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嫌いになってしまうのかな

付き合っていたころから理解できなかった部分が別れてから余計に顕著になった気がする。


最後に聞いた俺はもっと頼りたかったんだよ、なのに私が傷ついたり落ち込んでいるのを心配して何も言えなかった、と言う言葉は、君のせいなんだよ、と遠回しに言われている気がした。被害妄想なのかもしれないのもわかる。

私はその、何も言わない、言えない君に対して、どんどん不安になってた、苦しかったのに。何もないわけないのに、聞いても何も口にしなかった。だから、君と一緒にいたかったけど、どうしたらうまく行くのかわからなかった。不安の方が、大きかった。

私から毎回話し合いを持ちかけることも、その話し合いから逃げて、何も解決しない君と向き合う気力も、だんだん底を尽きて、愛想も尽きて、ただ無駄にイライラする回数が増えた。

終わりかもしれないと何度も思った。別れなきゃいけない、このままじゃ幸せにならない、って気持ちもあった。私は弱いから、別れようって言えなかった。言いたくなかった。傷つけることも、失うことも怖かった。だらだら続く日々に、嫌なところはしょうがないんだと思いこませ、なるべく幸せを見つけて、それで十分だと思っていた。でも、会っているあの瞬間は、本気で幸せだったことに嘘はない。

きっと私の心は相当狭かった、余裕もなかった。君に窮屈な思いをさせてしまっていたと思う。

でも、束縛と思われてただろう君がある女友達とのグループと遊ぶのが嫌だったのは、悪口を言われていることがわかっていたからだし、わざわざそれを、伝えてきたのは君じゃんか。それで、束縛と言われても、私のサークルは行きづらい状況、価値観の違いのために我慢したお酒(道を踏み外さず済んだことはとっても感謝してるし、自分で決めたことだけど)は束縛じゃないの?

そういうとこ、うまくすり合わせたかった。私も価値観を理解できなくて、一度だけ約束を破ってしまっているから、信頼してもらえないのは当たり前なのかもしれないけど。

最後のほうは、時間を気にしながら友達とご飯を食べたり、帰ってこない返信にわざわざ今から帰るね、何時に着くよ、というのはもう正直面倒くさかった。

交友関係は確かに君より多くてストレスをかけたかも知らないけど、それ以上に気持ちも時間もお金も、楽しみも、君に勝るものはなかったのにな。私がデートの日の前日、いつもよりスキンケアを丁寧にしたり、どれだけ服を悩むのか、当日どれほどメイクを念入りにするのか、髪の毛を上手く巻こうとするのか、知ってた?

君と会うのを楽しみに日々生きていたこと、知ってた?私も言葉足らずだったのかな、、、

それすらも君にとっては、俺のことを想ってくれてない、と解釈されてしまったのだから、どうにもならない。

私は君の一方的な(別れなよって言われるような自分だけの意見)愚痴を他の人に、ましてや共通の友達に言ったことはないし、他の男の子とくっついたり、2人で行動したり、君が見てうわぁ、やだな、って思うようなことは、自分も嫌だなって思うだろうから一切してない。いつ見られてても健全でいた自信がある。うまく行ってなくても、男友達にはうまくいってる、私は彼が好きだって言い切ってた。


そしてたぶん、私の中で1番大きくすれ違ったのは、将来への意識。

色んな人に感化されて、変わっていく君を見て、無意識に今の君を支えたいって気持ちが薄くなってた。頼って欲しいけど、素直に応援できない自分がいた。

私はやりたい事が決まってた。そのための勉強もしてた。大学に大金を払っているのだから、それで十分だと思ったし、できるなら今は学生らしく遊びたかった。もし自分がやりたいものが見つかったら、インターンなどをしようと思ってた。趣味に全力で打ち込めるのは今だけだと思っていたから、サークル活動に力を入れていた。

もちろん、逆算していつから本格的に就活に対して準備を始めるかも考えていた。私は高校の頃からこう言う人間だった。

でも彼はインターンやバイト先でコアメンをやることで、やりたいことを見つけたいと思い、先にいろんなことに取り組んでいた。君らしいなと思ったし、最初は本当に応援してた。

受験期は頑張っていたのに、kurageは遊んでばっかりだ、なんてことを言われたその日から、どこか私は君に見下されてる気がしてた。ずっと劣等感だった。頑張ろうと思ったし、サークルなんかよりもっと将来につながることしなきゃって焦った。

私もやることはやってるんだよ、って、伝えたかった。

でも、そうしてたら今度は自分の話しかしないよねって言われた。そうですか、、、。って感じだった。私は数ヶ月前まで同じことを彼に思ってた。この一言でやっぱりどこか、彼は自分の方が上だと思ってるんだな、と思った。

頑張ってる基準とか、頑張る目標は、人それぞれだし、人それぞれ頑張って日々生きてるのに。そりゃ怠けてる人もいるけどさ。

彼が頑張ってることは分かっていて、応援しようとしてたけど正直オーバーワークだと思った。締め切りギリギリ、下手すれば過ぎてる、みたいなのを見てて、それで何を得ているのだろう、と、とっても疑問だった。君にはまだ素敵な部分がたくさんあるのに、それじゃただ潰れちゃうだけと思った。怖かった。

やりたいことに対してギリギリになったり期日すぎるくらいなら、私と会う時間を削って、そう言う勉強や、お仕事に専念したほうがいいんじゃないかと思ったし、君がしたいならそうして欲しかった。ちゃんと頑張ってる君を、応援したかった。だから会う頻度減らす提案もした。けど君は、会える時に会えばいいんじゃん、しか言わなかった。絶対にキャパオーバーなのに、どうしたいのか、わからなかった。

責任感がない人を見ると、どうしても、私の中の負の感情が出てきてしまう。周りの人に甘えるのもいいかもしれない、学生だから許されるかもしれない、学生だからこそ今やってることはすごいのかもしれないけど、君は何のためにそれをやってるの?就活じゃなくて、君の人生の中の、何になってるの?優先順位が高くて大切なことならちゃんとやり遂げて欲しい。なんて、変わっていくことに耐えきれないで、心の狭いことを思ったりもした。

きっと、理由なんかいらないじゃんとか、俺だってちゃんと考えがある、やりたいことあるんだよって、ちょっと不貞腐れながら言うんだろうな。

そう言うところが嫌いだった。

でも結局は、そのせいで私が彼のやりたいことを邪魔してしまったのかもしれない。君に君らしく生きて欲しかったのに、それを私が、邪魔していたのかもしれない。

私は平凡な人間だから、君のその一歩進んだ行動を理解できなかった。私だけ置いていかれる気がした、知らない君になっちゃう気がした、もっとくだらないことで笑ってたかった、私の心が狭かった。でも、君の心の拠り所でいたかった。忙しくなるから会えないって言われたくらいで好きじゃなくなるような半端な気持ちじゃなかった。

君も、私の交友関係を理解できなかった。私が他の楽しいことに時間を使うことに対して、自分は愛されていると言う自信が薄くなっていったから。自分も遊びたいのに頑張ってること、君よりずっと早くハタチになってお酒が飲めるようになってしまったこと、君も私が変わることに耐えられなかったんだと思う。

振り返ってみても、わからないことだらけだ。こんなのも全部憶測でしかない。もしこれを彼が読んでいたとして、違うのに、と思うかもしれない。

でも、彼の、インターンやってますとか、イベントやりますとかをみて、そう言う人じゃなかったなぁ、と何となく寂しい気持ちになる。決して悪いと思うわけじゃないけど、話してみて、実はやってたんだよね、のタイプだった、ような気がして、私の中ではそう言う彼が好きだった。

そういうのを、影で、直向きに、全力で頑張ってる君が好きだった。一生慎ましく生きて欲しいとかそう言うことじゃない、でも彼の良さが変わった気がする、知らない人になったように、ただそれだけ。


好きなことを全力でやってる君が好きだった。

ギター弾いてる君が、歌ってる君が、ドラムの方を向いてくれる君が、好きだった。

音楽について話している時の無邪気な笑顔が好きだった。

ライブ終わった後とか、旅行の時の異様に高いテンションが好きだった。

心から尊敬できるほど、人知れず努力してる君が好きだった。

お互い辛くなると頼れて、頼ってくれる、等身大の君が好きだった。

背伸びして無理に頑張る君は、楽しそうではあったけど本当に君のやりたいことをやってるのか、わからなかった。

今、友達のストーリーでみる君も、私の前だったからじゃない、時が進んで大人になったからか、何でか昔のような、君じゃない。何かが違う。

俺は頑張ってる、俺ばかりkurageを愛してる、俺ばかり尽くしてる、って言う君が、本当に嫌いだった。

私だって。そう言いかけて何度もやめた。

私を頑張ってないと言うのは、私の周りの人間の中で君だけだった。

周りの友達は、kurageは大学の学科もやりたいことに繋がるし、勉強ちゃんとしてるし、早いうちから色んなこと調べててすごいね!って言ってくれた。サークルも頑張ってるもんねって。役職にもついてた。

そして、自分の方が、と思ってる君をだんだん尊敬できなくなった。

自己評価と自己顕示、承認欲求まみれになった君が嫌いだった。

でも、ちゃんと、最後まで好きだった。

そのまんまのときの君が好きだった。

どれも君なんだけど、さ。

でも、そうさせてしまった自分が、自分の方がと思わせた自分が、尊敬できるような人間になれなかった自分が、1番嫌いだった。

彼女として、1番君を好きだった自信だけはあったのに。これからも、君を1番好きだったのは私だ。

でも、それも信じてもらえなかったね。

こんなことを思い返して、どんどん嫌いになっちゃうのかな。

君に会いたいんじゃない、昔の君に会いたい。


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