書くことの効用 〜マッチングアプリde婚活もどき日記12〜
利用者の好みを分析抽出して、それに合致するお相手だけを表示させるシステムとか整わないものですかね。
お互いの心にこれ以上のささくれを生まないために。
未来の技術で助けてドラ◯もーん!
という気分です。マッチングアプリの話です。
ちなみにド◯えもんは、幼稚園児の頃「のび太の大魔境」を近所のレンタル屋のビデオテープを擦り切れさせるほどに観ました(親が「どんどん画質悪くなってったのはうちのせいだわ。絶対ビデオ買った方が安かった」と後から言っていた)。
「ザイールの奥地」とか出てきて、アフリカのイメージが頭に染みつきましたね。あと、当時はセリフもほぼ覚えていて、あれで語彙がかなり増えたと思われる。
アフリカは一度行ってみたいのだが……国際情勢やコロナもあって、なかなか踏み切るのが難しい状況に。
ただ、一人旅だと厳しくても、一緒に行ってくれる人がいればいつか行けるかもしれない。
ということで、進捗について。
昨日午後、新たに1人マッチングしました。
数十分後に、初回メッセージが届きました。
「お、やっとまともにメッセージのやりとりが始まったぞ!」
と喜んでいたら、
5通目ほどで途絶えました。
関西圏のバツイチ年下男子Cさん(仮)。
写真の雰囲気やプロフを見た感じの評定は「良」寄りの「可」でスタートしたのですが、2通目のメッセージで
「結婚に対する価値観が似てるなーと思ってメッセージ送りました^^ 」
と来て、
「おお、そこに言及してくれた人は初めて! 嬉しい!」
と、一気に評定が「優」に近づきました。
(ヤッター! 遊びでなく見た目がどうこうでもなく、価値観に同意してくれる相手が見つかった! これなら無理のない関係が築けるかもしれない!)
と小躍りしていたのですが、お別れは突然に……いや、まだ間を置いて返信が来る可能性もゼロではないのだが。
考えられる方向性としては、
1、こちらの返信のタイミングが気に入らなかった(即レスせずだらだら返す)
2、「居住地は京都とプロフに書いているが、実は九州出身」なのが気に入らなかった(「京女(きょうじょ、ではなく「きょうおんな」)」ブランドはやっぱり根強いのだろうか)
3、「こいつ自己主張強いな」とバレた(まあ隠す気もないが)
4、初期ポイントが尽きて、それ以上課金する気が起きない(もう慣れた)
……等々、思い当たる節は色々ある。が、
たとえどれであったとしても、別に私悪くないしな。
と思えば、ちょいと寂しさはあるものの、さっさと次を探すのが賢明なのかもしれません。
だいたい、世のマッチングアプリ利用者がどのくらいの頻度でメッセージ交換してるかなんて知らんけど。
「マッチングアプリ メッセージ 頻度」などとググって見つけた婚活指南サイトによると(なぜかこういうサイトは9割がた男性利用者向けなんだよな)、
「1日1往復くらいで2週間くらい続けて、初デートにこぎつけましょう」
……って、んなまどろっこしいこと、やってられっかーーーいと思う。
会ってみないことには、雰囲気とかフィーリングとか何もわからんわ!
顔合わせて喋った時の空気感、相槌のタイミング、笑い方、そういった具体的な情報なしに長く付き合っていけるかどうかなんてわからんやろ!
まともな会話が成立することさえ確認できたら、
次の週末には会って現物査定したいわ!
というのが、本音である。
が、そんなことを直で言うわけにもいかんなと思い、
「えーと、どうすれば『お茶しましょう』って展開になるんかいな……。
とりあえず、こっちの情報を出してけばいいよな。
メッセージのやりとりって相手の情報把握するためのものだもんな?」
……と、とりあえず相手のメッセージの行数に合わせつつ、結婚というよりパートナーがいいと思う理由、実家のことや京都で暮らすことになった経緯、今の仕事のことなど、情報を出していったんですがね。
残念ながら途絶。
寂しいもんですなぁ。
別に私悪くないけど。
もう次を探しはじめたから別にいいけど。
そういえば、以前自分が書いた記事をなんとなく見返していて、「いや、これは違ったな」と思うことがありました。
この記事の中で「前の擬似失恋の記憶はもう遠い。便利な脳みそしてるな」とか書いたのですが、
そうではなく、たぶん、つらい感情を文字に置き換え、自分なりにストーリーを再構築してまとめ上げたことで、客観的に感じられるようになったんだろうなぁ、と今なら言い直せます。
すでに昔から色々な人が言ってきたことだと思うが、最近だと小川洋子さんが『物語の役割』(ちくまプリマー新書)の中ではっきり書かれていたような。
我々が物語を必要とする理由、そして自分が小説を書く理由、を丁寧に述べられていた気がする。
それから、売られて吉原の花魁となり、のちに柳原白蓮女史の助けを借りてその境遇から逃れた森光子さんの『吉原花魁日記』。
これは最初ツイッターで見かけた漫画版から入ったのだが、活字のほうが余計な解釈が入り込んでいなくてよかった。
つらい境遇に置かれた彼女は「書くことで復讐してやる」と、吉原での日々を記録しはじめた。
また、このつながりで読んだ柳原白蓮の自伝小説『荊棘の実』もなかなかに面白かった。
筑紫の女王も、屈辱的だった一度目、二度目の結婚を物語にすることで、自分から切り離したんじゃなかろうか。
まあ、人間の脳というのは自分が信じたいことを信じるようであるから、細部を捨象してオリジナルの物語に作り替える中で、嫌な記憶は自分で好きなように書き換えることもできる。
それが正しいかどうかはともかく、嫌な記憶を抱えたままにしておくよりは、少なくとも自分の精神衛生上は絶対にいい。
——ということで、マッチングアプリの利用で生まれるささくれ(「傷」というほどでもないが微妙にイラッとする、本当に「ささくれ」と言うのがちょうど良い)を物語に再構成して自分から切り離す目的で、この日記ももうしばらく続けるつもりである。
読んでくださり、ありがとうございます。 実家の保護猫用リスト https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/25SP0BSNG5UMP?ref_=wl_share