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ボリス・グロイス『ケアの哲学』

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英語版の各章をまとめました。(前・後編完結)
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[後編] Boris Groys(ボリス・グロイス)『Philosophy of Care(ケアの哲学)』

[後編] Boris Groys(ボリス・グロイス)『Philosophy of Care(ケアの哲学)』

7 ケアテイカーとしての民衆前半(1~6章)までの哲学者たちは、グロイスによれば世界の全体性、宇宙、存在に直接、無媒介にアクセスすることを求めていた。もし「私」が世界全体を支配する権力や力に直接、無媒介にアクセスすることができれば、私はケアの制度への依存をやめ、セルフケアを実践することができるのだ。「制度」というのは結局、宇宙のほんの一部にすぎず、宇宙そのものにアクセスするような態度をとることによ

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