採用募集中！アントラーズのMD担当の仕事とは？
こんにちは、MDチームの根本です。今回は私から「MD（マーチャンダイザー）」の仕事内容についてお話ししたいと思います。
MDチームは、クラブにおける商品化全般に関わる仕事をしています。一般的に「グッズ担当」というイメージをお持ちの方が大半だと思いますが、スポーツビジネスおよびアントラーズにおけるMDの業務範囲はとても広いです。「商品企画」や「ブランディング」などはあくまでもMDにおける仕事の一つの側面でしかありません。そんなアントラーズのMDの仕事について、ここからより詳しく説明していきます。
MD担当の仕事
MD（商品化）事業は、チケット収益とともにクラブにとって非常に重要な収益源です。そして冒頭でお伝えした通り、アントラーズにおけるMDの業務範囲はとても広いです。具体的には、商品の企画開発から販売、ECを含む売上最大化施策の実行、売上管理、在庫管理を担当します。
商品化全般
〇クラブオリジナル
〇ユニフォームメーカー商品、ブランド・メーカーとのコラボ商品
〇社内及びパートナー用のノベルティ制作
〇Ｊリーグと共同管理の標章使用の商品取引先折衝
〇アイテム選定／デザイン監修／適正ロット・価格交渉MD全般管理：予算／告知／販売／売上／在庫
〇販路：オフィシャルショップ、マッチデースタジアム、オンラインストア、外部委託
〇PR連携、告知、キャンペーン、販売促進
一般的な商品化の流れは、以下のようなステップです。
MDチーム全体の定例ミーティングでアイデア出し
商品化対象決定
取引先業者選定（価格、納期などの見積り）
詳細の販売計画への落とし込み
業者との交渉→数量と仕入れ価格の確定
デザイン→修正作業→デザイン確定
サンプル作成
正式発注→納期確定
商品到着
商品撮影（着画、ブツ撮り）
商品情報および店頭POP作成
ECサイトへの商品登録/店舗販売開始
在庫管理と販売管理
2022シーズン、すでに発売したアイテムは約400種類！
2022年2月から9月の間に発売したアイテムは約400種類に上り、その全てにおいて上記1～13の流れを繰り返し行っています。「短納期」「ワイドレンジ」「小ロット」というフットボールクラブにおけるMDの特徴がまさに当てはまります。販売日から逆算して計画を立てるスケジューリング、利益と販売数に関わる売価設定、製品の質を担保するクオリティコントロールなど、アントラーズのMD担当が関わる工程は多岐にわたります。そうした一連の工程を、社内他部署のメンバー、副業メンバー、業務委託パートナースタッフ、取引先などと連携して進めています。
続いて、少し特徴的な商品化の例を紹介します。今季は各ホームゲームにおいて、季節、対戦相手、実績などを踏まえた『試合テーマ』をクラブ内で設定しています。その中で、クラブ初の試みとして実施した女性ターゲット施策『Dear Ladies』の第2回目実施（8月14日福岡戦）では、マッチデーイベントと連動したグッズを展開し、ご好評をいただきました。
『Dear Ladies』については、こちらのnoteでもご紹介しています！
企画はPRセクションの女性スタッフが中心となり、広報的視点も交えながら、外部イラストレーターの選出からビジュアルの製作、商品展開までを検討してもらいました。そしてMDチームとしてはメーカーの選定、デザインの監修、適正なロットと価格の設定、販売方法の検討という部分を担当することとなりました。
商品企画を形にするためには、アイデアだけではなく、製造を実現するための条件を満たすこと、そして販売を促進するための文脈やメッセージングを整えることが必要です。その中で『Dear Ladies』に連動したMD商品は、短期間で完売商品が続出するなど良い事例となりました。
MD求人の募集要項にも記載されていますが、ルール・制約がある中で、最大限の効果を出すことができるプランニング能力が必要不可欠です。「つくる」だけでなく「届ける」こと、つまり「売る」「売れる」仕掛けや仕組み作りが求められます。各チームと連携しながら、販売戦略までMDがマネジメントしていくことが必要になります。
入社のきっかけと仕事のやりがい
私は2013年2月に入社したのですが、元々は2001年、当時の会社から「Ｊリーググッズの商品担当」という形で、アントラーズに出向したことがきっかけでした。
前職では下水道の設計の仕事をしており、当時はMDという仕事の経験は全くありませんでしたが、サッカー、鹿島アントラーズの仕事をしたい一心で応募しました。
はじめは店舗やスタジアムでの商品販売管理からスタートし、徐々に商品化の仕事も並行して任されるようになりました。最初は右も左もわからない環境でしたが、過去実績や商品化までの工程などについて、取引先ごとにヒアリングを繰り返すことで、先方が求めるインプット、判断タイミングなどを覚えていきました。時には、私の管理経験の少なさから失敗を招いてしまうこともありました。
それでも徐々に仕事にも慣れ、出向初年度でチームがリーグ優勝するというタイミングにも恵まれ、優勝記念グッズを作る機会に巡り合うことができました。自分自身も胸が熱くなりながら仕事をしたことを今でも思い出します。
この仕事のやりがいと楽しみは、ショップやホームゲームで日々触れ合っているファン・サポーターの皆様に向けて、どんな商品が喜ばれるか、ご購入いただけるか、流行に対してアントラーズのファン・サポーターにマッチするかなどを日々チームで考え続けることです。
売上や販売数といった部分はクラブ運営面としてはもちろん必要な部分ではあるのですが、我々が想いを込めて準備した商品をご購入いただいている様子や身につけていただいている姿を見ることが非常に大きな喜びとなります。
また、MD事業は「商品企画・製作」という側面だけではなく、自分たちの「アイデンティティーやメッセージを表現する」役割も担う仕事になります。その点もMDにとって重要なことであり、プレッシャーとともに非常に大きなやりがいを感じます。
MDの仕事に求められるもの
Ｊリーグ開幕（1993年）からカシマスタジアム改修（2001年）までの時代と異なり、“同じものをたくさん売る”のが難しい時代になりました。多種多様なラインナップを用意し、お客様それぞれのニーズに合わせてきめ細かな商品展開をしていく必要があるのです。
事業環境の変化とともに、選手肖像商品の多様化はもちろん、女性向け、キッズ向け、ベビー向け、最近ではアウトドア用品からキッチン・インテリア商品までラインナップが広がっています。著名なデザイナーとのコラボレーションなど、外部との関わりをベースに商品が作られることも珍しくはありません。
販売方法やチャネルについても、スタジアムやクラブハウスショップといった店頭だけでなく、ECサイトが導入されるなど様々な変化が起こってきました。MD担当には、そうした環境の変化への対応能力が求められます。具体的には、トレンドや情報を適切にキャッチアップできる情報感度、あふれる情報をしっかりと選別できるリテラシー、そして情報のインプットをアウトプットに昇華できる力が求められています。
当社のサブラインである「F.D.」は2022年シーズンから、「sacai（サカイ）」のクリエイティブ・ディレクションを手掛けていることでも知られている源馬大輔さんをD.O.P.（Director of Project）に迎えました。これまでクラブグッズを届けられていなかった層に興味を持っていただくきっかけとして、スポーツクラブにおけるMDの枠を超えて、F.D.をより影響力のあるブランドとして成長させていければと考えています。現在のファン・サポーターだけをターゲットに商品作りをするだけではなく、新しい層への認知拡大することで、新たなファン作りにつながるアプローチになればと考えています。そうした今までにない新しい施策や試みを、オーナーシップをもって取り組むことが重要になります。
ECを中心に、どうすればより多くの方に商品を届けることができるか、そしてどのような商品が多くの方に喜んでいただけるかを試行錯誤しながら、「Go Bold」にトライをし続ける。そうしたマインドセットがとても重要であり、次のアントラーズにおけるMDの「あるべき姿」を形成する源になると考えています。そんな考えに共感いただける方と、ぜひ一緒に仕事ができればと考えています。
MDポジション・採用募集中です！
今回は担当者の私から直接「MD」という仕事についてご紹介しました。なかなかすべてをお伝えすることは難しいですが、何となく仕事のイメージを理解いただける機会になれば幸いです。
そして、9月27日（火）19:00から開催するオンラインイベント「鹿島アントラーズの裏側 -マーチャンダイジング：プロフットボールクラブにおけるMD-」が開催されます。イベントではさらに詳しく、アントラーズにおけるMDの仕事について具体的にお伝えする予定です。
1日の流れなどMD業務の説明や、「プロフットボールクラブにおけるMDの役割と実情」をテーマにしたトークセッションコーナー、そして皆さまの疑問・質問にお応えするQ&Aコーナー...etc、今回のnoteで伝えきれなかったことを盛りだくさんにお話ししたいと思います。わたし根本と取締役マーケティングダイレクター、コンシューマグループメンバーがスピーカーを務めますので、皆さま奮ってご参加ください！
＜9/27（火）オンラインイベント情報＞
そして、MDポジションへのご応募もお待ちしております！
＜MD募集要項＞
それではまた次回のnoteで。
＜アントラーズ採用情報＞