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憧れであり目標。童心に帰って心待ちにするスペシャルマッチ。

こんにちは、広報チームの松本です。

クラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」のリターンとして12月26日(日)にカシマスタジアムで開催を予定している「アカデミー×OBスペシャルマッチ」。レジェンドOBのみならず、アカデミー出身の現役選手も出場し、ファン・サポーターにとっては夢のメンバーがそろう特別な試合となります。

そして、心待ちにするのは出場する選手たちも一緒。今回はアカデミー育ちの土居聖真選手が語る、同じ下部組織かつ背番号8をつけてクラブをけん引した野沢拓也さんとのストーリーを紹介します。

2014年以来7年ぶりに、アントラーズアカデミーを象徴する2人が同じピッチに立ちます。

「野沢拓也2世」という期待

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野沢拓也2世ー。

当時高校生だった土居選手にとって、その呼び名は期待の裏返しでもありました。

「比較的早くから試合に絡むようになり、ユース出身で攻撃的な選手、プレースタイルは全く違うけど、気が付いたら新聞や雑誌で『野沢2世』と書かれるようになりました。監督やコーチからも言われていたし、トップに昇格するだけじゃなく活躍できるようにという意味での2世だと思っていたので、(野沢)拓さんの存在は強く意識していました」

アカデミーの先輩でもある野沢さんは、2000年にトップチーム昇格。2種登録時の17歳7ヶ月で出場したリーグ戦記録は、未だクラブ最年少の数字となり、2007~2009年はチームの柱としてリーグ3連覇に貢献しました。特に、抜群のテクニックと決定力は印象的で、難易度の高いボールを何事もないようにトラップし、勝負のかかった場面で何度もゴールを奪い、ピッチで格別の存在感を放っていました。

2011年、昇格した土居選手は憧れの存在とチームメートになりましたが、「ライバルとかそういう意識は全くなく、どうやってプレーを盗むか、習得するか、そればかり考えていました」。ゲーム形式の練習では、土居選手が走ると毎回絶妙なタイミングでボールが出てくる。いかにも簡単そうに、それでいて正確にボールを止めて、蹴る。当時は同じ攻撃的なポジションに本山雅志選手もおり、これまでサッカーを続けてきて味わったことのない感覚を覚えたと言います。

「上手い選手が集まって、阿吽の呼吸でサッカーをする。これが日本でトップのチームなんだ、と」

チームでサッカーをし、チームで勝つという感覚を教えてもらった

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ユース時代は絶対的な中心選手としてプレーし、土居選手は自分の調子の良し悪しがそのまま結果に表れることも多かったと振り返ります。

「高校までは、『自分が何とかしなきゃ』という思いが強くて。『引っ張らないと』『点を決めないと』って、いつも思っていました。それが、あれだけ上手い拓さんは当たり前のようにチームのために走り、周りを活かし、他の選手も同じ感覚でプレーしている。そりゃ、強いですよ。だから、自分もその中で試合に出るために何が必要か、拓さんと一緒にプレーできた時間は本当に勉強になりました」

土居選手が出場機会をつかみ始めたのは、プロ3年目の2013年。その年、野沢さんはヴィッセル神戸から復帰し、2人でピッチに立つ機会も増えました。

一緒にプレーして強烈に覚えていることが、その責任感の強さでした。

「自分でも今日は思い通りのプレーができなかったと思っていた時、拓さんは決まって、『ごめんな聖真、俺が良いパス出せなくて』って言うんです。そんなことは全くないのに。そういう感覚でプレーしているんだ、チームで戦っているんだって」

2015年、土居選手の背番号は「28」から「8」に変わりました。

「正直、プロに入るまでつけたこともなかったし、何の思い入れもなかった番号。それが、拓さんが8番をつけてたから意識し、自分が加入した年の新人には『20』に将来つけてほしい番号を足したというのも聞いていたから、8番をつけるために頑張って、一つのモチベーションにしていました」

プレーもそうだけど、純粋に会えることが嬉しい

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記事の冒頭に使った写真は2018年、AFCチャンピオンズリーグでオーストラリア遠征した際、現地でプレーしていた野沢さんがチームホテルを訪れた時に撮ったものです。

「拓さんはシャイなので、懐に入るまでは時間がかかって(笑)。でも一度距離が縮まると、ピッチ外でも本当に良くしてくれました。ご飯を食べたり、カラオケに行ったり、オフにはゴルフに行ったり。それでも、何人かで撮った写真はあっても、2人で撮ったものは珍しいかも」

2020年12月30日、野沢さんは現役引退を発表。しばらく連絡も取っていないため、今年12月26日のスペシャルマッチは、久しぶりの再会となります。

「自分が昇格した時は、拓さん以降、なかなかアカデミー出身でトップチームで活躍できる選手も少なかった。だから、『野沢2世』と言われる期待も分かっていたし、拓さんにアントラーズのサッカーを教えてもらいました」

2人が同じピッチに立てば、最後に一緒にプレーした2014年以来となります。土居選手は今年プロ11年目。ただ、チームの中心選手に成長しても、当時から抱く少年のような気持ちは変わりません。

「プレーできるのも楽しみだけど、それ以上にまた一緒にお喋りできることが嬉しくて(笑)。拓さんが、自分のサッカー観を作ってくれたし、選手としてたくさん悩みも聞いてもらいました。それこそ、試合前日は遠足を待つ子どものような、そんな気持ちでいると思います」

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【クラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」】
リターンとしてアカデミー×OBのスペシャルマッチが観戦できるクラウドファンディングプロジェクト「アントラーズの未来をみんなで」の寄付募集は、10月31日(日)まで。


ご興味ある方は、ぜひ、クラウドファンディングページをチェックしてください。それではまた次回のnoteで。


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