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11.教員と世襲

「医者の世襲率の高さ」について書かれた文章を読んだ。
まあ、医学部はお金かかるし、大抵の親は子に継いでほしいと思うのだろう。

個人的には、教員の世襲率もかなり高いと思う。特に田舎は。
別に調査したわけでもないが感覚的に。

公立高校の採用試験の時も、採用後に行った学校でも、年に一度の異動調査なんかでも、「身内に教員がいるか」を書かされる
「自衛隊×農家」の家の出の筆者は常にそこを空欄にして提出してきたが、その欄は結構でかくて、5〜6人は書けるようになっている。
親の他に、おじさんおばさんいとことかも書くためだろうか。

主な目的は「家族が同じ学校に勤めるのを避けるため」だと思うが、別の学校に居たって、実際、教員の世界ではあんまり変わらない気がする。
みんな同じ県内でぐるぐる異動するから、「いやぁ、前の学校ではあなたのお父さんにお世話になりまして…」なんて言ってるのはよく見た。

筆者が退職前に勤めていた離島の高校には「相手によってコロコロ態度を変える」「キレたらハサミを投げつける」ので有名な教頭(愛称:「キューピー」)がいた。
そして筆者と同学年団に所属し、「筆者が担任していたクラスの隣のクラスの担任」に、親が別の学校の校長をしている若手・Rがいた。

「やぁ、Rくん。ちょっといい?」
と、キューピーが彼を呼ぶときの声は、いつもどことなく猫撫で声であった。よう覚えとるわ。

Rは最若手層の1人であったが、学年副主任であった。
まあ離島の高校は全体的に年齢層が低い(年寄りが不便な離島を嫌うため、若手に押し付けられる)から、別にめちゃくちゃ違和感がある人事というわけではないのだが、他の学年団と比べると明らかに若かった。
人事は基本的に教頭が決めてることを考えると、この教頭だけに、なんだか妙な勘ぐりを働かせてしまう。

Rのクラスの生徒が問題を起こしても、彼に厳しい態度をとる姿は見た記憶がない。
筆者は一度、近くに生徒がいる前で怒鳴り飛ばされたこともあるんだが。(「たとえ相手が若手でも、生徒がいる前で叱るのはタブー」というのが職員室の共通認識)

まあ、あんまり私怨臭くなっても良くないのでこの辺にするが、なんにせよ、「教頭を校長に昇格させるかどうか」は現校長たちも大いに関わっていたようだから、その息子の機嫌も損ねないようにしていたのは傍目に明らかだった。

管理職の昇格基準にはこの「世襲」と、あと「学歴」も多分に含まれていたようだし、雑草育ちの筆者などに対しては嫌味言いたい放題だったわけだな。けっ。

思い出すと多少イラつきはするが、所詮は小物であった。日々減っていく毛を惜しみながら、頑張って狭い田舎の校長にでもなればいいさ。


久々の教員時代のおもひで記事更新であった。 次回があるかは未定。
2年経てば記憶も薄れつつあるが、まあたまの毒吐きにはうってつけの話題でもある。

冒頭画像は実家の保護猫「麻呂」(♂2歳)。
実家の構成員の中で最も表情筋が発達している猫である。

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読んでくださり、ありがとうございます。 実家の保護猫用リスト https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/25SP0BSNG5UMP?ref_=wl_share