世界に誇る昆虫食「ざざ虫」
こんにちは、ANTCICADA 編集部の尾関です!
みなさんは「ざざ虫」という名前を聞いたことあるでしょうか。
あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、ざざ虫は漁業権が必要とされる世界でも類を見ない食用昆虫なのです。
ANTCICADAでは佃煮やソースとして活用しており、かなりお世話になっている虫の一つです。(実は、私の人生初の昆虫食でもあります、、!)
今回はそんなざざ虫について、いろいろご紹介ができたらと思います。
1. ざざ虫とは
ざざ虫とは、トビケラ、カワゲラ、ヘビトンボなど、川の瀬に生息する川虫のうち特に「食用」にする幼虫の総称です。
現在、ざざ虫漁が盛んに行われているのは、全国の中でも長野県南部の伊那谷を流れる一級河川「天竜川」でのみ。
かつて「あばれ天竜」と呼ばれた天竜川のザアザアと流れる川の音から、「ざざ虫」と呼ばれるようになったといわれています。
そして、ざざ虫の気になるその味わいですが、、、
貝類や海苔にも似た旨味をとても強く感じられます。
ANTCICADAで今まで扱ってきた虫の中でも、間違いなくトップクラスに美味い食材なんです。
2.ざざ虫漁
一般的に、ざざ虫漁には写真にもあるような「四つ手網」という大きい網を使用します。
手順としては、網を下流に置いた状態で上流にある岩を鍬でひっくり返し、足で岩の表面をガリガリと掻きます。
すると岩にくっついているざざ虫が下流に流れ、設置しておいた網に引っかかるというわけです。
こうした様子から、ざざ虫漁は別名「足踏み漁」とも言われています。
私も大学時代に漁を体験しましたが、なんと漁期は12月下旬から2月下旬までという超がつくほど寒い時期。
伊那は長野県の中でも暖かい方だと言われますが、とはいえ信州なので天竜川の水温は、冷たいというか、もはや痛い。。
ガチガチに防寒しても2時間が限界でした。笑
伊那谷では、捕獲したざざ虫は茹でたあと天日干しにし、佃煮にするのが一般的。
長野県内ではスーパーや居酒屋さんでは高級珍味として結構見かけますね。
我々ANTCICADAがお世話になっている「塚原信州珍味」さんもその一つです。
ざざ虫漁の全盛期だった40~50年前は、1シーズンで高級車一台が買えるほど稼いだ漁師さんもいたとのこと。
虫で一攫千金が狙える時代があったとは驚きですね、、!
現在でも、年により上下するものの、6000円/kgほどの高級珍味として高値で取引されています。
3.ANTCIADAにおけるざざ虫の活用例
1)佃煮
ざざ虫の貝類や海藻のような風味を活かし、醤油ベースのタレのほかに山椒を加えています。
ご飯との相性が抜群に良く、ANTCICADAの昆虫佃煮シリーズの中でも特に人気の高いんです。
2)ざざ虫を使った一品
以前コースで出していたざざ虫と枝豆の一品です。
これ以外にもざざ虫をソース状にして野菜と合わせたりと、
いろいろな場面で活躍してくれています。
4.さいごに
みなさん、いかがでしたでしょうか。
現在ざざ虫漁師さんは10人ほどになり、最年少の方はなんと70代。
今から10年後、ざざ虫漁も、それを食べる文化もなくなってしまっているかもしれません。
ただ「伝統的に行われてきたから」ということだけではなく、
その地域を特徴づける特産物として、またシンプルに食材として有能であることを考えると、ざざ虫漁はやはり後世に引き継いでいきたい文化であると感じています。
この記事がざざ虫について興味を持つキッカケとなっていただけたら嬉しいな、なんて思っています。
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