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満100歳まで生きたおじいちゃんの話

はじめに
 私は「後期高齢者」の上に”超”の一字をのせたいほどの馬齢を重ねました。九十年余り生きているが、ただ呼吸していたらここまでたどりついたという感じである。健康法とか長生きの秘訣などは一切ない。ただし、毎日買い出しに一キロ近くは歩いている勘定だ。

 老いを防ぐことはできない。いくらでも遅らせるために、いつも華やぐ心ー艶やかな気持ちをもつことが大事なように思う。つまり、あしたは孫の運動会だ、やれ正月だ、夏休みだ、などの日常茶飯事に自分の思いをのせて頭に描く。とにかくいろいろ思いをめぐらすことで、老いは遠のき天寿を全うするのではないかと思う。ボケも近づかないはずだ。一石二鳥にもいや三鳥にもなりそうである。

 こんな俗でたわいもない話でも、どうか読んで笑って下されば、私の望外の喜びとするところです。

   大浜 安秀著 エッセイ集『帰り花』より 一部抜粋

※こちらは、晩年まで書き物が趣味だった満100歳まで生きたおじいちゃんの自費出版エッセイ集を投稿することで、多くの方に昔の沖縄の風景や日常を愉しんでいただけたら嬉しく思います。どうぞ宜しくお願いいたします。(孫)

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