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UXってなに?UXデザインの教科書読んでまとめてみた📝

アオです。

今回は、「UXデザインの教科書」を読んで、「UX」と「UXデザイン」についてまとめてみました。



UXとは?UXデザインとは?

まず、「UX」って何なのか?

「UX」とは、ユーザーエクスペリエンスのことで(User eXperience を略してUX)
日本語では"ユーザー体験"と訳されますが、そのまま"使う人の体験"ということです。

例えば、私たちが製品やサービスを使用したときに感じる「うれしい😆」とか「がっかりした😢」といった感情はUXといえます。

では、「UXデザイン」とは何かというと、

ユーザーが「うれしいと感じる体験」となるように、製品やサービスを企画の段階から理想のユーザー体験(UX)を目標にしてデザインしていく取り組みとその方法論を「 UXデザイン」と呼ぶようです。

つまり、
「UXデザイン」は、ユーザー体験を作るための手段であり、「UX」は、その結果や体験そのものということです。

UXデザインが必要とされる理由

UXデザインはなぜ必要とされるのか。

利用者であるユーザーにとって、できなかったことができるようになったり、より便利になることは「うれしい体験」です。

主に提供する側の企業にとって、ユーザーが使ってうれしい製品やサービスは、ユーザー満足度が高いため、利用者が増えることによりビジネス的な目標を達成することにつながります。

UXデザインは、ユーザーにとっても、作り手である企業にとっても、ともにうれしいデザインを実現するためのものといえます。

UXデザインの要素と関係性

UXデザインが大事ということはわかったけど、それを実践するためにはどうすればいいのか。

下図はUXデザインを取り巻く要素とその関係性を示した図になります。

UXデザインの要素と関係性 引用

真ん中のUXデザインに向かっている7つの矢印が、UXデザインを実践するために必要な情報で、外に向かっている4つの矢印がUXデザインを完成させるための成果物にあたります。

UXデザインのプロセス

UXデザインの要素とその関係性の図をプロセス化したものが下の図です。

UXデザインのプロセス 引用

※これはあくまでも理想的なプロセスでデザイン対象の製品やサービスの種類あるいはプロジェクトの目的によって、プロセスの変更は必要とあります。

7つのプロセスの詳細と中心的なデザイン手法

UXデザインのプロセスを実践するための手法が以下になります。

1.利用文脈とユーザー体験の把握

この段階では主に、ユーザーの行動観察やインタビューなど、利用文脈とそこでのユーザー体験を把握する調査を行います。

ユーザーの実態を調査によって把握するため、
「ユーザー調査(User reserch)」と呼ばれています。

◉目的
・理想のユーザー体験の手がかりを得るために、対象となるユーザーの行為(どんな時にどう使うのかなど)を調査によって把握する。

・ユーザーの体験価値や本質的ニーズ(どんなことが大事で本当に必要としていること)を理解するために、人々の文化的・心理的な背景まで含んだ情報を収集する。

◉中心的な調査方法

◎エスノグラフィ
対象の行為が行われている現場をたずねてフィールドワーク(観察やインタビューなど)を行い、ユーザーの利用文脈とユーザー体験を把握する調査のこと。

◎観察法
人々の行動やその環境、出来事などを調査者自身が見聞きすることで、情報を得る方法。ユーザー参加による評価などでも活用される。観察法はエスノグラフィでも用いられる。

◎コンテクスチュアル・インクワイアリー(文脈的調査)
調査者がユーザーの現場におもむき、ユーザーの行動を観察しながら、その文脈に応じてインタビューを行い、ユーザーの行動の背後にある考えや仕組みを明らかにする方法。コンテクスチュアル・インクワイアリーもエスノグラフィで用いられる。

2.ユーザー体験のモデル化と体験価値の探索

この段階は、①で実施したユーザー調査の結果を分析することから始めます。分析により、ユーザーの体験価値や本質的なニーズの仮説を導出し、何をデザインすべきかの手がかりを得たうえで、デザインが実現すべき体験価値の候補を検討します。

◉目的
・ユーザー調査の結果から、発見的・探索的にユーザー体験価値や本質的なニーズの仮説を導出し、デザインが実現すべき体験価値を探索する。

・この後のデザインプロセスをユーザー中心に円滑に進められるよう、ユーザーモデルを作成する。

◉ユーザーモデリング
ユーザー調査に基づいたUXデザインを実践するためには、ユーザー調査で得た情報からユーザーモデリングを行います。

UXデザインのためには、調査で得られた利用文脈やユーザー体験に関するデータを、「属性層」「行為層」「価値層」の3つの階層に分けてモデリングします。

ユーザーモデルの3階層 引用

3つの階層に分けてモデリングすることを前提とすれば、ユーザー調査で適した手法を検討しやすくなります。ユーザー調査の手法には、それぞれが把握できる情報に特性があるからです。

属性層
・ユーザー調査の手法
⇨アンケート
⇨インタビュー
・ユーザーモデリング手法
ペルソナ法

行為層
・ユーザー調査の手法

⇨エスノグラフィ
⇨コンテクスチュアル・インクワイアリー
⇨行動観察
・ユーザーモデリング手法
ジャーニーマップ(現状モデル)
⇨問題シナリオ
⇨ワークモデルの分析

価値層
・ユーザー調査の手法

⇨デプスインタビュー
⇨フォトエッセイ
・ユーザーモデリング手法
上位・下位関係分析
⇨KA法(価値分析法)

ユーザーモデルの3階層は、ユーザー調査からUXデザインにつなげるために必要なユーザーモデルとして、それぞれの階層の情報が必要であるため、「ペルソナ」「ジャーニーマップ」「KA法による価値マップ」の作成することをまず目標にします。

◎ペルソナ法
典型的な個人のユーザー像を導出するユーザーモデリングの手法。ユーザーのゴールが明確になることで、ゴールを達成するためにどうすればよいか検討することができる。また、製品開発に関わる関係者に具体的なユーザー像を示し共通理解を得ることができる。

◎ジャーニーマップ
ユーザーが製品やサービスを使用する際の経験や感情のプロセスを可視化する手法。ユーザー体験の全体像を示すことで、改善ポイントを検討するのに役立つ。

◎KA法
ユーザーが求めている本質的ニーズや体験価値を導出するための手法。行為に基づいた体験価値の構造を探索し、仮説的な価値構造からデザイン提案により実現すべき体験価値を発見する。

3.アイデアの発想とコンセプトの作成

この段階では、3階層に対応したユーザーモデルと実現すべき体験価値・本質的ニーズの探索の結果をふまえて、提案するUXデザインのコンセプトを作成します。

UXデザインのコンセプトは、「どのようなユーザー」の「どのような体験価値を感じてもらうようにした」、「どのような文脈で用いる」、「どんなものか」がわかるようにします。

◉目的
・実現すべき体験価値に基づいたユーザーの本質的ニーズを満たすアイデアを発想する。

・体験価値に基づいたアイデアとビジネスのエコシステムに基づいたアイデアとが、整合するような統合的なUXデザインのコンセプトを作成する。

◉体験価値に基づくアイデアを整理する中心的な手法

◎UXDコンセプトシート
UXデザインの一つのアイデアを整理して表現する手法。UXDコンセプトシートを使うことで、実現すべき体験価値を目標に定め、その体験価値を提案するアイデアで実現できるかを確認しながら整理できる。

◎構造化シナリオ法
アイデアを3つの階層ごとにシナリオを書き分けつつ詳細化することで、有効性と効率性、およびユーザーの満足度の高い製品やサービスを実現できるビジネス企画およびユーザー要求仕様を記述する手法。

4.実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化

この段階では、UXデザインのコンセプトを理想のUXとして表現し直しながら、アイデアを詳細化する作業を行います。

◉目的
・コンセプトの製品・サービスが、どのようなユーザー体験となるかを検討し、経済的な体験の様相を視覚的に表現する。

・ユーザーのモチベーション、利用環境を含む利用文脈、利用に対する反応を経時的に検討することで、製品・サービスの機能的な要件の概要を明らかにする。

◉理想的なUXを視覚化する中心的な手法

◎ストーリーボード
提案する製品やシステムがどのような状況や環境で使用されるのかを、時系列のストーリーで視覚的に示す手法。視覚化することで、評価と修正を行い目標とするUXの完成度と品質を高める。

5.プロトタイプの反復による製品・サービスの詳細化

この段階は、デザインの仕様を確定させる、デザインの中心的な作業であり、反復プロセスも最も機能させ、抽象的なコンセプトから具体的なデザインへとまとめ上げていきます。

◉目的
・ユーザー参加による評価を行い、開発するコンセプトを選定する。

・開発する製品・サービスを、ハードウェア・ソフトウェア・ヒューマンウェアをどのように組み合わせた構成で実現するかを検討し、デザイン対象物を明らかにする。

・理想のUXを目標にし、ユーザー視点の評価を組み込んだ反復的なデザイン過程により、開発する製品・サービスのデザイン仕様を明確化する。

◉進め方

プロセスの概要図 引用

◉評価の中心的な手法

◎コンセプトテスト(シナリオ共感度評価)
製品・サービスの企画のコンセプトを、言葉や絵、模型、ストーリーボードなどで表現し、そこで表現されたアイデアを想定ユーザーに提示し、受容性や利用意欲などの反応を把握するユーザー参加による評価の手法。テスト結果をもとに、コンセプトを修正したり、選定したりするための根拠となる情報を得る。

◎ユーザービリティテスト
ユーザーのタスクとそのゴールの達成に着目し、制作したプロトタイプが適切にタスクが達成できるかを実験的に行うユーザー参加による評価手法。捜査結果の分析からユーザビリティの度合いを測定する。

6.実装レベルの制作物によるユーザー体験の評価

この段階では、実装レベルの最終的なプロトタイプあるいは実装した試作品に対してユーザー参加による評価を行い、ユーザビリティ品質およびUXの実現度を確認します。

◉目的
・想定された利用文脈に基づいて、実装レベルの制作物に対してユーザー参加による評価を行う。
・ユーザビリティおよびUXに関する指標を定め、実装レベルのプロトタイプが目標とするUXを実現できているか検証し、デザイン作業を終了するかを判断する。


7.体験価値の伝達と保持のための指針の作成

この段階は、6つの段階とは異なり、製品・サービスの開発後の作業となります。

◉目的
・製品・サービス以外のユーザーとのタッチポイントを、体験価値および目標とするUXを尊重し一貫して計画・実施されるようデザイン指針を作成する。

・製品・サービスが提供された後、目標とするUXが適切に実現されているかをモニタリングするために長期的に利用実態を把握する基盤を整備する。

以上が、UXデザインの理想的なプロセスでした。
ただ、現実的にスケジュールや予算の都合からプロセス通り行うことが難しい場合は、

1.簡易な調査手法であっても必ずユーザーの利用文脈を把握すること。
2.必ずユーザーの参加による評価のタイミングを確保すること。
3.プロセス全体にわたって反復をいとわないこと。

この3つの点で留意が必要となるようです。
ユーザーを中心に据えたデザインを実践するためには、重要なことですね。

✍️まとめ

この本を基に実践したことをまとめれば良かったと反省しております。実践後にまた投稿します!
最後までお読みいただきありがとうございました😊


📕本の紹介〜

💡この本がおすすめの方
・経験の浅いデザイナーの方
・開発に関わるすべての方



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