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秋の日、これまでとこれから。

祖母は一日の中で何度もお茶を入れてくれます。
10時、15時、食事のあと。
「お茶のむかい?」「うん、お願い」そんなやり取りを繰り返すのが日常になっています。

今日の夕食後、祖母が「ほうじ茶入れようか」と提案してくれた時に「飲む!」といつになく食い気味に返事をしていました。夕飯のアジフライの風味が残ってるうちに、温かく香りのよいほうじ茶を飲むという状況がたまらなく魅力的に思えたためです。

淹れてもらったほうじ茶を飲みながら、無意識に、これまでの季節とこれからの季節に思いをはせていました。

萌える緑を感じながら緑茶を飲んだ春が過ぎ、暑い暑いと麦茶をガブガブ飲んでいた夏が過ぎ、温かいほうじ茶を恋しく思う秋がやってきました。

ほうじ茶が美味しい季節が過ぎ、ホットココアで温まる冬を超えたら、自分は都内の大学院に通うために家を出ます。初めての一人暮らしです。


もしかしたら、今後の人生で両親と同居することはないかもしれない。
おそらく、祖父母と同居するのはこの一年が最初で最後になってしまうだろう。

普段は過ぎてしまってから大切さに気付くことが多いですが、いつもよりも早く、これから流れようとする時間がとても大切なもののように感じました。これまでに多くの過ぎ去った出来事に後悔してきた経験が積み重なったからかもしれないです。

自分も大人になったんだな。

これからの人生で、研究や仕事がどれだけ忙しくなっても、季節にあった飲み物を身近な人と飲みながら過す時間を大切にしていきたいなって思います。


いつになくポエミーな記事になりましたね。一人暮らしとともにより自立する人生が始まるという実感がわいてきたためか、なんでもないことでも寂しさを感じるようになってるのかもです。

頂いたサポートは、南極の植物を研究するために進学する大学院の学費や生活費に使わせていただきます。