ゾンビの行進
夕凪にて
憂いの静けさに煽られて
醜い顔が浮きあがってくる
時間はいっとき止まり
陽射しは精神に黒い影をおとす
思いあぐねている
変えられぬ性分について
<殺したはずの自分が蘇ってくる>
朧月にて
こんなに人がいるのに皆無言
ひとりぼっちの呼吸が潜むように
卑屈な胸に木霊する
湧き出る感情をしらみ潰していく
劣等感が膨れ上がり心身ともに縮こまる
環境に適応していくということは
こういうことか
そうやって殺してきた感情が
半殺しの状態で呻き続け
<ゾンビとして現れてくる>
黄泉にて
知らぬ間に悪魔の相貌
この皮を剥がし屍は殻を捨て蘇る
心の中で知らぬ間に
蘇生手術をしていたようだ
ゾンビの自分を受け止めたら
楽しくなるかもしれない
身体は自然に動く
心の揺れは心地良いビート
<ゾンビのダンスで行進せよ>
楽しいフリして踊り狂えば
あれよあれよと似たもの集まり
ありふれた街をゾンビ達は行進する
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