家族ががん告知を受けた　日記9 3/30(土)

「乳がんと診断されて、今度全摘手術を受ける。遺伝の可能性が高いと言われたから、検査受けたほうがいいよ」

（日記をサボっていた言い訳というわけではない——と言いつつそれを理由にしてもいいかと思いながら久々にnoteの執筆画面を開いた——が）

妹からそんなLINEが来た。

以前から、手相でいうところの生命線が途中で捩じ曲がっているのが気になっていたし、
占い師に「病気に注意しなさい。特に乳がんとか、女性特有の疾患に」
と言われたこともあり、他人事ではないと常々思ってきたが、いよいよ他人事ではなくなった。

そのLINEの数日後に、同僚女性二人と新幹線に乗って出張する用事があった。雑談の中で家族の話が出た時、

「妹が今度手術するらしいんです、乳がんの全摘」

と話した後は、いつもは当たりのきつい年上同僚の態度が、心なしか軟化した気がするのは草であった……いや、ありがたい（？）ことだった（？）。

どう取り繕ったところで常に「死」が視野に入っている病というのは、本人も周りもしんどいもんである。

何日後に死亡！　と決まっているわけでもないから、患者も家族も、社会への対応を止めるわけにはいかないし。
底の見えない崖のふちを平気な顔して歩け、と言われているようなものだと思う。

妹は、今後のことも考えて全摘を選んだそうだ。
３人きょうだいの長女なる我も、次女の彼女も未婚でぼちぼちアラフォーである。
なお、これはどうでもいいが、去年わざわざハワイまで行って結婚した末弟は最近離婚したらしい（そういや数ヶ月前に「子供ができた」と聞いたがそれはどうなったんやろ、と思いつつ特に訊く気もないくらいには関心が薄い）。

「そっか全摘かぁ……全摘ねえー……痛いよなぁ……」と思いつつ、テレビがない代わりに毎日iPadで流しているWebお天気番組「ウェザーニュース」をニコニコ生放送で視聴していたら、

「ニットの衣装だと膨らみがわかっていいな！」
「○○（キャスターさんの愛称）は平野だが、同期の××は陰影がはっきりで素晴らしい」

等々、いつも通りだが便所の落書きレベルのコメントが流れていった。

Youtubeは突然大音量のCMが入って心臓に悪いのでニコ生で視聴しているが、
（かつ学生時代はニコ厨だったのでこんなコメントの調子にも慣れちゃいるが）　
「乳がんで全摘した女性が出てきたら何て言うつもりや？　まあ何も言わんやろけど。幸せやなお前ら」
と、鼻くそのような感想を脳内で呟いた。

半端に技術が進んでいる時代だからこそ、大病がわかると大変である。

「えっ、がんですか。そりゃまた面倒な……私、注射も手術も嫌すぎて、後始末終わったら安楽死したいんですがその方向で頼めませんか」

……と合理的には進めてもらえず、神経の通った肉を切り裂いて痛い思いをしてでも生かされてしまうのが（痛いの嫌いな自分としては非常に）つらいところだ。

とりあえず、妹のほうは入院中の実家の保護猫たちが心配だと言うので、ちゅ〜ると猫缶数ヶ月分＋ペットカメラを届けた。

色々あって就業しておらずほぼ家にいる妹だが、ペットカメラ越しの猫の観察というのは想像以上に楽しいものらしい。
飼い猫でも、人間の前では見せない行動や表情というのがあるようだ。
独り言を言う奴や、３分間くらいひたすら虚空を眺めている奴もいるらしい。

これは人間向けの表情ということか

妹とは毎日LINEをしているが、この件を聞いてからは返信にも時間がかかるようになった。
そこに、うっかり３日ぐらい放置していた婚活相手からの追いLINE・追いアプリメッセージが来るとイラついて舌打ちが漏れる。

なお、婚活については以下の２名が進行中。

・年末に出会った「ルックスは好みではないしおそらく収入は自分より下だし実家住まいだが、『源氏物語』好きという趣味がマッチ（稀少）して大河ドラマ関連の場所を色々巡れる＋メンタルが半端なく安定している点が好印象の同年代男子」

・先月出会った「ルックスは普通（やや出っ歯なのが気になるといえば気になる）だが高身長で高収入、筋トレと阪神の試合観戦命の同年代男子」

10歳上や下の人と会ってた時期もあったが、やはり同年代が一番安心なのかもな……と思い始めている。

なお、前者とは明日、後者とは来週末に、京都の桜名所でお花見デート予定である。

（しかし大幅な開花時期の遅れにより、前者との花見は早めに切り上げてカフェでお茶でもすることになりそうである……花の咲いてない名所じゃね……他に楽しめるものがあれば良いが、無ければ無いでカフェで今までよりも踏み込んだ婚活トークをするとしよう）