去年12月のこと

去年の今頃、私は精神科病棟に入院していた。

12月が始まった、1回目の日曜日の夕方に大量服薬をし、意識朦朧のまま朝を迎えた。目が覚めて、普通に起きた(と思っていた)と、当時付き合っていた恋人に報告しており、様子がおかしいと気づいた彼に救急車を呼ばれた。

大量服薬で死ねるとはあまり思っていなかったが、「あわよくば」死ぬだろう、これまでの良い人生は全て良い「夢」だったことにしよう、と思って薬をたくさん飲んだ。なのに朝、目が覚めてしまって、椅子にシャツをくくりつけて「ちゃんと」死のうとしていた。その時に玄関に救急隊が現れて、そこから先は夢だったのか現実だったのかはっきりしない。(かかりつけの病院に運ばれたことと、通院時にチラッと見てしまったカルテに錯乱した状況が書かれていたのでおそらく現実だが、覚えている出来事はあまりにも狂っていたので認めたくない。)

その後様々な事情と、自殺の危険性から、任意入院することになった。

精神科の外来と診察室はかなり落ち着いていて、先生もとても信頼できる方だったが、精神科病棟は思っていた以上にカオスだった。閉鎖病棟はスタッフだけではどうにもできないほど、患者は狂っていて人間らしくいられていない。開放病棟は普通の人(普通に見える人)も多くいて、なんだかよくわからなかった。

私は自分が病気であることは認めつつ、休むこと、自分と向き合うことを目標にして、3週間入院した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?