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「太陽のプーチン」と「月のプーチン」

これからご紹介する報道は、今まで「ウクライナ戦争」関係でなされた報道の中で、私が知る限りもっとも注目に値する重要な内容であり、ウクライナに限らずこの世界全体に平和をもたらすにはどうしたらいいか、ということにも深く関係のある内容です。それが、日本のメディアによる報道である、というのも何とも皮肉な話です。
BS-TBSが、「プーチンの頭脳」と呼ばれるロシアの思想家ドゥーギン氏にインタビューした内容です。
これは驚愕に値するとともに、私などは「やっぱりな」と思うものであり、戦争終結の最大のカギになるものだと考えています。

“プーチンの頭脳” 思想家ドゥーギン氏初めて語る…「ロシアの勝利か人類滅亡かの二択」【報道1930】
TBS NEWS DIG Powered by JNN 2023年2月12日 (日) 17:09

動画:

ドゥーギン氏によれば、プーチンの内面はいまだに「太陽のプーチン」と「月のプーチン」に二分しているというのです。
「太陽のプーチン」は愛国者で、一極の世界を作ろうとする西側と徹底対決を辞さず、多極世界を死守しようとしているといいます。その一方、「月のプーチン」は、欧米の価値を認め、ロシアを欧米の文明の一部とみなし、(欧米諸国との)貿易こそがすべての問題の解決策だとするプーチンだというのです。

心理学的に言うと、プーチンの「太陽」の部分とはまさに「ペルソナ」であり、「月」の部分とは「シャドー」です。
プーチン自身も、そして敵対する西側諸国も、「太陽のプーチン」しか見えていない、とドゥーギン氏は言うのです。ところが、ロシア国民には「月のプーチン」が見えている、といいます。

欧米諸国は、「ウクライナ戦争の早期終結のため」という名目で、ウクライナへの軍事支援とロシアに対する経済制裁を延々と続けていますが、これも心理学的に言えば、「ロシアは自分たちにとっていかに重要は貿易相手国か」ということを思い知るためにやっているようなものです。
双方とも無傷ではいられない、ということです。
もういい加減、私たち人類は、様々なやり方で他国にちょっかいを出すことで、自分で自分の頬っぺたをビンタして、「誰がそんなことをするんだ!?」と言って犯人捜しをしていることに気づく必要があります。

これこそ、この問題の真相(深層)です。ここにこそ、戦争終結の最大のポイントがあります。
つまり、ウクライナ戦争が終結するには、プーチン自身が「月」の部分に気づくか、私たちがそれに気づくかしなければならないわけです。さもないとドゥーギン氏の言う通り、プーチンは核戦争も辞さないかもしれないのです。
では、プーチン自身が「月のプーチン」に気づいて、戦争をやめるでしょうか?
いいえ、それは残念ながら心理学的に言ってもまずあり得ません。
残るは、私たち「反ロシア諸国」がそれに気づいて、それに対して適切な対処をするしかありません。もちろんそれは、私たち自身の「シャドー」に気づくことでもあります。

では、「ペルソナとシャドーの分裂」という事態にどうすれば適切に対処できるのか、という問題になってきます。
これこそが、ウクライナ問題、いえ、あらゆる戦争・紛争を解決するための最も重要な全人類的課題なのです。
では、政治家や軍人にそれができるでしょうか?
いいえ、まず無理です。
では、誰がやるのか。私たち一般市民しかあり得ません。でも、どうやって?
それについて私は、ドリームワークを通して、あるいはケン・ウィルバーのインテグラル理論を語ることを通してやり続けている、と言っても過言ではないでしょう。

この「ペルソナとシャドーの分裂」という問題に関しては、私が制作した次の映像をぜひご覧ください。


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