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認知症介護の心得

前回、母が認知症になった話をしましたが認知症の症状は、日々進化します。

症状が進んでも、たまーに自分を取り戻すことがありますが、どんどん自我だけが先に出てきます。

■認知症を知る


皆さんが知っている認知症の症状はどんなものでしょうか?

ボーとして、空を見つめているイメージかな?
自分のことがわからなくて徘徊する感じかな?

認知症の患者さんを大勢見てきましたが、少なくとも病院にはボーと空を見てる人はいませんでした。

徘徊する人はたまにいますが、ほとんどの患者さんは見た目普通です。

普通に会話をします。
なので厄介なのは、認知症と認定を受ける審査の時です。

認定員さんが、本人とお話をするのですが
「こんなことは一人でできますか?」とか
「ここへは一人でいけますか?」とか聞きます

本人は認知症という自覚がないので、
「一人暮らしなので、もちろん一人でしますよ出来ないほうが困りまからね」と断言するのです。

「おいおい!」こっちはひやひやしながら会話を聞いていますが、認定員さんはさすがプロです。しっかり介護認定2になりました。

■なぜ介護認定がいるのか?

介護保険の認定を受けなければ、ディーサービスも老人ホームの入居もできないからです。

もちろん、お金持ちの方で介護保険を使う必要がないのであれば認定を受けなくても高級有料老人施設に入居できます。

施設の費用は介護度によって使用料が変わります。
介護度が高いほど(介護度2より介護度3の方が高い)費用が高くなります。

介護度が高いということは、それだけ介護士の手を借りなければいけないからです。

最初に介護度2の判定を受けても、のちに認知が進むと介護度は上がっていきます。


■認知症患者に合わせる

認知症患者は、自分で出来ることは多いのですが、今していることを忘れてしまいます。

常識で行動してきた事が、常識がわからなくなるので本来の自分の性格が出てきます。

「食い意地が張っている」という言葉がありますが、世間体が悪いから隠していたことが、認知症になるとまわりは気にならないので、隣の人のご飯を取って食べたりします。

朝だから食事をしようと言っても、お腹が減る感覚がなければ食べません。

幼児なら、仕方ないなぁ~と思えることが、相手は立派な大人だと思うので腹が立つのです。

「忘れちゃったのね。これはこうするのよ」と教えてあげるしかないのですが、それも次には忘れてしまいます。

「何度言ったらわかるの?」は通じません。
なんど言われていても覚えていられないのです。

■認知症患者はプロにお任せする

老老介護と言う言葉があります。
お年寄り同士の夫婦で、相方が認知症になってしまい夫または妻が介護をするのです。

認知症患者は、身体的な病気がなければ普通に見えるので介護も楽そうに見えますが、幼児と一緒で目が離せないので、気が休まりません。

介護するほうは、精神的に追い込まれます。
これは、老人だけではなく親が認知症になっても同じです。

ディサービスのお迎えに行くと家人が、患者さんをどなっている光景を目にします。
「早くしなさい!お迎えが来てるでしょ!!」と言われるとこっちが恐縮します。

年寄りは認知症でなくても早く動けません。
逆に、高速で動くおばぁさんがいたら怖いで
す💦

私たちは、体に重りをつけて動く実習をします。
その状態で階段を上るのは相当苦労しました。

お年寄りの体はその状態なのです。
早く動けと言うのなら、動くお手伝いをしましょうよーと思いました。

介護の経験のない人が、認知症の患者を一人で看るのはとても大変です。

ディサービスを利用すると、お泊りディサービスと言うのがあります。
介護保険適用外ですが、家族が介護疲れでリフレッシュしたいときや、急な用事で夜間一人にできないときにディサービスの延長でお泊りができます。

費用は、3,000円~5,000円です。
別に食事代や介護度によって費用が変わりますが、このような制度を利用するのも一つの手立てです。

■老人ホームを利用しよう

家族を老人ホームに入れることを後ろめたいと考える人がいますが、私はそうは思いません。

私は、常々息子たちに認知症になったら老人ホームに入れてねと頼んでいます。

家族への負担以上に、その方が楽しいからです。
楽しいというのは、家で介護をしてもらうと初めは優しくしくれてもいずれギスギスしてくるのがわかっているからです。

老人ホームに、面会に来る家族はみんな笑顔です。
家族といがみ合うより、笑顔で面会に来てもらったほうがたのしいと思いませんか。

■まとめ


認知症はどのきっかけで発症するかわかりません。
母の場合は、私が引っ越すことになった寂しさから認知症が進みました。

もともと食が細かった母ですが、ますます食事を取らなくなりました。
ディサービスには、入浴と食事をメインに考えて通っていました。

私は一応プロですが、それでも母を24時間介護するのは無理だと思いました。

介護は一人で出来るものではありません。
無理をせず周りを頼りましょう。



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