見出し画像

【私の奨学金の使い道】 給付型奨学金「ANRI基礎科学スカラーシップ」

こんにちは!ベンチャーキャピタル ANRIでは、毎年、給付型奨学金「ANRI基礎科学スカラーシップ」を行なっております。(※現在、第6期募集中!)

今回は、ANRIの奨学金をどのように役立てていただいているのか、ANRI基礎科学スカラーシップ第4期に採択された、九州大学大学院の篠田あかりさんにご紹介いただきます。ぜひ、応募のきっかけやご参考にしていただけたら嬉しいです!



こんにちは!
「ANRI基礎科学スカラーシップ」第4期生の篠田あかりです。
今回は私が奨学金をどのように使わせていただいたかをご紹介します!

私はモンゴル人の食と健康と腸内細菌叢の関係の研究をしています。

モンゴル国では夏は乳製品、冬は肉を中心とした高動物性たんぱく質の食生活が特徴的で、そういった食生活が健康や腸内細菌叢に及ぼす影響は大変興味深いです。

この研究はサンプリングが肝で、サンプリング次第でデータの質も変わります。そのため、ぜひ自分でモンゴル国に行ってサンプリングを行いたいと思っていました。

しかし、これは理系あるあるだと思うのですが、実験・解析にお金がかかるため、そこに旅費・交通費が加わるとなかなかの額になってしまいます。

そんな中、この奨学金をいただけるとなった時に、「基本的には研究目的に従ったものであれば皆さんに奨学金利用の判断をお任せしています。」というお言葉をいただき、「ありがたすぎる!(泣)」と思いながら念願のモンゴル渡航に使わせていただこうと決めました

そもそもコロナ禍でモンゴルに行くことができるか、また、検疫上サンプルを日本に持って帰ることができるかなどの懸念点などもありましたが、モンゴル国・日本の様々な方のご協力のお陰で無事にサンプリングを終えることができました。

やっとのことで行くことのできたモンゴル国での滞在は本当に幸せなものでした!

フィールドワークの様子を少しご紹介したいと思います。

アイラグをサンプリングしている様子

こちらは発酵馬乳 アイラグのサンプリングをしているところです。渡航した8月はちょうどアイラグを仕込む時期です。
夏はアイラグだけ飲んで過ごす人も居るほどで、多い人では1日10リットル飲む人も・・・!乳酸発酵なので酸っぱくて暑い夏に飲むと元気が出る飲み物です。

馬から搾乳中。このお宅では一日に6回ほど搾乳していました。
できあがったアイラグは家族で飲んだり、お客さんに振る舞われます。

サンプリングを行う前には必ず遊牧民のゲル(テント式移動住宅)の中に入って、アイラグやおやつなどを頂いて30分くらい世間話などをしてまったりしてから研究の話が始まります。これがモンゴリアンスタイルで、単刀直入に「〇〇の用事で来ました。サンプル取らせてもらえませんか!」とは言わないのです。

サンプリングについて遊牧民の方と相談中

遊牧民の方に研究の話をすると、腸内細菌についてはあまりピンとこないようでしたが、普段食べているものが健康にどのような影響を及ぼしているか興味津々で、研究結果を知りたがる方が多いのが印象的でした。私は研究に興味を持っていただけたことが嬉しくて、結果が出たら遊牧民の方に報告しに来るという新たな目標ができました。

サンプリングの合間にはよくゲルの中で時間を過ごさせてもらいました。そこで遊牧民の方を見ていると、季節や家畜など自然のタイミングに合わせて生きているのが良く分かります。日本でスケジュールを分刻みで管理している生活とはあまりに対照的で、生き方は色々あることを改めて教えてもらった気がします。

遊牧民家族の穏やかな雰囲気が好きすぎて滞在中何度も通っていたゲル
ゲルからゲルへ移動途中の景色。永遠に草原が広がっています。

以上フィールドワークのご報告でした!

普段研究をしていると、応用研究のように問題の解決に直結するテーマに予算が集まる印象があり、自身の研究もどう応用と結び付けるか頭を悩ましながら申請書を書くことが多々ありました。しかし博士課程に進学してまで研究をしている本心は、「モンゴル人ってかなりユニークな食生活送っているけど、どんな腸内細菌叢になるのだろう!」という好奇心や、何より「モンゴルが好き!」という気持ちだったりします。

だからこの奨学金をいただけるとなった時にその好奇心や気持ちを肯定してもらえた気がして、とてもとても嬉しかったです。

背中を押されたことで、これからもモンゴル国の研究を続けたいという想いが加速しました。なにより今回いただいた奨学金のお陰で、現地でフィールドワークが出来たからこそ「協力してくれたあの遊牧民家族にまた会いに行きたい!草原がまた見たい!」と強く思いました。

またモンゴル国に行くためにも成果を出していこうと思います。

一年前この奨学金に応募したときは、まさかモンゴルでフィールドワークして、研究に対してこんなにワクワクしているとは思っていませんでした。挑戦して良かったと思っています。

他の奨学金などと比較して応募書類が少ないのもこの奨学金の魅力の一つだと思います!ぜひ皆様も応募してみてください!



篠田さん、素晴らしい、そして貴重な体験を共有いただき、ありがとうございました!少しでもみなさんの研究に役立てていただければ嬉しいです!引き続き、応援しております✨

【💡お知らせ💡】

現在、ANRIでは、基礎科学を研究している学生の方に向けた「ANRI基礎科学スカラーシップ」の第6期生を募集しております🎉
下記、詳細をご確認の上、ぜひご応募ください!

■概要
給付金額:1人あたり50万円
募集人数:最大15名
応募締切:2023年9月30日(土)
募集対象:数学や物理学、生物学、化学などの分野において優秀な成績を収めた学生、および2024年9月以降の卒業予定者(具体的な年齢制限は設けません)

👉応募はこちら

みなさまのご応募をお待ちしております!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?