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晩秋

揺れた木の葉 落ちる間際
とっさに伸ばした手で追いかけた
掴めなくて舞い上がった木枯らし
ふたり並んで眺めている

冷えた手と手 そっと繋いで
銀杏並木を静かに歩いた
目的ならたぶんなかった
ただ

君といる何気ない日々に目を凝らすと
不思議だね きれいなものばかり見えてくる

目の前の出来事に立ち止まることが増えた
こんなにも小さなことが
心を掴んで離さない
移り行く季節とか時代とか
繰り返し巡る思いの中
僕ら変わらずいられるかな

愛しているよ

確かなことはどこにもないよ
そんな遠くのことを考えても
そろそろ冬が来るんだねって笑うだけ

笑うだけで

目の前の出来事が特別だなんて思って
こんなにも小さなことに
心揺さぶられて動き出す
移り行く季節とか時代とか
とめどなく馳せる思いの中
僕ら少しずつ変わっていく

君がいて僕がいて 
それだけでよかったのに
欲張りな僕は
まだまだ足りない足りないと探してる
幸せを 愛していてよ
どんな景色も君の隣で見ていたいよ

愛しているよ


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