見出し画像

半径2メートル以内の偶然


 昨日、日記を寝ながら書いていて、書ききった後、一瞬意識が飛んでいたみたいで更新ボタンを押せていなくて、ハッとなって更新したんだけど、それが深夜2時を過ぎていたらしかった。何時だったかも覚えていないし記事タイトルも覚えていなくて、確認したら『落ちるまで起きている』って書いてて、いやその通りですし、なんならしっかり落ちてたんだよ自分、ってセルフツッコミを入れた朝。極限の眠気と戦っていたらしい。珍しいこともあるもので。

 今日は友人と久々にカフェへ行った。パンケーキが美味しいお店で、お店に着くまでは甘いパンケーキを食べようと考えていたのだけど、いざ実際にメニューを開くと、甘いものよりもごはん系のものが美味しそうに思えてきて、結局、サラダとカレーとヨーグルトがついていて、パンケーキには目玉焼きがのっているものにした。カレーとパンケーキの相性が未知数で、どうなるのだろうと考えながらも口に運ぶと、パンケーキの控えめな甘さと、ほどよくフルーティに味付けされているカレースパイスの相性はとても良く、(ジャンキーになる気がしたけどそうでもなかったことも含め)初めて経験する甘じょっぱさで、黙々と口に運んでいるとあっという間に完食してしまった。大きさもどちらかというと小さめで厚みも控えめ、まったく飽きの来ないパンケーキ。甘いものも食べきれそうだなと思った。また行きたい。

 その後移動して適当なお店でぶらぶらと歩き、買い物したりしなかったりで、思いつくままにうろついていたら、知らない男性が「ゆうき、ゆうき、」って言いながら私たちの横を通り過ぎ、後ろにいた見知らぬゆうきちゃんを呼び止めていたのだけど、実は私もゆうきだし、なんなら友人もゆうきで、今、この半径2メートルのなかにゆうき(女)が3人もいるってすごくない?なんて言いながら歩いてった。そもそも同じ名前同士で遊んでいるのもなかなか珍しいとは思うけれど、そんなささやかな偶然のなかで私たちは当たり前に生きているのか、結構、普通に、ワンダーな世界だなあとぼんやり思った。

 久々に本屋に行くと海外文学の棚が思いのほか充実していて、読みたい本ばかりあって、ざっと見積もっても2万円以上出さないといけないのだけど、そんなことできないと思いつつも、確実に読みたい本はあって、ああ、どうしよう、何を削ればいいのです、衣食住のうち、衣と食は削ればいいですか、実はもう削ってるので後はなんでしょうか、もっと削りましょうか、シルバニアでしょうか。来月の私はどうするのでしょうか。なんてぶつぶつ、頭の中で言っているうちに興奮はおさまって冷静さを取り戻した。やっぱり本はいい。みてるだけでも楽しい。読んだらもっともっと楽しい。来月を楽しみに生きる。いや、来月になったからって臨時収入があるわけではないのだけどね。

 価値がない創作を続けているような気がしてしまう夜、思い出すのは稚拙な歌でも好きと言ってくれる人たちの言葉。大事にしたい。これからも。


画像1


 生きていきましょう、いくつもの偶然の重なりの中で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?