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クン美奈小説

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前世、現世、未来のクン美奈の話をまとめて置いていきます
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2023年9月の記事一覧

セラムン二次創作小説『サシ飲み(クン美奈)』

ある日の夜、公斗は西麻布の雰囲気の良いバーである人物を待っていた。

前世からの美奈子の側近である猫のアルテミスだ。

と言っても猫の姿のアルテミスと店では話す事は出来ないため、自由自在に人間化出来る身体を活かしてバーに来るよう伝えていた。

呼び出したのは他でも無い、公斗本人だ。

そして呼び出したのにはちゃんとした理由がある。

話しておきたい大切な事があったからだ。

どうしても話さないとい

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セラムン二次創作小説『不意打ち(クンヴィ)』

今日もいつもの様にプリンセスの護衛で地球に来ていた。

そしていつもの様に護衛が一緒だったクンツァイトと遠くでお2人を見守っていた。

空が曇ってきて雨が降りそうと言いながら屋根のある所に移動していると降り出してきた。

月には天候の概念が全くなく、最初は空から水や涙が落ちてきたんだと思って驚いた。

それでも何度か経験していくうちにすっかり当たり前になって来た。

それどころか地球は天候に左右さ

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セラムン二次創作小説『パンデミック(クン美奈)』

「やっほー公斗元気~?」

ワイドショーを流しつつ勉強をしていたら美奈子からテレビ電話がかかってきた。

取るやいなや、はいも言わせて貰えず元気な声で挨拶してくる彼女に呆れつつも笑顔を見てホッとする。

「別に昨日と変わらずだが?」

毎日互いにテレビ電話をするのが最近の日課になっていた。

会えるなら会いたいが、そうはいかない世の中になったから苦肉の策だ。

そう、今世界は未知の新型コロナウイル

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セラムン二次創作小説『秘密の心(クンヴィ)』

しまった、またやられた。

気が付くといつの間にかプリンセスの姿が消えていた。

注意深く監視していたつもりだったけど、また私達の目を盗んで消えてしまった。

ここの所、もう何度も繰り返されている行動だから予想出来たはずなのにまた先を越されてしまった。

行先は勿論分かってる。地球だ。

王子エンディミオンに会いに行ったのだ。

今回ももう一人で行ってしまったのだと諦めていたけど、根気強く宮殿の中

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セラムン二次創作小説『クンツァイト様は笑わない(クンヴィ)

『あのクンツァイト様が笑っていた』

その噂は瞬く間に王宮内外に関わらず、クンツァイトをよく知る者達に広まっていった。

誰もがその噂に驚き、どよめいた。信じ難い事実であったからだ。

クンツァイトと言えば、所謂ポーカーフェイス。

王子エンディミオンの側近である四天王のリーダーであるが故に真面目。決して顔を崩さず、眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。

いつ見ても同じ顔なので、近しくは無い周りの

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セラムン二次創作小説『青春を取り戻せ!(クン美奈)』

梅雨が明け、真夏の太陽が容赦なく照りつけ始めたこの日、公斗は都内の高校へ来ていた。目的は、美奈子の最後の部活の大会を見るためだ。

美奈子から突然見に来るように言われ、渋々来たので気が重い。試合が行われる体育館の前まで来たが、入るのがはばかられて中々進まず立ち往生していた。

周りを見ると私服とは言え、まだ若そうな高校生が多く、公斗はやはり場違い感が半端ないと心の中でため息を着いた。

「来なけれ

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