見出し画像

体の隅々まで熱い


 昨日のこと。

 朝からお天気が良くって、どう考えてもお出かけ日和ではないかと思っていたけれど、出かける予定もなく、午前中に済ませなければならない用事を終わらせた後、やっぱりあったかいし今日出かけないでいつ出かけるよ…と少しの間悶々とした結果、勢いをつけて出かけることにした。久々の本屋さん。

 その前の日、金曜日にワクチンの追加接種をしてもらっていて、副反応が出るだろうかと少し期待していたのだけれど全く出なかったので、何もないんだなあとちょっと残念がりつつ(ないに越したことはないんだけど)も運転していた。

 紀伊國屋では結構な数のお客さんが入っていた。賑やかな店内で、漫画コーナー、文芸コーナーともに複数人で本屋に来ている人たちが多く、あれがないこれがない、あっちにあったよ、これ面白そうじゃない?とさまざまな会話が飛び交っていた。

 本屋さんが活気付いているとこっちも嬉しくなってくるので、その勢いでぽんぽんと本を抜き取り、いつの間にか数冊を抱えていた。あと昨日気づいたのだけど私は結構心の声が漏れている。読みたい本が見つかって「よかった〜」とか、「あれ?どこだ?」とか、心の中で言っていいものがぽろぽろ溢れていた。
 
 昨日も「あーよかった〜」って声が出てしまって近くの知らない人に振り向かれてしまった。めっちゃ出てたな声。まあ仕方ないのよ、みんなの楽しそうな姿を見てこっちも楽しくなっちゃってるんだから。

 マスクがあってよかったなあこの半笑いの顔見られなくて済むからなあと思いがらレジへ行った。以前から読みたいと思っていた本ばかりを選んだので、読むのが楽しみすぎる。

お迎えした本は、
・春のこわいもの 川上未映子
・革命前夜 須賀しのぶ
・あのひとは蜘蛛を潰せない 綾瀬まる
・臆病な詩人、街へ出る 文月悠光

そして帰りに寄ったブックオフで
・たんぽるぽる 雪舟えま

をお迎えした。
 読みたい本を事前にチェックしていたので、いつもよりはスムーズかつスマートに本屋で過ごした。もっといたかったけれど、お客さんも結構多かったので、長居はできなかったな。

 たんぽるぽるは同じブックオフの詩集・歌集コーナーで一際黄色い背表紙が目についていたけれどなかなかお迎えには至らずにいた。
だけど、昨日の春の陽気さにたんぽぽを連想して、そのあとそういやたんぽるぽる、まだ残ってるかなあ、残ってたら絶対お迎えしようかな、と半ば賭けの気持ちで見に行ったら、変わらずそこにいてくれたので迷わず抜き取った。

 初めて見つけた日からずっとそこにあって、結局私がお迎えしたのだから、この歌集は初めからずっと私の手元に来るためにそこにいたのだな、という解釈をした。結果論だけれど。

 そうして夜、お風呂を済ませて一息ついた時にお酒を飲みたくなって一本だけ酎ハイを飲んだら、すごく酔っ払って、一気に体が重だるくなった。一本で酔うなどないに等しいことなので、なんでだろう?本屋さんで舞い上がって疲れてしまったのだろうか?と考えたが、これはもしかしたら副反応というものでは?と思い、早めに布団に入った。でも結局なかなか寝付けなくて、23時ごろにやっと目を閉じたと思うが、その後体が熱くて目がさめた。深夜2時だった。

おおおこれは…熱だ…発熱だ…!とすぐ察した。体温計で測ると38度4分だった。これが副反応か…と冷静に受け止め、体の熱に集中する。頭のてっぺんから足先まで熱を発していて、まるでこたつだ…私はこたつになっているんだ…弱も中も設定できない強しかないやつだ…、と訳のわからないことを思っていた。熱いだけで他に何も苦しさはないし、朦朧とすることもなく、どちらかというと元気な感じだった(久々の高熱体験でテンションが高くなっていた)
額にはった熱さまシートが熱を吸収してくれていることなんかをじっと感じ取っているうちに眠っていた。
朝になったらケロッとしていて、寝汗が出ていたわけでもなくサラッとしていたので、昨夜の熱は夢だったのだろうか?と考えてしまうほどだった。
そうして私の副反応体験はあっさり終わったのだった。


 今日は日曜日。日中は読書をして、もう少ししたら短歌を作ろう。締切は23日だけど、ちゃんと作りたいから今回もギリギリまで粘ろうと思う。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?