あじさい組になりたかった ひまわり組のわたし

朝からの雨。
緑道の紫陽花も雨を受けてきれいだろうか、と
雨音と道路工事の音を家の中でぼんやり聞いてすごしている。


紫陽花が咲く季節になると、必ずよみがえる記憶がある。
どうでも良い話なのだけれど、思い出してはふっと笑ってしまう程度の自分だけの”おもいで話”をひとつ。

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幼稚園で私は「ひまわりぐみ」さんだった。
私が小さい頃は子供の数が多かった時代で、団地のほとんどの子が通う地元の幼稚園にはおなじ年長さんだけでも5~6クラスぐらいあったと思う。
それぞれに花の名前がついていた。

ばらぐみ、たんぽぽぐみ、ひまわりぐみ。
ゆり、あじさいにチューリップ。

ひまわりぐみのカラーはもちろん元気な黄色カラー。
黄色いつば帽子に黄色いスモック。
全員がお揃いを持たされる 斜め掛けのバックも黄色だったので、ひまわりぐみの私は全身が黄色のコーディネートになる。

向日葵の花が元気な時は勢いよく上をむいているのに、ある日突然ぐったりと下を向いて茶色くなり、種のところがグサグサとなって倒れてくるのも子供ながらに恐怖を感じていた。

そして、きいろ。。。。
実は、私はこの色があまり好きじゃなかった。6歳なりの理由で。


・すっぱくて 食べると口がいたくなる パイナップルと同じ色。
・キャンディが黄色い髪をしてる。※
・話はよくわからないけど、キャンディはいつもドジばっかりしている

※はキャンディキャンディ(時代!)の事。当時、テレビでやってました。

キャンディキャンディ、きっと嫌いだったのでしょうね。
自分の鼻の上に キャンディみたいな”そばかす”があるのも気にしていた6歳の頃。黄色がきらいだった記憶の断片がのぞく。

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ひまわりぐみは、共用のトイレを挟んであじさいぐみと繋がっていた。

あじさいぐみのカラーは鮮やかなむらさき色で、ゼリエースのぶどういろみたいで 透き通ったきれいな色に見えた。


あっちはいいな。。。
とにかく自分の黄色い姿がかわいい色とは思えなかった。あっちの(となりの)色になりたい。あじさいぐみになりたい。
あの色の帽子がかぶりたい。むらさきのスモックが、着たい!


そればかり願いながら、それでも毎日黄色を着るしか選択肢はありません。となりの紫いろが目に飛び込んでくれば、「いいなぁ」とため息をつく思えばアンニュイな気持ちで幼稚園にかよっていました。

親や先生、ともだちに言ったのかどうか。思いを訴えたりしたかまでは覚えていないけれど、あのむらさき色へのあこがれの気持ちは、毎年この紫陽花の季節になるといまだに蘇ってきます。そして ふふと思い出し笑いをしてしまう。
息子もとうにその年齢をこしたというのに。

自分の心の中だけで残っていて、ここで書いたりしなければこのまんまいつか私と一緒に消えてしまう、どうでもよい話のひとつ。
世界はそんなことばかりで満ちていますね。

現在、黄色は好きな色のベスト3に入っています。
これもまたどうでもいい話。

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