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まもうさ小説

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原作、旧作、Crystal(Eternal、Cosmos)、ミュージカル全媒体のまもうさ中心(エンセレ、タキムン、まもうさちび、キンクイ、キンクイレディ、遠うさ、月影うさ、セーラ…
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2023年9月の記事一覧

セラムン二次創作小説『君と月見と(エンセレ)』

side セレニティ

今日は珍しくエンディミオンから夜に会おうと言われていた。

いつもは明るい時間に会う約束をしていて、夜に会う事は滅多にない事だったから凄く驚いた。

稀に公務で遅くなってしまって夜が更けることがあったりはしたけれど、夜に会う約束は今日が初めてだった。

理由を聞いても笑顔で「来れば分かるよ」の一点張りで全然教えてくれなくて、「エンディミオンのいじわるー」なんてふくれっ面で怒

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セラムン二次創作小説『月を見つめる(まもうさ)』

「まもちゃん、月が綺麗だね♪」

月見団子とススキを持って学校帰りに俺の家に来たうさは、一目散にベランダへと向かった。

かつて今よりもずっと長い時間過ごした前世の故郷を見上げ、うっとりとしていた。

「ああ、そうだな」

「って、さっきから全然月見てないじゃない!私の事ばっか見て……」

そう、俺は月を見ず、うさをずっと見つめていた。

「見てるよ、月」

「見てないよ?私は月じゃないもん!」

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セラムン二次創作小説『永遠花火(旧作まもうさ)

うさぎは衛と花火大会に来ていた。所謂デート。と言いたいところだが、残念ながら二人は別れた状態の為、そんな楽しいものでは無いのだ。

「来て、くれないかと思った」

誘ったのはうさぎである。単純に衛と花火を見たかった。

「お前が言ったんだろ?一緒に来てくれたらもう付きまとわないと」

だから仕方なく来たのだと衛は素っ気なく言い放った。

うさぎは、自分で言ったもののその言葉が深く心に突き刺さる。

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セラムン二次創作小説『まるで妖精のような(まもうさ)』

「まもちゃん、見て見てぇ~♪」
ある日大学から帰ってくると衛のマンションにうさぎが一足先に来ていた。
そしてその姿を見て衛は驚きで固まってしまった。

「う、うさ、その格好は一体……」
衛が驚くのも無理は無い。
うさぎが着ていたのはレオタードで、露出度が高い。
しかも普通のレオタードでは無く、いつものセーラー服風の戦闘服がデザインされていた。
胸には大きなリボンが描かれていて腰はミニスカートを彷彿

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セラムン二次創作小説『愛称(旧作まもうさ)』

「衛さん」

正式に付き合い始めて2ヶ月余り経ったある日の事、いつもの様にうさぎとデートをしていた。

あの日以来俺たちはお互い暇さえあればデートを重ね、愛を育んでいた。それこそ他のセーラー戦士達に冷やかされ羨ましがられるほどにラブラブ街道を進んでいた。

ただ1つ変わらない事があるとすれば、今も呼び方がよそよそしいって事かな?

「その呼び方、他人行儀で嫌だな」

そう言う自分もうさぎ呼びのまま

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セラムン二次創作小説『二人のクリスタル(まもうさ)』

「まもちゃん、ゴールデンクリスタルが現れて良かったね!」

「ああ、うさの言ってた通り俺の体の中にちゃんとあったよ」

最後の最後まで現れず、ピンチを極めて焦ったが、然るべきタイミングで現れ、うさぎ達のサポートが出来たことに衛はとてもホッとした。

あの時はとても眩い光を放ち、強い力を発揮していたゴールデンクリスタルだが、今は落ち着きを取り戻したのか光っていない。

ずっと自分には何の力も無く、う

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セラムン二次創作小説『君にはかなわない(キンクイ)』

「無事、デス・ファントムを倒したようだね」

役目を終え、キングの元へと戻ってきたクイーンを見て安堵する。

30世紀に再び平和が訪れ、キングはホッとした。

「ええ、3人なら必ずネメシスを打ち破ると信じていたわ」

「昔の君はとても強くて無敵の戦士だったからな。勿論、今も強いけど」

「まぁ、エンディミオンったら褒め上手ね。あなただって強いわ。私はあなたがいなければ、ここまで頑張れなかったもの」

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セラムン二次創作小説『いつものバスで(まもうさ)』

最近、“魔の6時のバス”と言う噂を良く耳にするようになる。
勿論俺は信じてなどいない。
ただ、タキシード仮面として警察の手に追えない事件と遭遇する事が多くなっている。
正義の戦士って奴も現れたし。
関係ないとはいい切れないし、放ってもおけない。
バス通学している事もあって噂とは別に気になる。
幻の銀水晶関連の事件だとするとなおのこと。

そんな事を思いながらもいつもの時間のバスに乗る。
変な噂のせ

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セラムン二次創作小説『願い(まもうさ)』

「あの子は今、元気かしら?」

満月の夜、窓から月を見ていると我らがプリンセスを思い出し、懐かしくなる。

本来ならばタリスマンである手鏡で様子を見れば一目瞭然なのだけど、今は手元にはない。

小さなプリンセスにまた会う為の約束の印として渡してしまったから。

戦士として目覚めてからずっと、その時の為にと大切に持っていたから無い事が不思議な気分。

いつも手鏡を見ていたから、無いと手持ち無沙汰ね。

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セラムン二次創作小説『愛の言葉の一つでも(遠うさ)』

君の事が分からない。

分かっていたのに分からなくなってしまった。

いや、分かっていると思っていただけだったのかもしれない。

君の好きな男の容姿や声で近づけばすぐにでも落とせる、堕ちてくれると思っていた。

でも君はいくら暗示をかけようとも、口説き落とそうとも全く落ちてはくれない。

“月の王国シルバーミレニアムのプリンセスを抹殺し、「幻の銀水晶」を奪って来るのだ”

クインベリルの命令の下、

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セラムン二次創作小説『I LOVE YOU(旧作まもうさ)』

「月が綺麗だな、うさこ」

「本当だね、まもちゃん」

「うさこは可愛いな♪」

「やだ、もう!まもちゃんったら!」

俺は、自宅のベランダでうさこと月見をしていた。

夏目漱石の言葉を引用してうさこに愛の言葉を伝えたのだが。やはりうさこには伝わらなかったようだ。

月を守護に持つ戦士の宿命を背負って生まれてきたうさこ。こんなに最高な愛の告白は無いと思ったのだけど、無知な彼女には伝わらなくて。良か

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