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映画紹介vol.8「少林寺」若きジェット・リーと武術家達による武術映画の名作。

今回ご紹介する映画は

「少林寺」

1982年 香港

監督:チャン・シン・イエン

出演:リー・リンチェイ(現:ジェット・リー)、ユエ・ハイ、ティン・ナン、フー・チェン・チャイ

ハリウッドで「ジェット・リー」として活躍する前のリー・リンチェイ主演の大ヒット映画です。

公開当時まだ私は生まれていませんでしたが、母がリー・リンチェイ好きでテレビで放映されていたものを録画し良く見ていました。

おそらく当時6歳くらいだったと思いますが、武術のカッコ良さはもちろんのこと、初めて見る異国の文化が新鮮で、ヒロインのチャイナ服(夜の街のようなチャイナ服でなく普段着)が可愛くて、お絵かき帳に見よう見まねで描いていたのを覚えています。

出演者のほとんどが本物の武術家でスタント無しだったらしく、大人になった今見てもかなり見応えがあります。(演技力は置いといて笑)

話はテンポ良く単純ですが、中国の雄大な自然・隋朝時代の衣装・本物の武術家たちの拳法の美しさなどが相まってとても楽しく鑑賞できる作品です。(ツッコミどころも多いですが武術映画なのでそこは無視しましょう。)

〈あらすじ〉

《昔から少林に関する言い伝えはたくさんあり、この映画は少林拳法に関する壁画の一部から作られた。帝王を救った13人の僧侶たちの物語である》

中国・隋朝末期、鄭王・「王将軍」が暴政の限りを尽くしていた。

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主人公の青年「小虎」は、武術家の父と共に王将軍に捕らえられ、奴隷のように働かされていた。

ある日仲間と小虎を守るために王将軍に歯向かった小虎の父は、心臓を剣で突き刺され殺されてしまう。その場をなんとか逃れた小虎は少林寺に逃げ込み、かくまってもらうことに。

少林寺

リー

その少林寺には武術の達人級の兄弟子だちがたくさんいた。そしてその兄弟子たちの多くも王将軍に家族を殺されていた。

小虎に対して愛情深く接してくれるタン師匠も過去に王将軍に追われていたことがあり、妻亡き後、娘と共に少林寺に身を寄せた一人であった。

師匠

王将軍への復讐を誓い少林寺で武術の修行を始める小虎。

しかし王将軍への復讐の気持ちが強すぎる彼は、「少林拳」は本来殺すことが目的ではないと咎められ謹慎をくらってしまう。

そして謹慎をくらった勢いで、王将軍の元へ忍び込み暗殺しようとするが、そこには捕らわれの身となったタン師匠の娘「パイ」がいた。

パイ

暗殺には失敗するものの、パイを助け一緒に逃亡する。

(※パイを助けたことでパイの愛犬を丸焼きにして食べたことは帳消しになった模様。)

まだ王将軍を倒すには修行が足りないと反省して少林寺に戻った小虎は、更に修行にはげむことに。

(修行シーンの演舞はとても美しく必見)↓↓

夏(少林拳)

夏

秋(三節棍)

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冬(柳槍術)

冬

春(長刀術)

春

そんな修行中に、王将軍に追われる一人の男を見つけた小虎。

その男は、「李世民(のちの唐朝第2代皇帝)」であった。

李

兄弟子と師匠の協力もあり、少林寺の抜け道から李世民を逃がすことに成功するが、王将軍から少林寺は目をつけられてしまう。

さらに小虎が李世民を無事に目的地へ向かわせるためにイカダを用意していたところ、王将軍の部下達からの奇襲を受けてしまう。そんな小虎を助けるために兄弟子とタン師匠達は軍を皆殺しにする。(少林において殺生はいけないけど、悪を退治するのはいいらしい笑)

<少林寺 予告編>



<以下ネタバレ&結末>


それに激怒した王将軍は、少林寺の管長(一番偉い人)を焼き殺し、李世民と僧侶達の居場所を言わないと、少林寺も焼き殺すと暴挙にでる。

そこへ兄弟子とタン師匠たちの登場。

少林寺を守るため、王将軍勢との攻防が始まる。(※ここからラストまでは華麗なる武術を見るためだけの時間です)

敵の矢に討たれタン師匠は命を落としてしまったが、李世民が王将軍の城を攻め落とすことに成功し、それを聞いた王将軍は急いで城へと戻る。

いつの間にか加わった小虎と兄弟子・タン師匠の娘パイも王将軍を追う。

そしてとうとう王将軍を追いつめた小虎は、父が殺された方法と同じように剣で心臓を貫いた。ついに仇を討ったのだった。

そして李世民が国を統治し、少林寺にも平和が訪れた。

小虎はタン師匠の娘パイへの気持ちを押し殺し、本格的に仏門に入る。(僧侶は女性と関係を持ってはダメなため)

李世民は少林寺の僧たちへの褒美として、「紫の袈裟」「茶器一式」「領地」を与え、更に僧兵の養成も許した。このことは少林寺の石碑に、李世民の署名とともに今日まで寺に残っているとのこと。

そして最後、寺で少林拳法の修行を指揮する小虎の姿があった。

おわり

〈感想〉

この少林寺は演じ手に本当の武術家を使っているためか、派手なワイヤーアクションなどはほとんどなく、シンプルに極限まで鍛え上げられた武術を堪能できます。中でも主人公リー・リンチェイと兄弟子役フー・チェン・チャイの動きが凄いんです。

私はアクションやカンフー映画はあまり好んで見ないのですが、この少林寺は小さい頃見ていた名残もあってか、大人になって観ても面白いなと感じます。ちなみに酔拳を知ったのも、ジェッキー・チェンの映画ではなく、この映画でした。

少林寺シリーズは他に「少林寺2」「阿羅漢」という作品があり全部で三部作になっています。続編ではないものの、少林寺に出演している俳優さんがたくさん出ていて、これまたすごい武術がたくさん見れます。

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ちなみに王将軍役の俳優さん(ユー・チェンフイ)は、中国でとても高名な武術家らしいです。すごく悪役が似合うお顔ですが笑。

〈おまけ〉

ファッションがいちいち可愛いヒロイン(パイ)

ファッション2

紅一点だけに、衣裳もカラフル。ブルーの花柄ロングベスト×ワイドパンツの組み合わせとか今見てもお洒落。小さい頃の私はこれが着たくてたまらなかった笑。

もう約40年前の作品になりますが、まだ見てない方、カンフーに興味ない方にも是非見てもらいたい作品です。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

ではでは。



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