The Museum級。
20年近く海外オークションで掘り出し物を探しているあいだに、博物館級と言ってもいいお宝に出会うことがあった。ぼく自身はコレクターじゃないから自分で使わないものは売り払ってしまう。ここに写真だけ記録として残しておこう。
これは世界に2本しか存在しない貴重なフレーム。2人のフランス人トラック競技代表選手のためにCORIMAがそれぞれに1台ずつ製作した完全なワンオフ。イギリス人のコレクターから落札したこの1本は、現役時代ケイリン競技で3度の世界チャンピオンに輝いたフレデリック・マニエ氏のために作られたフレーム。落札した2009年ごろ、マニエ氏は日本自転車競技連盟のナショナルディレクターとして2012年のロンドンオリンピックを目指して日本のトラック競技選手たちの強化を担っていたから、自転車競技者には彼を知ってる人がいるかも。
ヘッドパーツはカンパだったけど上ワンがどうなってるのか分からなかった。ホイールサイズはF 650c、R 700cの前後異径。Pumaのスペシャルバージョンかな。ぼくは東京のカスタムショップのオーナーに譲ったけど、現在は大阪のコレクターのもとにあると知り合いから聞いた。
次はBottecchiaのBagarre。
これもF 650cのpursuitフレーム、トラック用。Columbus Airチューブで構成されている。確か87年のミラノ・サローネで発表されたあと、日本にもロード用完成車が輸入されていたけどお値段350マソ…!残念ながらこの個体はBBシェル付近に再溶接で補修した痕があるのでジャンクとして落札。レストアしても自分が乗れるサイズじゃなかったからすぐに転売しちゃったけど、今なら時間とお金をかけてレストアして飾っておいても良かったかなぁなんて思う(笑)しかし補修痕のおかげでどういう造りになってるかを知ることができた。ある程度の形状をクロモリのチューブと板で構成したあと、滑らかなフィンを形成するためにパテを盛っていたのだ。そのせいで異様に重かった。多分Cinelli のレーザーもほぼ同じ造りだと思う。
最後にちょっとしたパーツなんだけど珍しいもの。
selle ITALIAのランバーサポート。Turbomatic3 専用の拡張パーツ。樹脂の劣化で現存するものはほとんどないけど2回見つけることができた。ここ数年はオークションでも見かけないかな。使うとこんな感じに。
ちなみにこのC4のトラックフレームも僕がスイスのオークションで発見して福岡の人に譲ったもの。やっぱりC4カッコいい(❁´ω`❁)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?