患者さんに寄り添える医師を目指す医学生に見てほしい動画5選
実習が始まり、毎日の回診で入院患者さんとの会話。何を話したらいいか困ったことはありませんか。
外来見学では、指導医が患者さんと関わる姿を直接見る機会があります。どうしたら指導医のように上手に患者さんから必要な情報を聞き出したり、説明したりできるようになるのでしょうか。
将来自分が医師になった時、患者さんと良好な関係を築けるようにしたいものです。それには、学生のうちから患者さんとの関わり方を勉強しておく必要があります。そこで今回は、患者さんに寄り添える医師を目指す皆さんに見てほしいAntaa Channel動画を5つ紹介します。
①患者さんと上手に関わるスキル、リフレーミングを身につけよう！
「リフレーミング」というコミュニケーションスキルをご存じですか。リフレーミングとは、ある出来事に対する見方、考え方を変えて肯定的に捉え直す方法のことです。
OSCEのために医療面接を練習した際、共感的態度で模擬患者さんの話を聞くことが重要なポイントでした。「共感」は感情を扱うスキルですが「リフレーミング」は認知を扱うスキルです。
村山愛先生の動画「リフレーミング 関係性を深めるためのコミュニケーションスキル」では、例を交えてリフレーミングのやり方を説明しています。皆さんも動画を見ながら「自分ならどんな言葉掛けをするかな」と考えてみてください。リフレーミング力が鍛えられます。
②患者さんへの病状説明、寄り添った伝え方を学ぼう！
実際に自分が患者さんに病状を説明するとしたら、どのように話を進めるでしょうか。
実習で担当している患者さんがいるのであれば、その患者さんに現在の病状についてあなたが説明する場面を想像してみてください。指導医の患者さんとの関わり方をただ見ているだけでは、具体的にわからないという方が多いのではないでしょうか。
うまく説明できるようになりたい方に、天野雅之先生の「病状説明のハートとスキル」を紹介します。天野先生も医師になりたての頃、上手に病状を説明する方法がわからず、苦しんだそうです。
その後、家庭医療学や経営学を勉強し、病状説明の型となるcupsoupモデルを考案しました。動画では、型を使って病状説明の流れを実演しながら詳しく説明しています。皆さんもcupsoupモデルを使いこなして、患者さんに寄り添った病状説明スキルを身につけましょう。
次に紹介する動画は「演劇で描き出す患者の本音、医療者のホンネ 糖尿病劇場」です。糖尿病患者さんとの関わりを、3人の医師が経験をもとに話をしています。
実習中に出会う患者さんの中には、病歴に糖尿病を持つ方が多くいらっしゃいます。学生でも、糖尿病患者さんと関わる機会がたくさんありそうです。
動画を見て、病気を持ちながら生きる糖尿病患者さんの思いに触れてください。1人の人間として患者さんと関わることの大切さを感じました。患者さんの気持ちに思いを巡らせ、伝え方を考えさせられる動画です。
③LGBTの患者さんのことを知ろう！
LGBTという言葉をきちんと説明できますか？日本の中でLGBTの方が人口に占める割合は、糖尿病や喘息の罹患率と同じくらいだそうです。身近にLGBTの方がいたり、ご自身がLGBTであったりするかもしれません。
坂井雄貴先生による動画「明日から使える！医療者のためのLGBT基礎講座1」では、性の多様性について理解を深め、LGBTの健康問題を学べます。全3回のシリーズ動画です。医師として、LGBT患者さんとの関わり方について深く考えられるでしょう。
④障害を持つ患者さんの視点に立ってみよう！
障害を持たない方が障害を持つ方の立場に立って物事を考えるのは、簡単なことではありません。少しでも障害者の視点に立って、医師としてどう関わっていくか考えるために役立つ動画を紹介します。
小林正宜先生の「医者が知らない障害者のリアルガチライフ」では、3人の障害者の方が日常生活について語っています。特にドキッとさせられたのは、障害者の方の生活や気持ちを置いてきぼりにして治療を進めようとした医師に、戸惑いを感じたというエピソードです。障害者の方から、医師・医学生に伝えたいことも話しています。当事者の声をぜひ聞いてみてください。
患者さんに寄り添うのは難しい。だから学び続けよう！
今回は、患者さんに寄り添える医師になる、ヒントがつまった動画を紹介しました。
知識を持たない学生が、さまざまな背景を持つ患者さんに寄り添い、信頼関係を築くのは難しいと思います。私たちが今からできることは、コミュニケーションスキルを身につけ、患者さんの多様な背景を知る努力をすることではないでしょうか。
まだまだ勉強すべきことは山積みですね。一緒に動画を見て、学んでいきましょう！
執筆：toka@医学生