役に立ちます。

インターリービング(Interleaving)

学習内容を他の関連トピックと交互に学習します。同じ教材を再読する場合でも、異なる文脈や例題と組み合わせることで理解が深まります。

例えば、数学の問題を解く際に、同じ種類の問題をまとめて解くのではなく、異なる種類の問題を交互に解く方法です。また、異なる科目やテーマを交互に学習することも含まれます。

自己テスト(Self-Testing)

単に再読する代わりに、教材に関するクイズや練習問題を解いてみます。過去問を解いてみるっていうやつです。これにより、理解度と記憶の定着を確認できます。

またAnkiやQuizletなどの復習アプリを利用して、定期的に学習内容を復習することも一部含まれます。これにより、効率的に間隔反復が行えます。

要約を作成する(Summarization)

再読後に、学んだ内容を自分の言葉で要約します。これにより、情報の整理と理解が促進されます。内容が理解できているかの確認をすることもできます。実践してみるとわかりますがかなり難しいです。でもここまでできればもうほぼ暗記したも同然です。

メタ認知(Metacognition)

いままでの上記方法による再読中や再読後に、どの部分が理解できていないかを自己評価し、理解が不十分な部分に重点を置いて復習します。これはみなさん無意識にしているかと思います。


アクティブリコールは特に重要で、これと再読・ハイライトを組み合わせることが推奨されています。たとえばハイライトでいうと

Annotation

ハイライトに加えて、テキストにコメントやメモを書き込むことを指します。これにより、ハイライト部分の理解が深まり、後で見返したときに役立ちます。

Active Highlighting

単なるハイライトではなく、積極的に考えながら行うハイライトを指します。重要な部分を選び出し、なぜその部分が重要かを考えるプロセスが含まれます。

Reflective Highlighting

ハイライトした部分を振り返り、要約や関連付けを行う学習法です。これにより、単なる視覚的な強調から、内容の深い理解につなげることができます。

といった方法があります。単に線を引くだけではなく、内容をきちんと理解、また想起しやすい工夫をしましょうということです。別にハイライトがとにかく悪、ということではありません。

考察

暗記において再読・ハイライトが非効率と言われる理由

これすなわち、自分がすでに覚えていることを読み返すだけになってしまう、またハイライトしていない部分には目が行かず満足してしまう、ことに他ありません。つまり、覚えたつもりになってしまうこと。

歴史の教科書などで全部覚えたはずなのに試験にはハイライトしていない部分が出てきてしまい、点数が取れなかった、という思い出がある方もいるのではないでしょうか。

ハイライトは勉強の訳に立ちますが、逆に邪魔をしてしまう可能性にも繋がります。このあたりは個人の性格にもよるかもしれません。

暗記にもっとも重要なのは脳の活性化(喜怒哀楽の感情が重要)

原理は筋トレと同じです。筋肉に負荷をかけるのと同様、脳に負荷がかかったとき、特にストレスを感じたときに記憶は定着します。PTSDなどのトラウマというのがその究極です。とんでもないストレスで忘れられない辛い思い出が頭に残り続ける原理ですね。

先に述べたアクティブリコールを実践してみるとわかりますが、かなり辛いです。でもそれだけ苦労すると暗記もスムーズにいくようになります。

などというと結局暗記は辛い物、というイメージになってしまいますが、必ずしもこれはストレスフルである必要はありません。近年、感情と結びつく記憶であれば定着すると言われています

自分が楽しいと思える分野でどんどん勉強がはかどる原理はここにあります。もちろん辛いという感情も記憶力安定には寄与しますが、辛いので勉強時間が担保されないという点で非効率にはなりますよね。

また、喜怒哀楽の感情と暗記を関連付けることも効率的で、例えば英単語の暗記で、その単語がプラスのイメージなのか、マイナスのイメージなのかを意識しましょう、と教えられた方もいるかもしれませんが、その類いです。

まとめ

以上、勉強法と記憶術について、その違いなど含めて考察してみました。

効率的な勉強法として注目される「定期的な復習」「アクティブリコール」「インターリービング」「自己テスト」「要約作成」「メタ認知」などは、暗記において特に有効です。これらの方法は、単なる再読やハイライトに比べ、長期的な記憶定着を目指したアプローチであり、単に読み返すだけではなく、積極的に内容を思い出し、理解し、応用することが重要です。

暗記には、感情との結びつきも大切です。脳に適度な負荷をかけ、喜怒哀楽の感情と結びつけることで記憶が強化されます。効率的な記憶術は辛いだけでなく、楽しみながら行うことも可能です。

最後に、効率的な勉強法は一人ひとり異なり、自分が楽しいと思える適切な方法を見つけることが重要です。これらの方法を試し、自分に合った勉強法を見つけることで、より効果的な学習が可能となります。

この記事をもし再読する機会がある際は、その前にぜひアクティブリコールと要約作成を実践してみて下さい笑

以上、参考になれば幸いです。

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