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宇宙(そら)よりも遠い聖地に向けて②

「宇宙よりも遠い聖地に向けて①」というタイトルでnote投稿を始めてから、今日で880日を数えるまでになりました。当時は学部3年生だった自分も今では大学を卒業し、1年のブランクを挟み、春からの大学院入学を控えています。その2年5カ月の間に起きたこと、大学院では何を研究したいのかについてまとめていきます。

今になって最初の投稿を読み返すと、パッションはあるものの具体性や計画性がなかった当時の頭の中が全世界に公開されていることにちょっとした恥ずかしさを覚えますね。

学部3年生のころ

南極に行きたい→大学院に進学しようと決意をして、行動を始めたときでした。実際に南極観測隊に参加した方にお話を聞いたり、大学院の先生や先輩を訪問していろいろな相談をしました。そうした方達から指摘されたのは、「大学院に進学しても南極に行けないこともある。だから、南極に行きたいことだけをモチベーションに進学すると辛いことになるかもしれない」ということでした。

純粋というか、無邪気というか、単純に「南極に行きたいんです!」だけ言っていた自分が冷静になり始めた時期でした。そしていくつかの理由から本当に進学してもいいのだろうかとためらいを覚えるようにもなりました。

当時は、興味のある対象はあるものの知識不足などから具体的な研究ビジョンが見えていなかったし、大学院で5年間を過ごすことで私企業に就職する場合に不利になるのではないかという不安、などから進学にためらいが生じ始めました。

当時のnoteを見返すと、かなりブレブレで大丈夫かよと過去の自分ながら心配になるくらいでした・・・。読み返すのすら恥ずかしい・・・。

それでも、大学院でサバイブできるようにと、学部内で一番研究力のあるラボに配属願を出して、ハードな卒業研究生活が始まりました。卒業研究に力を集中させるために、その時手を出していたいくつかの活動から手を引くなどしました。


学部4年生のころ

ラボ生活にも慣れてきたところでコロナ禍がやってきました。
ラボがしばらく閉鎖されたりして時間が生じたため、夏の大学院入試に向けて勉強を始めたつもりだったのですが、高校受験以来の本格的な受験勉強にうまく自分を調整できずにいました。何をどれだけやったらいいのかもわからないし、勉強にもなかなか集中できないなど。このあたりもまだ迷走していた気がします。

迷走したまま、大学院受験に向けて志望理由書の執筆や面接対策なども行っていました。試験1か月前まではラボの実験に全力を注ぎ、1か月前から本格的に勉強を始めたつもりでした。

結果、1度目の大学院入試は惨敗。2020年9月の頃です。
大学院の先生曰く、筆記試験の点数が足りていなかったとのことでした。
解きながらも、「こうだっけ?」みたいな不確かな手ごたえで回答していたので当たり前といえば当たり前だったと思います。

そこからは、別の大学院の冬入試を受けるのか、浪人して同じ大学院を受けなおすか、留年して同じ大学院を受けなおすか、急いで就職に舵を切るかの4つの選択肢で主に悩んでいました。そして、人生を悔いなく生きるために進学を選ぶけど、親に迷惑をかけすぎないようにと大学を卒業して浪人する道を選びました。

冬はとにかく卒論。
何度かダメかもしれないと思ったりもしましたが、先生やポスドクさん、先輩方のおかげでなんとかまとめ上げ、学会発表までも経験しました。
これらの経験を通じて「研究」の一端を始めて理解し始めたと思います。この経験があったからこそ、その後研究テーマを再考するときの助けになりました。やっぱりやってみないとわからないもんですね。

大学院浪人生のころ

前回の敗因が筆記試験だったため、とにかく必死に勉強をしていました。
過去問の傾向から生態学が主な範囲であるとわかっていたため、生態学と、生態学と対をなす進化論などを中心に、動植物の種類や特徴、極地の現象なども時間の許す限り勉強を行いました。

また勉強だけでなく、研究計画のディティールもしっかり詰めたいと思っていたので論文も読み込みました。筆記試験の勉強で得た知識、論文の情報をもとに、なんとかそれらしい志望理由書を書き上げることができました。

そうした努力を重ねた結果、無事に2度目にして大学院に合格を果たしました。合格発表を見たときは喜びよりも安堵が勝っていたのをよく覚えています。色々な面で支えてくれた家族、先輩、先生、友人らには感謝の念が絶えません。

何を研究したいのか

ここまでして自分が研究したいと思っている対象について紹介したいと思います。百聞は一見に如かず。こちらの動画をご覧ください。

これですこれ。コケボウズ。

氷に覆われた南極大陸と言えども、地面が露出している場所が複数個所あり、そこには湖が点在しています。その湖の湖底に分布しているのがコケボウズです。

南極という生物に乏しい場所で、こんなにも大きな構造体がコケによって形成されていること自体めちゃめちゃ面白いです。しかも、そのコケは南米から気流に乗ってやってきたのではないかと目されていることもさらに面白さを引き立てています。

大きなコケボウズですが、夏には強すぎる光にさらされるし、極夜の冬には光が差さないし、しかも栄養素が乏しい湖中で生息しているんです。しかも先端がツンツンととんがっている。

詳しい手法などは改めて大学院の先生と相談して決めていきたいと考えていますが、コケボウズがどうやって形成されたのかという過程について大学院で研究をしたいと考えています。

最後に

さてさて、それらを研究できるようになるまであと数か月。
この残りの期間で何とか進学に必要な費用を集めきりたいと思います!
(バイト探しが難航したりしたので、noteのサポートなどを送っていただけるとさらに喜びます! 笑)

引き続き南極に行くまでの過程を随時投稿していきますのでどうぞよろしくお願いします!

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